競技パフォーマンスUP
DNS栄養士・田中初紀が、Team DNSのサッカークラブ「いわきFC」のニュートリション(栄養)サポートについてのあれこれを、赤裸々に(!?)綴ります。かつてチームの中にいたからこそ見えたもの、感じたこと。そして選手達の素顔に触れながら、アスリートのパフォーマンスアップに有益な栄養情報をお伝えしていきます。
今回お届けするテーマは「鍛錬期×食事」の予定でしたが、11月末、とてもうれしいニュースが飛び込んできましたので、急遽テーマを変更してお届けしたいと思います。
11月25日に行われたJリーグ理事会による審査の結果、Jリーグ58番目のクラブとして、いわきFCの来季J3入会が承認されました。そして、11月27日に行われたJFL(日本フットボールリーグ)第33節・鈴鹿ポイントゲッターズ戦に4対1で勝利し、いわきFCの優勝が決まりました。
いわきスポーツクラブに携わる皆様、本当におめでとうございます!
チーム始動から6年目の快挙です。今年はオンライン視聴を中心にチームを応援し、見守ってきました。選手の活躍する姿を見て、毎度画面の前で喜んでいます。
今回は昇格にちなんで、私がチームに帯同していた2019年シーズン、JFL昇格を決めた時の経験と、その時の食事のお話をしていきたいと思います
2019年、いわきFCは東北社会人リーグ1部で優勝。全国の社会人クラブがJFL昇格を懸けて戦う「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2019(地域CL)」に進出しました。
一次ラウンドは秋田県の仁賀保グリーンフィールドで行われました。3日間で3試合を行うハードな日程。勝ち上がってくれると信じながらも毎試合「最後まで足攣らないかな」「水分しっかり摂るんだよ~」とハラハラ、ドキドキしながら見守っていました。
試合終了のホイッスルが鳴った時のホッとする感覚、喜びをかみしめる感覚。これは、何度経験してもたまりません。
この時の食事で、今も忘れられない記憶があります。
選手たちのコンディション調整のため、事前にホテルの方とメニューのすり合わせ等を行っていましたが、実際現場に行くと、長距離移動や連戦の疲れで選手達の食欲が落ちていました。
連戦時の食事は、その日に追ったダメージから身体を回復させ、次戦へコンディションを調整するという大きな役割があります。
ですから、食べられない、仕方ない、ではダメで、身体が必要としている栄養素をしっかり摂り入れてあげなければなりません。特にエネルギー源である「白米」は食べる量を維持していきたいアイテムです。
白米を食べてもらうためには、必殺技を使うしかない!
そう思った私が向かったのは、ホテルに近いスーパー。手に入れたのは、ふりかけ。選手の好きそうなものを5種類ほど選び「ドヤ顔」で差し入れたことが忘れられません。
ふりかけの効果かどうかはわかりませんが、いわきFCは2勝1分けで一次ラウンドを無事突破。グループ1位での決勝ラウンド進出を決めました。
決勝ラウンドは地元・福島のJヴィレッジスタジアムで行われました。
今までに感じたことのない緊張感。内臓がむぎゅっとなるような感覚を何とか沈めながら、観客席から見守ります。試合中はもちろん何もできませんから、ただただチームを信じ、応援に徹するのみ。でも試合外では、私にもできることはあります。
決勝ラウンド中、チームはクラブハウスとグラウンドのある「いわきFCパーク」を拠点にしていました。選手達は朝に集合し、朝食を摂ってからバスでJヴィレッジスタジアムに向かいます。
私はバスの出発を見送ると、シェフと一緒に朝食の片づけをして、すぐに軽食用のお弁当作りに取り掛かります。そしてお弁当を会場まで運び、試合後、選手に配布する。これが私の任務となっていました。
試合後の身体はエネルギーが枯渇し、大きなダメージを負っている状態ですので、速やかな栄養補給が回復・次への準備のカギとなります。ですから、連戦を戦い抜くためにも、クラブハウスに戻ってからではなく、帰りのバスですぐにリカバリー食を摂ってもらうことが選手達のためにできる最大の栄養サポートだと考えました。
チームは決勝ラウンドを2勝1分けで優勝。見事、JFLへの昇格を決めました。決勝ラウンドは5日間で3試合。一次ラウンドと合わせると、身体への負担はとても大きかったはず。そんな時のお弁当は、きっと大きなチカラになっただろうと信じています。
※実際のお弁当です
揚げているように見えるおかずももちろん揚げずに作っています。
いわきFCの試合前のロッカールームには、いつも補食が置かれています。
スピーディに栄養を補給できるDNSのエナジーゼリー、Jel-Xに加え、チームが必ず用意するものがあります。
それは、ミルクチョコレートとホワイトチョコレート。
選手やスタッフにとって、このチョコレートが大切な試合時のルーティーンになっています。ある決まった銘柄のチョコレートなのですが、ごくたまにレアな絵柄が出ることがあります。これがちょっとしたゲン担ぎになっていて、試合前の気持ちを高めてくれるようです。
こういった「いいことありそうな予感」が、戦いに臨む選手達の強い味方になってくれているように思います。
いわきFCの選手達は今年も、ファンの方々やチームに携わるすべての人達にたくさんの感動と興奮を届けてくれていました。あらためてJ3昇格・JFLリーグ優勝おめでとうございます。そして1年間、本当にお疲れ様でした。
新たな世界への挑戦となる来季。選手達の活躍を、楽しみにしています。
栄養士
東京農業大学卒業。2017年株式会社ドーム入社後、サプリメント事業部、ドームアスリートハウスを経て、2020年より株式会社DNS OMO Div兼マーケティングDivに所属。アスリートや健康の保持・増進を目指す方への食事指導のほか、自社ブランドサイトにて、チーム帯同レポートや食事コンテンツに関わる記事執筆を行う。チームサポートではいわきFCを担当。自身も5歳から少林寺拳法に打ち込む現役アスリート。一児の母として、子育てにも奮闘中。
DNS栄養士・田中初紀が、Team DNSのサッカークラブ「いわきFC」のニュートリション(栄養)サポートについてのあれこれを、赤裸々に(!?)綴ります。かつてチームの中にいたからこそ見えたもの、感じたこと。そして選手達の素顔に触れながら、アスリートのパフォーマンスアップに有益な栄養情報をお伝えしていきます。
今回お届けするテーマは「鍛錬期×食事」の予定でしたが、11月末、とてもうれしいニュースが飛び込んできましたので、急遽テーマを変更してお届けしたいと思います。
11月25日に行われたJリーグ理事会による審査の結果、Jリーグ58番目のクラブとして、いわきFCの来季J3入会が承認されました。そして、11月27日に行われたJFL(日本フットボールリーグ)第33節・鈴鹿ポイントゲッターズ戦に4対1で勝利し、いわきFCの優勝が決まりました。
いわきスポーツクラブに携わる皆様、本当におめでとうございます!
チーム始動から6年目の快挙です。今年はオンライン視聴を中心にチームを応援し、見守ってきました。選手の活躍する姿を見て、毎度画面の前で喜んでいます。
今回は昇格にちなんで、私がチームに帯同していた2019年シーズン、JFL昇格を決めた時の経験と、その時の食事のお話をしていきたいと思います
2019年、いわきFCは東北社会人リーグ1部で優勝。全国の社会人クラブがJFL昇格を懸けて戦う「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2019(地域CL)」に進出しました。
一次ラウンドは秋田県の仁賀保グリーンフィールドで行われました。3日間で3試合を行うハードな日程。勝ち上がってくれると信じながらも毎試合「最後まで足攣らないかな」「水分しっかり摂るんだよ~」とハラハラ、ドキドキしながら見守っていました。
試合終了のホイッスルが鳴った時のホッとする感覚、喜びをかみしめる感覚。これは、何度経験してもたまりません。
この時の食事で、今も忘れられない記憶があります。
選手たちのコンディション調整のため、事前にホテルの方とメニューのすり合わせ等を行っていましたが、実際現場に行くと、長距離移動や連戦の疲れで選手達の食欲が落ちていました。
連戦時の食事は、その日に追ったダメージから身体を回復させ、次戦へコンディションを調整するという大きな役割があります。
ですから、食べられない、仕方ない、ではダメで、身体が必要としている栄養素をしっかり摂り入れてあげなければなりません。特にエネルギー源である「白米」は食べる量を維持していきたいアイテムです。
白米を食べてもらうためには、必殺技を使うしかない!
そう思った私が向かったのは、ホテルに近いスーパー。手に入れたのは、ふりかけ。選手の好きそうなものを5種類ほど選び「ドヤ顔」で差し入れたことが忘れられません。
ふりかけの効果かどうかはわかりませんが、いわきFCは2勝1分けで一次ラウンドを無事突破。グループ1位での決勝ラウンド進出を決めました。
決勝ラウンドは地元・福島のJヴィレッジスタジアムで行われました。
今までに感じたことのない緊張感。内臓がむぎゅっとなるような感覚を何とか沈めながら、観客席から見守ります。試合中はもちろん何もできませんから、ただただチームを信じ、応援に徹するのみ。でも試合外では、私にもできることはあります。
決勝ラウンド中、チームはクラブハウスとグラウンドのある「いわきFCパーク」を拠点にしていました。選手達は朝に集合し、朝食を摂ってからバスでJヴィレッジスタジアムに向かいます。
私はバスの出発を見送ると、シェフと一緒に朝食の片づけをして、すぐに軽食用のお弁当作りに取り掛かります。そしてお弁当を会場まで運び、試合後、選手に配布する。これが私の任務となっていました。
試合後の身体はエネルギーが枯渇し、大きなダメージを負っている状態ですので、速やかな栄養補給が回復・次への準備のカギとなります。ですから、連戦を戦い抜くためにも、クラブハウスに戻ってからではなく、帰りのバスですぐにリカバリー食を摂ってもらうことが選手達のためにできる最大の栄養サポートだと考えました。
チームは決勝ラウンドを2勝1分けで優勝。見事、JFLへの昇格を決めました。決勝ラウンドは5日間で3試合。一次ラウンドと合わせると、身体への負担はとても大きかったはず。そんな時のお弁当は、きっと大きなチカラになっただろうと信じています。
※実際のお弁当です
揚げているように見えるおかずももちろん揚げずに作っています。
いわきFCの試合前のロッカールームには、いつも補食が置かれています。
スピーディに栄養を補給できるDNSのエナジーゼリー、Jel-Xに加え、チームが必ず用意するものがあります。
それは、ミルクチョコレートとホワイトチョコレート。
選手やスタッフにとって、このチョコレートが大切な試合時のルーティーンになっています。ある決まった銘柄のチョコレートなのですが、ごくたまにレアな絵柄が出ることがあります。これがちょっとしたゲン担ぎになっていて、試合前の気持ちを高めてくれるようです。
こういった「いいことありそうな予感」が、戦いに臨む選手達の強い味方になってくれているように思います。
いわきFCの選手達は今年も、ファンの方々やチームに携わるすべての人達にたくさんの感動と興奮を届けてくれていました。あらためてJ3昇格・JFLリーグ優勝おめでとうございます。そして1年間、本当にお疲れ様でした。
新たな世界への挑戦となる来季。選手達の活躍を、楽しみにしています。
栄養士
東京農業大学卒業。2017年株式会社ドーム入社後、サプリメント事業部、ドームアスリートハウスを経て、2020年より株式会社DNS OMO Div兼マーケティングDivに所属。アスリートや健康の保持・増進を目指す方への食事指導のほか、自社ブランドサイトにて、チーム帯同レポートや食事コンテンツに関わる記事執筆を行う。チームサポートではいわきFCを担当。自身も5歳から少林寺拳法に打ち込む現役アスリート。一児の母として、子育てにも奮闘中。