体重・筋量UP
ふくらはぎ(カーフ)と言えば、トレーニングプログラムの中でも省かれることの多い部位である。しかし大腿部は太いのにカーフが細いのは、いかにも異様だ。また前腕と同様、身体の末端が細いとどうしても貧弱に見えてしまう…。
特にこれから半ズボンの季節。上半身は発達しているのにカーフが貧弱では、どうにも締まらないと言えるだろう。
今回は、効率的にカーフをデカくするトレーニング法について解説しよう。
ボディービル界で活躍したアーノルド・シュワルツェネッガー(通称:アーニー)の逸話に、こんなものがある。オーストリアの田舎からアメリカに渡ってきたアーノルドは、その巨大な上半身で話題をさらっていた。しかしある時、有名なコーチにこう言われたのだ。
「その貧弱なカーフはなんだ!」。いきなりこのように罵倒されたら、普通は反発するだろう。しかしアーノルドは素直に批判を受け入れ、カーフの発達に努めることにした。しかし、簡単にはカーフは発達しなかったという。そこで、アーノルドは2つの方法を採用したのだ。
一つは、「常に短いズボンを履き、カーフを周囲に見せつける」ことであった。弱点があったら、そこを隠したがるのが人の常というものだが、アーノルドはわざと弱点を露出することで、「周囲に笑われないためには、いやでも発達させなければならない」というプレッシャーを自分に与えたのである。
もう一つは、「超高重量を扱う」ことだった。カーフは常に自分の体重を支えているのだから、ソコソコの刺激を与えても意味がない。「これまでにないような強い刺激を与えねばならない」、アーノルドはそう考え、500kg近い重量を使ってカーフレイズを行うようにしたという。
前腕やカーフは素質の占める割合が大きく、トレーニングでは発達させにくい。しかしよくある間違いとして、前腕やカーフは遅筋が多いから軽い重量でハイレップスでのトレーニングを行う、というものがある。しかし軽い負荷での高回数というのは、それこそ前腕やカーフが日常的に与えられている刺激なのだ。
超高重量でのカーフレイズは、なかなかジムではやりにくいだろう。そこでオススメしたいのが、「一人ネガティブ・カーフレイズ」である。
1.両足でカーフレイズ。トップポジションまで挙げきる。
2.左足を浮かせて離し、右足だけで3~4秒かけてゆっくり下ろしていく。
3.ボトムまで下ろしたら、また左足を使ってトップまで挙げる。そして同じように左足を浮かせて離し、3~4秒かけて右足だけで下ろしていく。
4.これを10回ほど行ったら、今度は右足を離して左足だけで下ろしていく。
5.同様に、これを10回ほど行う。
6.最後に両足を使って普通にカーフレイズをできるところまで行う。
これはカーフレイズマシンだけでなく、スミスマシンを使ったカーフレイズやレッグプレスマシンを使ったカーフレイズでも行うことができる。
次のセットは先に左足から行うようにしてみよう。この方法だと両足で扱う重量を片足で行うことになるため、非常に強い刺激を与えることができるのである。
カーフのストレッチを30秒間4セット行うだけで、大きな発達が見られたという報告がある(※1)。
これは簡単に応用できる。普通にカーフレイズを行い、セット間のインターバル中に30秒のストレッチを行うのだ。日常生活で30秒もカーフの筋肉が伸ばされるということは、滅多にない。これもまた非日常的な刺激となるだろう。
気合のある者だけが、このトレーニングを行うことができる。高回数のトレーニングを行うと、筋肉に焼け付くような痛みを感じることがあるはずだ。これを「バーンズ」と呼ぶ。
多くの場合、バーンズが来た時点で痛みに耐えきれず、そこでセットを止めてしまうだろう。しかしこの100レップス法では、セットを止めずに継続するのである。
1.カーフレイズを連続で20~25回ギリギリできる重量を探す。
2.100レップス法開始。まずは20~25回、限界まで行う。
3. 限界の時点ではバーンズが来てレップを継続できなくなっている。そこでバーンズが去るまで5~7秒ほど休む。
4.バーンズが去ったら、すぐにレップを継続。
5.5~10レップスくらい行うと、またバーンズが来てレップを継続できなくなる。
6.そうなったらまた5~7秒休み、すぐにレップを再開する。
7.これを繰り返しながら、合計100レップスになるまでやり遂げる。
バーンズが起こっているときは筋肉に大量の疲労物質が蓄積され、化学的ストレスが与えられている。高重量やネガティブ、ストレッチでは物理的ストレスが与えられているのに対し、100レップス法では強烈な化学的ストレスを与えることができる。
筋肉がダメージを受けると、侵害受容器(痛み受容器)が敏感になり、弱い刺激でも反応するようになる。100レップス法の後半では耐えきれないような痛みに何度も襲われることだろう。
しかしそれに耐え抜き、100レップスをこなせば、今までに経験したことのないカーフの発達が見込めるはずだ。
一人ネガティブ法やセット間ストレッチ法と組み合わせ、ぜひ挑戦して欲しい。
ふくらはぎ(カーフ)と言えば、トレーニングプログラムの中でも省かれることの多い部位である。しかし大腿部は太いのにカーフが細いのは、いかにも異様だ。また前腕と同様、身体の末端が細いとどうしても貧弱に見えてしまう…。
特にこれから半ズボンの季節。上半身は発達しているのにカーフが貧弱では、どうにも締まらないと言えるだろう。
今回は、効率的にカーフをデカくするトレーニング法について解説しよう。
ボディービル界で活躍したアーノルド・シュワルツェネッガー(通称:アーニー)の逸話に、こんなものがある。オーストリアの田舎からアメリカに渡ってきたアーノルドは、その巨大な上半身で話題をさらっていた。しかしある時、有名なコーチにこう言われたのだ。
「その貧弱なカーフはなんだ!」。いきなりこのように罵倒されたら、普通は反発するだろう。しかしアーノルドは素直に批判を受け入れ、カーフの発達に努めることにした。しかし、簡単にはカーフは発達しなかったという。そこで、アーノルドは2つの方法を採用したのだ。
一つは、「常に短いズボンを履き、カーフを周囲に見せつける」ことであった。弱点があったら、そこを隠したがるのが人の常というものだが、アーノルドはわざと弱点を露出することで、「周囲に笑われないためには、いやでも発達させなければならない」というプレッシャーを自分に与えたのである。
もう一つは、「超高重量を扱う」ことだった。カーフは常に自分の体重を支えているのだから、ソコソコの刺激を与えても意味がない。「これまでにないような強い刺激を与えねばならない」、アーノルドはそう考え、500kg近い重量を使ってカーフレイズを行うようにしたという。
前腕やカーフは素質の占める割合が大きく、トレーニングでは発達させにくい。しかしよくある間違いとして、前腕やカーフは遅筋が多いから軽い重量でハイレップスでのトレーニングを行う、というものがある。しかし軽い負荷での高回数というのは、それこそ前腕やカーフが日常的に与えられている刺激なのだ。
超高重量でのカーフレイズは、なかなかジムではやりにくいだろう。そこでオススメしたいのが、「一人ネガティブ・カーフレイズ」である。
1.両足でカーフレイズ。トップポジションまで挙げきる。
2.左足を浮かせて離し、右足だけで3~4秒かけてゆっくり下ろしていく。
3.ボトムまで下ろしたら、また左足を使ってトップまで挙げる。そして同じように左足を浮かせて離し、3~4秒かけて右足だけで下ろしていく。
4.これを10回ほど行ったら、今度は右足を離して左足だけで下ろしていく。
5.同様に、これを10回ほど行う。
6.最後に両足を使って普通にカーフレイズをできるところまで行う。
これはカーフレイズマシンだけでなく、スミスマシンを使ったカーフレイズやレッグプレスマシンを使ったカーフレイズでも行うことができる。
次のセットは先に左足から行うようにしてみよう。この方法だと両足で扱う重量を片足で行うことになるため、非常に強い刺激を与えることができるのである。
カーフのストレッチを30秒間4セット行うだけで、大きな発達が見られたという報告がある(※1)。
これは簡単に応用できる。普通にカーフレイズを行い、セット間のインターバル中に30秒のストレッチを行うのだ。日常生活で30秒もカーフの筋肉が伸ばされるということは、滅多にない。これもまた非日常的な刺激となるだろう。
気合のある者だけが、このトレーニングを行うことができる。高回数のトレーニングを行うと、筋肉に焼け付くような痛みを感じることがあるはずだ。これを「バーンズ」と呼ぶ。
多くの場合、バーンズが来た時点で痛みに耐えきれず、そこでセットを止めてしまうだろう。しかしこの100レップス法では、セットを止めずに継続するのである。
1.カーフレイズを連続で20~25回ギリギリできる重量を探す。
2.100レップス法開始。まずは20~25回、限界まで行う。
3. 限界の時点ではバーンズが来てレップを継続できなくなっている。そこでバーンズが去るまで5~7秒ほど休む。
4.バーンズが去ったら、すぐにレップを継続。
5.5~10レップスくらい行うと、またバーンズが来てレップを継続できなくなる。
6.そうなったらまた5~7秒休み、すぐにレップを再開する。
7.これを繰り返しながら、合計100レップスになるまでやり遂げる。
バーンズが起こっているときは筋肉に大量の疲労物質が蓄積され、化学的ストレスが与えられている。高重量やネガティブ、ストレッチでは物理的ストレスが与えられているのに対し、100レップス法では強烈な化学的ストレスを与えることができる。
筋肉がダメージを受けると、侵害受容器(痛み受容器)が敏感になり、弱い刺激でも反応するようになる。100レップス法の後半では耐えきれないような痛みに何度も襲われることだろう。
しかしそれに耐え抜き、100レップスをこなせば、今までに経験したことのないカーフの発達が見込めるはずだ。
一人ネガティブ法やセット間ストレッチ法と組み合わせ、ぜひ挑戦して欲しい。