健康・体力・美容UP
あらためて、プロテインについて語ろう。
最近はコンビニやスーパーにも、プロテイン製品があふれるようになった。たんぱく質の重要性が一般的に知られるようになったのは、まことに喜ばしいことだ。
ただし、プロテインにはさまざまな種類がある。ウォリアーにとっては、どれがベストなのだろう。まずはそれぞれのプロテインに、どのような特徴があるのかを知っておこう。
ウォリアーにお勧めしたいのはホエイプロテインだ。ホエイとは乳漿(にゅうしょう)のこと。ヨーグルトの上澄み液と言えばピンとくるだろう。
ホエイは大きく分けて、次の三つに分類することができる。
〇WPC(Whey Protein Concentrate)
まずは牛乳をカゼイン(たんぱく質の一種)とカード(凝乳:ヨーグルトのこと)に分離する。このカードを酵素処理し、水を抜いて行くとチーズができる。ホエイはその「抜かれた水」に含まれている。そこから水分を抜いて精製したものがWPCだ。WPCのたんぱく含有量は、平均して100gあたり70g程度となる。
〇WPI(Whey Protein Isolate)
WPCには乳糖や乳脂肪、灰分などが含まれるが、それらを取り除いてたんぱく含有量をさらに高めたものがWPIである。WPIのたんぱく含有量は100gあたり90g程度まで高まる。また精製度が高い分、WPCよりも消化吸収速度も早くなる。
〇WPH (Whey Protein Hydrolysate)
WPCに酵素を働かせ、アミノ酸の細かい繋がりにまで分解したものがWPHである。別名、ホエイペプチドとも呼ばれる。すでに分解されている状態のため、胃腸への負担は少なく、消化吸収もWPCやWPIに比べて早くなる。
最も吸収の早いWPHがよさそうに思えるが、ホエイには免疫グロブリンやラクトフェリンなど、免疫を向上させてくれるものが多く含まれている。だが残念ながら、これらは加工によって壊されてしまうため、WPHにはほとんど含まれない。そのためホエイプロテインによる免疫向上効果を狙うのであれば、WPCを選択するのがベストだろう。
ただしWPCには乳糖が残っている。牛乳を飲むと下痢をしてしまう「乳糖不耐性」の場合、WPCを飲んでも同じようなことが起こってしまう。この場合は、WPIを選ぶようにした方がいいだろう。商品としての価格はWPCよりも少し高くなるが、たんぱく質含有率が高いことを考慮すると、1グラム当たりでの価格は大差ない。
〇ホエイのメリット
プロテインと言えばホエイと言うほど、ホエイプロテインには様々な種類が存在する。プロテインに迷ったら、まずホエイプロテインを選べば間違いないだろう。
WPCの項で書いたが、カゼインも牛乳から取り出される。ホエイに比べてカゼインは固まりやすいため、胃の中でゆっくり溶けて長時間作用するとされる。
就寝中などは栄養を摂ることができないため、どうしても血中アミノ酸濃度は低くなってしまう。その場合、寝る前にカゼインプロテインを飲むようにすれば、血中アミノ酸濃度を長時間にわたってキープできるわけだ。
仕事が長時間にわたり、途中で休憩して栄養を摂ることができないような場合にも、カゼインプロテインは有用となるだろう。
日本は大豆(ソイ)の文化でもあり、昔の日本人トレーニーは醤油を作った搾りかすから製造されたソイプロテインを飲んでいたものだ。
ソイプロテインも、大きく次の三つに分類することができる。
SPC(Soy Protein Concentrate)
大豆から大豆油を取り除いた「脱脂大豆」から、水溶性の非たんぱく質部分を取り除くことによってたんぱく質部分を抽出できる。この方法でできたソイプロテインをSPC(濃縮ソイプロテイン)と呼ぶ。この方法だと大豆に含まれる炭水化物が残りやすく、100g中に含まれるたんぱく質としては70g程度になる。
SPI (Soy Protein Isolate)
水を使ってSPCから炭水化物をさらに取り除き、その後に沈殿させて乾燥させたものをSPI(分離ソイプロテイン)と呼ぶ。このような処理によって、100g中のたんぱく質は90g近くに到達する。一般に「ソイプロテイン」として販売されているものは、このSPIがほとんどである。
大豆ペプチド(Soy Peptide)
SPIに酵素を働かせ、アミノ酸の細かい繋がりにまで分解したものが大豆ペプチドである。すでに消化された状態となっているため、胃腸への負担は少ない。ただし味が苦く、飲めるように糖質を添加するなどして味が調整されており、たんぱく含有率としてはSPIより少なくなることが多い。また価格も高くなる。
〇大豆プロテインのメリット
大豆プロテインのメリットとして心臓血管系疾患への効果が挙げられる。食事に含まれるたんぱく質をSPIに置き換えたところ、総コレステロールが減り、特に悪玉であるLDLと中性脂肪の減少が見られた。善玉コレステロールであるHDLも顕著に増加している¹。
米国食品医薬品庁(FDA)では、大豆たんぱくが冠状動脈疾患のリスクを減らすということで、1999年に健康強調表示(Health Claim)を認めている。
他に卵を原料にしたエッグプロテインや牛肉を原料にしたビーフプロテイン、エンドウマメから作ったピープロテインなどもあるが、あまりポピュラーではない。
それぞれのプロテインにはそれぞれの特徴やメリットがある。しかし、もっと大事なことがある。それは「量」だ。量が少なくては、どの効果も得ることはできない。
特に筋肉を増やす場合、一般的な量の2倍以上が必要だとされる。普通なら1日に体重1kgあたり1g程度のたんぱく質で良いが、筋肉を増やすためには2g以上のたんぱく質を摂る必要があるのだ。
君の体重が70kgだったとしよう。食事で普通に摂れるたんぱく質は、せいぜい90~100g程度だ。しかし筋肉を増やしたい場合、1日140g以上のたんぱく質が必要となる。つまり、プラス50g以上のプロテインを飲む必要があるわけだ。
一回あたりのプロテイン摂取量も重要だ。運動後のプロテインは体重当たり0.3gを目安にしてほしい(体重80㎏なら24g)。ケチってちびちびとのプロテインを飲んでも、不足していることに変わりはない。つまり、せっかく飲んでも最大限の効果が期待できないということだ。
プロテインの効果を得るためには、「充足させること」が大事である。必要な量をしっかりと計算し、充足させるようにプロテインの量を決めてほしい。
具体的な飲み方については、次の記事が参考となるだろう。
あらためて、プロテインについて語ろう。
最近はコンビニやスーパーにも、プロテイン製品があふれるようになった。たんぱく質の重要性が一般的に知られるようになったのは、まことに喜ばしいことだ。
ただし、プロテインにはさまざまな種類がある。ウォリアーにとっては、どれがベストなのだろう。まずはそれぞれのプロテインに、どのような特徴があるのかを知っておこう。
ウォリアーにお勧めしたいのはホエイプロテインだ。ホエイとは乳漿(にゅうしょう)のこと。ヨーグルトの上澄み液と言えばピンとくるだろう。
ホエイは大きく分けて、次の三つに分類することができる。
〇WPC(Whey Protein Concentrate)
まずは牛乳をカゼイン(たんぱく質の一種)とカード(凝乳:ヨーグルトのこと)に分離する。このカードを酵素処理し、水を抜いて行くとチーズができる。ホエイはその「抜かれた水」に含まれている。そこから水分を抜いて精製したものがWPCだ。WPCのたんぱく含有量は、平均して100gあたり70g程度となる。
〇WPI(Whey Protein Isolate)
WPCには乳糖や乳脂肪、灰分などが含まれるが、それらを取り除いてたんぱく含有量をさらに高めたものがWPIである。WPIのたんぱく含有量は100gあたり90g程度まで高まる。また精製度が高い分、WPCよりも消化吸収速度も早くなる。
〇WPH (Whey Protein Hydrolysate)
WPCに酵素を働かせ、アミノ酸の細かい繋がりにまで分解したものがWPHである。別名、ホエイペプチドとも呼ばれる。すでに分解されている状態のため、胃腸への負担は少なく、消化吸収もWPCやWPIに比べて早くなる。
最も吸収の早いWPHがよさそうに思えるが、ホエイには免疫グロブリンやラクトフェリンなど、免疫を向上させてくれるものが多く含まれている。だが残念ながら、これらは加工によって壊されてしまうため、WPHにはほとんど含まれない。そのためホエイプロテインによる免疫向上効果を狙うのであれば、WPCを選択するのがベストだろう。
ただしWPCには乳糖が残っている。牛乳を飲むと下痢をしてしまう「乳糖不耐性」の場合、WPCを飲んでも同じようなことが起こってしまう。この場合は、WPIを選ぶようにした方がいいだろう。商品としての価格はWPCよりも少し高くなるが、たんぱく質含有率が高いことを考慮すると、1グラム当たりでの価格は大差ない。
〇ホエイのメリット
プロテインと言えばホエイと言うほど、ホエイプロテインには様々な種類が存在する。プロテインに迷ったら、まずホエイプロテインを選べば間違いないだろう。
WPCの項で書いたが、カゼインも牛乳から取り出される。ホエイに比べてカゼインは固まりやすいため、胃の中でゆっくり溶けて長時間作用するとされる。
就寝中などは栄養を摂ることができないため、どうしても血中アミノ酸濃度は低くなってしまう。その場合、寝る前にカゼインプロテインを飲むようにすれば、血中アミノ酸濃度を長時間にわたってキープできるわけだ。
仕事が長時間にわたり、途中で休憩して栄養を摂ることができないような場合にも、カゼインプロテインは有用となるだろう。
日本は大豆(ソイ)の文化でもあり、昔の日本人トレーニーは醤油を作った搾りかすから製造されたソイプロテインを飲んでいたものだ。
ソイプロテインも、大きく次の三つに分類することができる。
SPC(Soy Protein Concentrate)
大豆から大豆油を取り除いた「脱脂大豆」から、水溶性の非たんぱく質部分を取り除くことによってたんぱく質部分を抽出できる。この方法でできたソイプロテインをSPC(濃縮ソイプロテイン)と呼ぶ。この方法だと大豆に含まれる炭水化物が残りやすく、100g中に含まれるたんぱく質としては70g程度になる。
SPI (Soy Protein Isolate)
水を使ってSPCから炭水化物をさらに取り除き、その後に沈殿させて乾燥させたものをSPI(分離ソイプロテイン)と呼ぶ。このような処理によって、100g中のたんぱく質は90g近くに到達する。一般に「ソイプロテイン」として販売されているものは、このSPIがほとんどである。
大豆ペプチド(Soy Peptide)
SPIに酵素を働かせ、アミノ酸の細かい繋がりにまで分解したものが大豆ペプチドである。すでに消化された状態となっているため、胃腸への負担は少ない。ただし味が苦く、飲めるように糖質を添加するなどして味が調整されており、たんぱく含有率としてはSPIより少なくなることが多い。また価格も高くなる。
〇大豆プロテインのメリット
大豆プロテインのメリットとして心臓血管系疾患への効果が挙げられる。食事に含まれるたんぱく質をSPIに置き換えたところ、総コレステロールが減り、特に悪玉であるLDLと中性脂肪の減少が見られた。善玉コレステロールであるHDLも顕著に増加している¹。
米国食品医薬品庁(FDA)では、大豆たんぱくが冠状動脈疾患のリスクを減らすということで、1999年に健康強調表示(Health Claim)を認めている。
他に卵を原料にしたエッグプロテインや牛肉を原料にしたビーフプロテイン、エンドウマメから作ったピープロテインなどもあるが、あまりポピュラーではない。
それぞれのプロテインにはそれぞれの特徴やメリットがある。しかし、もっと大事なことがある。それは「量」だ。量が少なくては、どの効果も得ることはできない。
特に筋肉を増やす場合、一般的な量の2倍以上が必要だとされる。普通なら1日に体重1kgあたり1g程度のたんぱく質で良いが、筋肉を増やすためには2g以上のたんぱく質を摂る必要があるのだ。
君の体重が70kgだったとしよう。食事で普通に摂れるたんぱく質は、せいぜい90~100g程度だ。しかし筋肉を増やしたい場合、1日140g以上のたんぱく質が必要となる。つまり、プラス50g以上のプロテインを飲む必要があるわけだ。
一回あたりのプロテイン摂取量も重要だ。運動後のプロテインは体重当たり0.3gを目安にしてほしい(体重80㎏なら24g)。ケチってちびちびとのプロテインを飲んでも、不足していることに変わりはない。つまり、せっかく飲んでも最大限の効果が期待できないということだ。
プロテインの効果を得るためには、「充足させること」が大事である。必要な量をしっかりと計算し、充足させるようにプロテインの量を決めてほしい。
具体的な飲み方については、次の記事が参考となるだろう。
ウォリアーの主食 “プロテイン”を喰らえ~プロテインをガンガン摂る