競技パフォーマンスUP
オフシーズンは基礎的なトレーニングに集中した。誰よりも頑張ったし、ケガや風邪にも悩まされず、確実にフィジカルは向上したはずだ。あとは試合本番で最高のパフォーマンスを発揮するだけ。
最高のパフォーマンス。しかし、100%で満足したくはない。120%のパフォーマンスを発揮できる方法はないものか。
ロイシンとバリン、イソロイシン。この3つのアミノ酸は分枝構造をしているため、分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid : BCAA)と呼ばれる。このBCAAこそ、120%のパフォーマンスをもたらしてくれるカギとなるかもしれない。
ウォリアーのエネルギー源となるのは、主に糖質と脂質だ。脂質は脂肪酸として血中に存在するが、脂肪酸は「酸」であるため、そのままでは問題が生じる。そのため脂肪酸は通常、アルブミンというタンパク質と結合している。
そしてアルブミンはアミノ酸のトリプトファンとも結合している。運動を開始して多くのエネルギーが要求されるようになると、脂肪酸の要求量も増える。そのためアルブミンは多くの脂肪酸を運ぶために、トリプトファンを捨てざるを得なくなる。するとアルブミンと結合していない遊離状態のトリプトファンが増えることになるわけだ。
アルブミンから離れた遊離状態のトリプトファンは、脳に入ることができるようになる。脳に入ったトリプトファンは、神経伝達物質である「セロトニン」の材料になるのである。
「疲労の原因」についてはさまざまな仮説があるが、セロトニンが増えると疲労を感じるという説がある。またセロトニン受容体の活性化は筋収縮の発火頻度を低下させることが知られている1。
さて、脳にトリプトファンのようなアミノ酸が入り込む時には、運搬物質であるトランスポーターが必要となる。トリプトファンは中性アミノ酸であり、BCAAのような同じ中性アミノ酸とトランスポーターを同じくしている。そのため、BCAAが大量に存在するとトランスポーターの奪い合いが生じ、トリプトファンが脳内に入り込む量が少なくなって、セロトニンの合成を減らすことができるのだ2。
つまりBCAAを摂取することにより、脳内のセロトニンを減らし、疲労を軽減することが可能になるかもしれない。ラットの実験ではBCAAを投与した群は99分運動を継続できたが、投与しなかった群は76分しか運動できなかったという結果が出ている3。
また炭水化物とBCAA、カフェインを配合したドリンクを飲んで2時間のランニングを行ったところ、プラセボ群に比べて中枢系の疲労が明らかに抑えられ、通常よりも高いパフォーマンスを発揮することができた4。さらに70%VO2maxでサイクリングを行った研究ではBCAA摂取によって運動後の筋ダメージを明らかに抑えることができている5。特にグリコーゲンが枯渇した状態では、BCAAが脂肪酸の酸化によるエネルギー合成を高めるため、疲労が起こりにくくなることがわかっている6。
BCAAはパフォーマンスを改善するだけでなく、ハードな運動後の回復を早めてくれる。筋ダメージを軽減させ、筋肉痛にもなりにくくなる7,8,9。連戦による疲労を防ぎ、高いパフォーマンスを継続するためにも、ウォリアーにとってBCAAの摂取は不可欠だ。BCAAには筋たんぱくの合成を高めてトレーニング効果をアップさせたり、体脂肪を減らしたりといった作用も期待できる。
オフシーズンは基礎的なトレーニングに集中した。誰よりも頑張ったし、ケガや風邪にも悩まされず、確実にフィジカルは向上したはずだ。あとは試合本番で最高のパフォーマンスを発揮するだけ。
最高のパフォーマンス。しかし、100%で満足したくはない。120%のパフォーマンスを発揮できる方法はないものか。
ロイシンとバリン、イソロイシン。この3つのアミノ酸は分枝構造をしているため、分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid : BCAA)と呼ばれる。このBCAAこそ、120%のパフォーマンスをもたらしてくれるカギとなるかもしれない。
ウォリアーのエネルギー源となるのは、主に糖質と脂質だ。脂質は脂肪酸として血中に存在するが、脂肪酸は「酸」であるため、そのままでは問題が生じる。そのため脂肪酸は通常、アルブミンというタンパク質と結合している。
そしてアルブミンはアミノ酸のトリプトファンとも結合している。運動を開始して多くのエネルギーが要求されるようになると、脂肪酸の要求量も増える。そのためアルブミンは多くの脂肪酸を運ぶために、トリプトファンを捨てざるを得なくなる。するとアルブミンと結合していない遊離状態のトリプトファンが増えることになるわけだ。
アルブミンから離れた遊離状態のトリプトファンは、脳に入ることができるようになる。脳に入ったトリプトファンは、神経伝達物質である「セロトニン」の材料になるのである。
「疲労の原因」についてはさまざまな仮説があるが、セロトニンが増えると疲労を感じるという説がある。またセロトニン受容体の活性化は筋収縮の発火頻度を低下させることが知られている1。
さて、脳にトリプトファンのようなアミノ酸が入り込む時には、運搬物質であるトランスポーターが必要となる。トリプトファンは中性アミノ酸であり、BCAAのような同じ中性アミノ酸とトランスポーターを同じくしている。そのため、BCAAが大量に存在するとトランスポーターの奪い合いが生じ、トリプトファンが脳内に入り込む量が少なくなって、セロトニンの合成を減らすことができるのだ2。
つまりBCAAを摂取することにより、脳内のセロトニンを減らし、疲労を軽減することが可能になるかもしれない。ラットの実験ではBCAAを投与した群は99分運動を継続できたが、投与しなかった群は76分しか運動できなかったという結果が出ている3。
また炭水化物とBCAA、カフェインを配合したドリンクを飲んで2時間のランニングを行ったところ、プラセボ群に比べて中枢系の疲労が明らかに抑えられ、通常よりも高いパフォーマンスを発揮することができた4。さらに70%VO2maxでサイクリングを行った研究ではBCAA摂取によって運動後の筋ダメージを明らかに抑えることができている5。特にグリコーゲンが枯渇した状態では、BCAAが脂肪酸の酸化によるエネルギー合成を高めるため、疲労が起こりにくくなることがわかっている6。
BCAAはパフォーマンスを改善するだけでなく、ハードな運動後の回復を早めてくれる。筋ダメージを軽減させ、筋肉痛にもなりにくくなる7,8,9。連戦による疲労を防ぎ、高いパフォーマンスを継続するためにも、ウォリアーにとってBCAAの摂取は不可欠だ。BCAAには筋たんぱくの合成を高めてトレーニング効果をアップさせたり、体脂肪を減らしたりといった作用も期待できる。