体重・筋量UP
筋力は筋断面積に比例する。これは原則だ。つまり筋肉が大きいほど、筋力は強くなる。逆に筋力が強いのならば、筋肉も大きい必要がある。
しかし、細いのに力が強い人もいるし、デカいのに軽い重量でトレーニングしている人もいる。これはどういうことだろうか。
—————————————————————————————————————
【本記事のまとめ】
1. 筋力向上を狙うなら「高重量でのトレーニング」
2. 筋肥大を狙うなら、重要なのは総ボリューム
3. ただし、筋肥大に合わせて筋力向上も狙うなら8~12レップス/セットがセオリー
4. 様々な刺激を入れるために高重量の日と低重量の日の混合がベスト
—————————————————————————————————————
筋力を受け持っているのはアクチンやミオシンなどの収縮タンパク質である。これらを増やせば筋力向上する。もちろん収縮タンパク質も増大(筋肥大)する。
収縮タンパク質にエネルギーを与えるのがミトコンドリアや毛細血管、筋小胞体、グリコーゲンなどであり、それらをまとめて筋形質と呼ぶ。これらが肥大すると筋肉量は増えるが、筋力はあまり変わらない。
言い換えると、収縮タンパク質を増やせば筋力が向上し、筋肥大も起こる。筋形質を増やせば筋肥大のみが起こるということになる。
収縮タンパク質が少なくても、筋形質が多ければ全体としての体積は大きく、筋肉量があるデカい身体になれるというわけだ。
筋力を向上させるということは収縮タンパク質を増やすということになるが、そのためにはどのようなトレーニングが有効になるのだろうか。
収縮タンパク質を増やすのは、「高重量でのトレーニング」である。具体的には90%1RM以上の重量で、3~5レップスが限界となるようなセットを組むのである。
2~4レップスで行った群と8~12レップスで行った群とに分けて8週間に渡りトレーニングさせて比較したところ、2~4レップス群は筋力向上が著しく、8~12レップス群は筋肥大効果が高かったという結果が出ている(※1)。
またトレーニング経験者を対象に「10レップス3セット、インターバル90秒群」と「3レップス7セット、3分インターバル」とで8週間に渡りトレーニングしてから比較したところ、筋肥大効果はどちらも同等で、筋力向上効果は3レップス群のほうが高かったという研究もある(※2)。
いわゆる「イッパツ狙い」。つまり一回挙がるかどうかのチャレンジを行うのはどうだろうか。1レップでのトレーニングは収縮タンパク質を狙うというより、神経系の発達の方が主な標的になってくる。またフォームが崩れやすいこともあり、普段のトレーニングではイッパツ狙いのセットは避けたほうがいいだろう。
一般的なウェイトトレーニングでは、10回程度を目安にセットを組んでいる。Shoenfeldら(※1)の研究にあるとおり、75~80%1RM程度で8~12回やるようなセットを組むと、収縮タンパク質も増えるが、どちらかというと筋形質を増やすほうに傾いてくるのだ。
しかし、ここで量が問題となってくる。同じくShoenfeldら(※2)の研究では、3レップスであっても多くのセットをこなすことで筋肥大効果も強くなっていた。つまり収縮タンパク質を狙ったトレーニングであっても、量が多いとエネルギーが必要とされるため、筋形質も発達してくるというわけだ。
では思い切ってレップスを20~30にしてはどうだろうか。この場合はほとんど筋形質のみを狙うことになる。
49名のトレーニング経験者を用いて行われた研究では、8~12レップス群と20~25レップス群とに分けて12週間後の結果を測定している(※3)。トレーニングは2分割で週4回、各エクササイズは3セット。自力でできなくなるまでやらせた。
その結果、筋肥大効果としては両者に違いはないという結論が出ている。筋力は8~12レップス群のほうがもちろん伸びていた。
またレッグエクステンションを80%1RMで限界までを3セットやった群と、30%1RMで限界までを3セットやった群とで比較したところ、どちらも同程度に筋肥大効果が起こったという報告もある(※4)。
30%1RMとなると非常に軽い重量だが、限界までやると筋肉に焼けつくような痛みが走り、かなりキツイトレーニングとなる。高重量トレーニングのほうが楽だと思えるくらいだ。
軽い重量で筋形質狙いのトレーニングだけしていても、筋肥大を起こすことはできる。しかし筋力もやはり欲しくなってくるものだろう。
また高重量でのトレーニングだけしていても、筋力と同時に筋肥大を起こすことはできる。しかし高重量のみだと、怪我をする危険性も高くなる。
さまざまな刺激を与えるという意味では、両者を混合するのがベストである。この場合、一回のトレーニングで高重量と低重量の両方をやるのではなく、高重量でトレーニングする日と低重量でトレーニングする日を別々にやるようにしたほうが良い。そのほうが新鮮な刺激を与えられるし、関節を休めることにもつながってくる。
筋力は筋断面積に比例する。これは原則だ。つまり筋肉が大きいほど、筋力は強くなる。逆に筋力が強いのならば、筋肉も大きい必要がある。
しかし、細いのに力が強い人もいるし、デカいのに軽い重量でトレーニングしている人もいる。これはどういうことだろうか。
—————————————————————————————————————
【本記事のまとめ】
1. 筋力向上を狙うなら「高重量でのトレーニング」
2. 筋肥大を狙うなら、重要なのは総ボリューム
3. ただし、筋肥大に合わせて筋力向上も狙うなら8~12レップス/セットがセオリー
4. 様々な刺激を入れるために高重量の日と低重量の日の混合がベスト
—————————————————————————————————————
筋力を受け持っているのはアクチンやミオシンなどの収縮タンパク質である。これらを増やせば筋力向上する。もちろん収縮タンパク質も増大(筋肥大)する。
収縮タンパク質にエネルギーを与えるのがミトコンドリアや毛細血管、筋小胞体、グリコーゲンなどであり、それらをまとめて筋形質と呼ぶ。これらが肥大すると筋肉量は増えるが、筋力はあまり変わらない。
言い換えると、収縮タンパク質を増やせば筋力が向上し、筋肥大も起こる。筋形質を増やせば筋肥大のみが起こるということになる。
収縮タンパク質が少なくても、筋形質が多ければ全体としての体積は大きく、筋肉量があるデカい身体になれるというわけだ。
筋力を向上させるということは収縮タンパク質を増やすということになるが、そのためにはどのようなトレーニングが有効になるのだろうか。
収縮タンパク質を増やすのは、「高重量でのトレーニング」である。具体的には90%1RM以上の重量で、3~5レップスが限界となるようなセットを組むのである。
2~4レップスで行った群と8~12レップスで行った群とに分けて8週間に渡りトレーニングさせて比較したところ、2~4レップス群は筋力向上が著しく、8~12レップス群は筋肥大効果が高かったという結果が出ている(※1)。
またトレーニング経験者を対象に「10レップス3セット、インターバル90秒群」と「3レップス7セット、3分インターバル」とで8週間に渡りトレーニングしてから比較したところ、筋肥大効果はどちらも同等で、筋力向上効果は3レップス群のほうが高かったという研究もある(※2)。
いわゆる「イッパツ狙い」。つまり一回挙がるかどうかのチャレンジを行うのはどうだろうか。1レップでのトレーニングは収縮タンパク質を狙うというより、神経系の発達の方が主な標的になってくる。またフォームが崩れやすいこともあり、普段のトレーニングではイッパツ狙いのセットは避けたほうがいいだろう。
一般的なウェイトトレーニングでは、10回程度を目安にセットを組んでいる。Shoenfeldら(※1)の研究にあるとおり、75~80%1RM程度で8~12回やるようなセットを組むと、収縮タンパク質も増えるが、どちらかというと筋形質を増やすほうに傾いてくるのだ。
しかし、ここで量が問題となってくる。同じくShoenfeldら(※2)の研究では、3レップスであっても多くのセットをこなすことで筋肥大効果も強くなっていた。つまり収縮タンパク質を狙ったトレーニングであっても、量が多いとエネルギーが必要とされるため、筋形質も発達してくるというわけだ。
では思い切ってレップスを20~30にしてはどうだろうか。この場合はほとんど筋形質のみを狙うことになる。
49名のトレーニング経験者を用いて行われた研究では、8~12レップス群と20~25レップス群とに分けて12週間後の結果を測定している(※3)。トレーニングは2分割で週4回、各エクササイズは3セット。自力でできなくなるまでやらせた。
その結果、筋肥大効果としては両者に違いはないという結論が出ている。筋力は8~12レップス群のほうがもちろん伸びていた。
またレッグエクステンションを80%1RMで限界までを3セットやった群と、30%1RMで限界までを3セットやった群とで比較したところ、どちらも同程度に筋肥大効果が起こったという報告もある(※4)。
30%1RMとなると非常に軽い重量だが、限界までやると筋肉に焼けつくような痛みが走り、かなりキツイトレーニングとなる。高重量トレーニングのほうが楽だと思えるくらいだ。
軽い重量で筋形質狙いのトレーニングだけしていても、筋肥大を起こすことはできる。しかし筋力もやはり欲しくなってくるものだろう。
また高重量でのトレーニングだけしていても、筋力と同時に筋肥大を起こすことはできる。しかし高重量のみだと、怪我をする危険性も高くなる。
さまざまな刺激を与えるという意味では、両者を混合するのがベストである。この場合、一回のトレーニングで高重量と低重量の両方をやるのではなく、高重量でトレーニングする日と低重量でトレーニングする日を別々にやるようにしたほうが良い。そのほうが新鮮な刺激を与えられるし、関節を休めることにもつながってくる。