競技パフォーマンスUP
運動中の水分補給を禁止する指導者はさすがにいなくなった。脱水を防ぐために積極的な水分摂取が勧められるようになったのは、遅まきながら喜ばしいことだ。
とはいえ、補給するのが「ただの水」では、百点満点中50点といったところだ。何が足りないのかを紹介する前に、脱水による問題について解説していこう。
水分が足りなくなると、血液の量が減る。もちろん汗の量も減る。汗の量が減ると、体温が上がりやすくなる。すると皮膚の血流を増やすことにより、冷却効果を得ようとする。
しかし全体の血流量が減った状態で皮膚の血流が増えると、心臓に向かう血液が少なくなる。すると心臓はより多くの血液を送り出そうとする。そして心拍数が高まり、心臓の負担はどんどん増えていく。
さらに血流が低下すると、酸素や栄養素の運搬も滞ってしまう。体重の1%の水が失われると喉の渇きを覚え始める。そして2%が失われた時点で運動パフォーマンスの低下起こり始めると言われている(図1)(※1)。
図1. 脱水による体重減少率と運動能力の関係 文献1より作成
水を飲むことによって、これら脱水による悪影響は避けることができる。しかし、問題も起こる。
汗を大量にかく時、同時にミネラルが流出する。そこにただの水を補給しても、ミネラルは少ないままだ。また水を飲むことにより、血液を含めた体液が全体的に薄くなる。
体液が薄まるのは問題だ。そこでウォリアーの身体は汗や尿から水を排出することにより、体液を濃くしようとする。この現象を「自発的脱水」と呼ぶ。つまり水を飲めば飲むほど、自発的脱水により体内から水が排出されてしまうのだ。ただの水を補給するだけだと、この悪循環に陥ってしまうのである。
いわゆる「水中毒」は、この作用により起こる。自発的脱水を防ぐためには、水だけでなく、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを含んだドリンクを飲むようにしたい。流出してしまう「汗」の成分に近づけるわけだ(図2)。
図2. 運動時におけるスポーツドリンク摂取の重要性
なお日本スポーツ協会のガイドラインでは「0.1~0.2%の食塩」が推奨されており、これをナトリウムに換算すると「100ml中に40~80mgのナトリウム」となる。
運動中の糖質摂取にメリットがあることは説明不要だろう。実際に運動中に糖質を摂取することにより、低強度/長時間の運動であれ、高強度/短時間の運動であれ、パフォーマンスが改善されることは数々の研究により明らかとなっている(※2、※3、※4、※5、※6、※7)。
糖質源としては、できるだけ消化吸収に優れたものが必要となる。運動中に胃もたれするようでは話にならない。最も消化吸収に優れ、迅速にエネルギーを補給してくれる糖質、たとえば「クラスターデキストリン®」を運動中のドリンクに混ぜて飲むようにすれば、脱水を防ぐとともにエネルギー補給もでき、一石二鳥となる。
糖質だけではない。実はアミノ酸も運動中にはエネルギー源となる。
ベテランのサイクリストを対象にした研究では「糖質のみ」を与えた群に比べ、「糖質+プロテイン」を与えた群の方が29%~40%も自転車を長く漕ぎ続けることができ、また運動後の筋損傷の割合を83%も低く抑えることができた、という結果が出ている(※8)。
また「糖質+プロテイン」を与えた群は「糖質のみ」群に加え、21.2%長くランニングすることができたという研究(※9)や、「糖質+プロテイン」は糖質のみに比べて持久力を向上させる効果がある、と結論づけたシステマティックレビューもある(※10)。
糖質と同様、プロテインも消化吸収に優れたものを選びたい。そこでお勧めしたいのが、酵素によって細かく分解された「ホエイペプチド」である。これがトレーニング中のドリンクに配合するプロテインとして最適のものだ。
「ただの水」に加え、汗の成分に近づけた電解質、そして消化吸収に優れたクラスターデキストリン®とホエイペプチド。これらをすべて配合した最適のドリンクが「R. E. D. 」である。R. E. D. の最適の飲み方を次に紹介しよう。
◇R.E.D. の使い方
Ⅰ.喉の渇きが気になりやすく、体温が不自然に上昇することが感じられる場合
・2リットルの水にR.E.D. 2袋を溶かす。
・練習の30分前に500mlを飲む。
・練習が始まったら、10~15分おきに200mlを飲む。
・足りなくなったら「1リットルあたり1袋」の割合で作り足す。
Ⅱ.練習中にバテやすかったり、筋肉が攣りやすかったりするような場合
・2リットルの水にR.E.D. 4袋を溶かす。
・練習の30分前に500mlを飲む。
・練習が始まったら、10~15分おきに200mlを飲む。
・足りなくなったら「1リットルあたり2袋」の割合で作り足す。
R.E.D. は飲みやすいブラッドオレンジ風味となっている。普通にジュースとして飲むこともできるため、余ったら練習以外のタイミングで喉をうるおすために飲んでも構わない。
ただし余った分を次の日の練習のときに使うのはNGだ。たんぱく質や糖質が含まれるR.E.D. は、細菌にとって絶好の繁殖場。作り置きはせず、その日のうちに飲み切るようにしよう。
運動中の水分補給を禁止する指導者はさすがにいなくなった。脱水を防ぐために積極的な水分摂取が勧められるようになったのは、遅まきながら喜ばしいことだ。
とはいえ、補給するのが「ただの水」では、百点満点中50点といったところだ。何が足りないのかを紹介する前に、脱水による問題について解説していこう。
水分が足りなくなると、血液の量が減る。もちろん汗の量も減る。汗の量が減ると、体温が上がりやすくなる。すると皮膚の血流を増やすことにより、冷却効果を得ようとする。
しかし全体の血流量が減った状態で皮膚の血流が増えると、心臓に向かう血液が少なくなる。すると心臓はより多くの血液を送り出そうとする。そして心拍数が高まり、心臓の負担はどんどん増えていく。
さらに血流が低下すると、酸素や栄養素の運搬も滞ってしまう。体重の1%の水が失われると喉の渇きを覚え始める。そして2%が失われた時点で運動パフォーマンスの低下起こり始めると言われている(図1)(※1)。
図1. 脱水による体重減少率と運動能力の関係 文献1より作成
水を飲むことによって、これら脱水による悪影響は避けることができる。しかし、問題も起こる。
汗を大量にかく時、同時にミネラルが流出する。そこにただの水を補給しても、ミネラルは少ないままだ。また水を飲むことにより、血液を含めた体液が全体的に薄くなる。
体液が薄まるのは問題だ。そこでウォリアーの身体は汗や尿から水を排出することにより、体液を濃くしようとする。この現象を「自発的脱水」と呼ぶ。つまり水を飲めば飲むほど、自発的脱水により体内から水が排出されてしまうのだ。ただの水を補給するだけだと、この悪循環に陥ってしまうのである。
いわゆる「水中毒」は、この作用により起こる。自発的脱水を防ぐためには、水だけでなく、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを含んだドリンクを飲むようにしたい。流出してしまう「汗」の成分に近づけるわけだ(図2)。
図2. 運動時におけるスポーツドリンク摂取の重要性
なお日本スポーツ協会のガイドラインでは「0.1~0.2%の食塩」が推奨されており、これをナトリウムに換算すると「100ml中に40~80mgのナトリウム」となる。
運動中の糖質摂取にメリットがあることは説明不要だろう。実際に運動中に糖質を摂取することにより、低強度/長時間の運動であれ、高強度/短時間の運動であれ、パフォーマンスが改善されることは数々の研究により明らかとなっている(※2、※3、※4、※5、※6、※7)。
糖質源としては、できるだけ消化吸収に優れたものが必要となる。運動中に胃もたれするようでは話にならない。最も消化吸収に優れ、迅速にエネルギーを補給してくれる糖質、たとえば「クラスターデキストリン®」を運動中のドリンクに混ぜて飲むようにすれば、脱水を防ぐとともにエネルギー補給もでき、一石二鳥となる。
糖質だけではない。実はアミノ酸も運動中にはエネルギー源となる。
ベテランのサイクリストを対象にした研究では「糖質のみ」を与えた群に比べ、「糖質+プロテイン」を与えた群の方が29%~40%も自転車を長く漕ぎ続けることができ、また運動後の筋損傷の割合を83%も低く抑えることができた、という結果が出ている(※8)。
また「糖質+プロテイン」を与えた群は「糖質のみ」群に加え、21.2%長くランニングすることができたという研究(※9)や、「糖質+プロテイン」は糖質のみに比べて持久力を向上させる効果がある、と結論づけたシステマティックレビューもある(※10)。
糖質と同様、プロテインも消化吸収に優れたものを選びたい。そこでお勧めしたいのが、酵素によって細かく分解された「ホエイペプチド」である。これがトレーニング中のドリンクに配合するプロテインとして最適のものだ。
「ただの水」に加え、汗の成分に近づけた電解質、そして消化吸収に優れたクラスターデキストリン®とホエイペプチド。これらをすべて配合した最適のドリンクが「R. E. D. 」である。R. E. D. の最適の飲み方を次に紹介しよう。
◇R.E.D. の使い方
Ⅰ.喉の渇きが気になりやすく、体温が不自然に上昇することが感じられる場合
・2リットルの水にR.E.D. 2袋を溶かす。
・練習の30分前に500mlを飲む。
・練習が始まったら、10~15分おきに200mlを飲む。
・足りなくなったら「1リットルあたり1袋」の割合で作り足す。
Ⅱ.練習中にバテやすかったり、筋肉が攣りやすかったりするような場合
・2リットルの水にR.E.D. 4袋を溶かす。
・練習の30分前に500mlを飲む。
・練習が始まったら、10~15分おきに200mlを飲む。
・足りなくなったら「1リットルあたり2袋」の割合で作り足す。
R.E.D. は飲みやすいブラッドオレンジ風味となっている。普通にジュースとして飲むこともできるため、余ったら練習以外のタイミングで喉をうるおすために飲んでも構わない。
ただし余った分を次の日の練習のときに使うのはNGだ。たんぱく質や糖質が含まれるR.E.D. は、細菌にとって絶好の繁殖場。作り置きはせず、その日のうちに飲み切るようにしよう。