健康・体力・美容UP
DNSが大切にしていることがあります。それは「ヒトにおけるエビデンス(=科学的根拠)」のあるサプリメントを販売することです。
Dr.’s Eye Vol. 3 において、人間栄養学の重要性についてお話しました。しかし残念ながら、相変わらずサプリメント市場には、確固たるエビデンスのないサプリメントが多く売られており、巧みなマーケティングで消費者を惑わせています。 また、ぜひ気をつけてほしいのが、インフォームドチョイスのような国際的アンチ・ドーピング認証を受けたサプリメントだからといって、必ずしも効果があるとは限らない、ということ。アンチ・ドーピング認証は、あくまでも品質を担保するもの。製品がヒトのエビデンスをベースに販売されているか否かは、別の問題です。
子どもの成長期向けやアンチエイジングのサプリメントは、その効果を証明するヒトのエビデンスを科学的には出せません。そのため、動物のデータなどを引用し、あたかも効果があるかのような見せ方をしている場合が見受けられます。いわば「信じる者は救われる」のレベルです。
皆さんは「機能性表示食品」という言葉を聞いたことがあるかと思います。制度が始まった2015年以降、すでに4000製品(2021年5月現在)を超える勢いで伸びているようです。そして、うたっている「機能」も多岐に渡ります。その中には、薬品でも解決が難しいような「効果」を思わせる表示があります。しかし、あくまでも「〇〇をサポート」「〇〇ケア」であることが、この制度のミソ。そして、消費者にとっての落とし穴です。 つまり「機能性表示食品」において、サイエンスは二の次なのです。
一方、「トクホ」といわれる特定保健用食品があります。 トクホの認可は1991年に始まった制度ですが、最近はより“お手軽”な機能性表示食品に押され、伸び悩んでいます。現在認可されている数は、1073製品(2021年5月現在)にとどまっているようです。
では、この「トクホ」と「機能性表示食品」の違いは何でしょうか。 そもそも「トクホ」も「機能性表示食品」も、同じサプリメント市場の活性化を狙った制度。表示してある機能も関与成分も、例えば整腸作用や、血糖値やコレステロールを下げるなど、ほぼオーバーラップしています。
では何が違うかというと「うたっている機能のエビデンスに関する、責任の所在はどこなのか」です。具体的に説明しましょう。 トクホは”サイエンス・ファースト”の認可制度。そのため、エビデンスに関する責任は国(2009年に厚労省から消費者庁へと移管)に所在し、効果を証明する臨床試験結果などは、十分な議論を経て「承認」に至ります。 それに対し、機能性表示食品は登録(届け出)による制度です(表1)。
単純に言えば、消費者庁が判断するのは「書類がそろっているか」だけ。届け出内容が栄養の専門家によって吟味されることはありません。そのため、エビデンスに関する責任は企業側にあります。ここに、機能性表示食品の届け出におけるもう一つのからくりがあります。
詳しく説明しましょう。
機能のエビデンスに関して消費者庁に提出を求められる資料は「最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)」もしくは「最終製品または機能性関与成分に関する研究レビュー」です。臨床試験や研究レビュー(専門家による、複数の試験結果の調査)を行う上で、ある程度のスタンダードはあります。しかし、専門家が公平な立場で内容を評価するわけではなく「研究報告が1報でもあればよし」とされています。
しかも、問題はそれだけではありません。
そもそも臨床試験とは、試験デザイン(どんな形で、誰を対象にするか)によって、結果が左右されるものです。そのため、企業が都合のいいデザインで試験を行ったとしても、それを正しく評価・批判するシステムが存在しません。研究レビューも、設定条件次第では不都合な研究を排除できてしまうのです。 われわれ消費者の購買判断は、基本的にマーケティングに左右されやすいものです(もちろん、それがマーケティングの主目的なのですが…)。
そのため非常に難しいことですが、見るもの聞くものをすべて信用するのではなく、「知識をもとに自ら判断し、本物をつかむ能力を身につける必要がある。」そう言わざるを得ません。 また、企業側もエビデンスを公平かつ客観的に評価し、本当に効果のある製品を販売する使命があると思います。
もちろんDNSは、常にそのように心がけながら、お客様への情報発信や製品開発を行っています。安心してご購入下さい。
栄養学博士、(株)DNS 執行役員
米国オキシデンタル大学卒業後、㈱協和発酵バイオでアミノ酸研究に従事する中で、イリノイ大学で栄養学の博士号を取得。以降、外資企業で栄養剤ビジネス、商品開発の責任者を歴任した。日本へ帰国後2015年から、ウェアブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店・㈱ドームのサプリメントブランド「DNS」にて責任者を務める。2020年より分社化した㈱DNSでサイエンティフィックオフィサーを務める。
DNSが大切にしていることがあります。それは「ヒトにおけるエビデンス(=科学的根拠)」のあるサプリメントを販売することです。
Dr.’s Eye Vol. 3 において、人間栄養学の重要性についてお話しました。しかし残念ながら、相変わらずサプリメント市場には、確固たるエビデンスのないサプリメントが多く売られており、巧みなマーケティングで消費者を惑わせています。 また、ぜひ気をつけてほしいのが、インフォームドチョイスのような国際的アンチ・ドーピング認証を受けたサプリメントだからといって、必ずしも効果があるとは限らない、ということ。アンチ・ドーピング認証は、あくまでも品質を担保するもの。製品がヒトのエビデンスをベースに販売されているか否かは、別の問題です。
子どもの成長期向けやアンチエイジングのサプリメントは、その効果を証明するヒトのエビデンスを科学的には出せません。そのため、動物のデータなどを引用し、あたかも効果があるかのような見せ方をしている場合が見受けられます。いわば「信じる者は救われる」のレベルです。
皆さんは「機能性表示食品」という言葉を聞いたことがあるかと思います。制度が始まった2015年以降、すでに4000製品(2021年5月現在)を超える勢いで伸びているようです。そして、うたっている「機能」も多岐に渡ります。その中には、薬品でも解決が難しいような「効果」を思わせる表示があります。しかし、あくまでも「〇〇をサポート」「〇〇ケア」であることが、この制度のミソ。そして、消費者にとっての落とし穴です。 つまり「機能性表示食品」において、サイエンスは二の次なのです。
一方、「トクホ」といわれる特定保健用食品があります。 トクホの認可は1991年に始まった制度ですが、最近はより“お手軽”な機能性表示食品に押され、伸び悩んでいます。現在認可されている数は、1073製品(2021年5月現在)にとどまっているようです。
では、この「トクホ」と「機能性表示食品」の違いは何でしょうか。 そもそも「トクホ」も「機能性表示食品」も、同じサプリメント市場の活性化を狙った制度。表示してある機能も関与成分も、例えば整腸作用や、血糖値やコレステロールを下げるなど、ほぼオーバーラップしています。
では何が違うかというと「うたっている機能のエビデンスに関する、責任の所在はどこなのか」です。具体的に説明しましょう。 トクホは”サイエンス・ファースト”の認可制度。そのため、エビデンスに関する責任は国(2009年に厚労省から消費者庁へと移管)に所在し、効果を証明する臨床試験結果などは、十分な議論を経て「承認」に至ります。 それに対し、機能性表示食品は登録(届け出)による制度です(表1)。
単純に言えば、消費者庁が判断するのは「書類がそろっているか」だけ。届け出内容が栄養の専門家によって吟味されることはありません。そのため、エビデンスに関する責任は企業側にあります。ここに、機能性表示食品の届け出におけるもう一つのからくりがあります。
詳しく説明しましょう。
機能のエビデンスに関して消費者庁に提出を求められる資料は「最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)」もしくは「最終製品または機能性関与成分に関する研究レビュー」です。臨床試験や研究レビュー(専門家による、複数の試験結果の調査)を行う上で、ある程度のスタンダードはあります。しかし、専門家が公平な立場で内容を評価するわけではなく「研究報告が1報でもあればよし」とされています。
しかも、問題はそれだけではありません。
そもそも臨床試験とは、試験デザイン(どんな形で、誰を対象にするか)によって、結果が左右されるものです。そのため、企業が都合のいいデザインで試験を行ったとしても、それを正しく評価・批判するシステムが存在しません。研究レビューも、設定条件次第では不都合な研究を排除できてしまうのです。 われわれ消費者の購買判断は、基本的にマーケティングに左右されやすいものです(もちろん、それがマーケティングの主目的なのですが…)。
そのため非常に難しいことですが、見るもの聞くものをすべて信用するのではなく、「知識をもとに自ら判断し、本物をつかむ能力を身につける必要がある。」そう言わざるを得ません。 また、企業側もエビデンスを公平かつ客観的に評価し、本当に効果のある製品を販売する使命があると思います。
もちろんDNSは、常にそのように心がけながら、お客様への情報発信や製品開発を行っています。安心してご購入下さい。
栄養学博士、(株)DNS 執行役員
米国オキシデンタル大学卒業後、㈱協和発酵バイオでアミノ酸研究に従事する中で、イリノイ大学で栄養学の博士号を取得。以降、外資企業で栄養剤ビジネス、商品開発の責任者を歴任した。日本へ帰国後2015年から、ウェアブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店・㈱ドームのサプリメントブランド「DNS」にて責任者を務める。2020年より分社化した㈱DNSでサイエンティフィックオフィサーを務める。