体重・筋量UP
目 的:基礎的な筋力を身につける
メリット:バーベルだけで行うことができる
ウェイトトレーニングの基本は「オーバーロード(漸進的過負荷)」だ。古代オリンピックでレスリングを6連覇したミロは毎日、牛を担いでトレーニングしたという。牛は成長するに従って大きく、重くなる。つまり、最終的には成牛も担げるようになったということだ。
本年は丑年。牛を担いでトレーニングしたミロにちなみ、古くから行われているエクササイズを紹介していこう。
今では当たり前のように行われているベンチプレスだが、昔はベンチ台がなかった。ではどうしていたかというと、床に仰向けになって行っていた。これを「フロアプレス」と呼ぶ。
フロアプレスの行い方
1.バーにプレートを装着し、その下に仰向けで潜り込む。バーの真下に腹が来るようにする。
2.バーを両手で持ち、膝を立てる。そして一気に腰を持ち上げ、同時にバーを持ち上げる。
3.腰を地面に付けて戻し、バーを降ろしていく。
4.肘が床に触れたら、バーを持ち上げる。これを繰り返す。
5.終わったらバーを腹の方向に落とし、バーの下から抜け出す。
実はこのフロアプレスには、ベンチプレスにはないメリットがある。
立った状態からスクワットの要領でしゃがみ、すぐに立ち上がってみよう。これは難なくできるはずだ。次に、イスに座った状態から立ち上がってみよう。意外にもこちらの方がキツイのではないか。
イスに座った状態の方が稼動域は狭いはず。それなのにキツイと感じるのは、「伸張反射」が使えないからだ。筋肉には一度引き伸ばしてやると、反射的に縮もうとする機能がある。これを伸張反射と呼ぶ。
深くしゃがみこむ時、脚の筋肉は引き伸ばされるため、伸張反射が起こる。そのため簡単に立ち上がることができる。しかしイスに座ったままだと筋肉の長さは一定であり、伸張反射が起こらない。そのため、強い力を出す必要があるわけだ。
フロアプレスにおいても、床に上腕部が触れることで一時的に動きが止まり、伸張反射が起こらなくなる。そのため、普通のベンチプレスよりも稼動域が狭いにもかかわらず、使用重量は軽くなってしまうはずだ。最初はベンチプレスの6~7割の重量からやってみるといいだろう。
なおフロアプレスはベンチプレスのフォーム矯正にも役立つ。ベンチプレスでどうしても手首が寝てしまったり、ヒジを上手く張れなかったりという場合、フロアプレスを試すと改善される可能性がある。
昔はベンチ台がなかったと書いたが、もちろんスクワットラックなんてシャレたものもなかった。まずは床に置いたバーベルをハイクリーンで持ってきて、プレスで頭上に持ち上げ、バックプレスの要領で首の後ろに下ろして、ようやくスクワットができる。そして終わったら、その逆の動作で床に戻すわけだ。
これでは当然、ヘビーウェイトは扱えない。そこで床に置いたままでできるスクワットが考え出された。それがジェファーソン・スクワットだ。世界的なボディビルコンテストで上位に入賞している選手も、このエクササイズをよく行っているという。
ジェファーソン・スクワットの行い方
1.プレートを付けたバーベルを床に置き、それをまたいで立つ。
2.足幅は肩幅より広めとし、つま先はやや外側を向ける。
3.背中を丸めず、上体をまっすぐに伸ばした状態で膝関節と股関節を曲げ、右手でバーの前方を、左手でバーの後方を握る。
4.上体をできるだけ垂直に近く保ったまま、立ち上がる。
5.バーが軽く床に触れるまで下ろし、また立ち上がる。これを繰り返す。
6.セットが終わったら、次のセットは左手でバーの前方を、右手でバーの後方を持って行う。
※20kgプレートだと十分に深く下ろせない場合は、直径の短い10kgや5kgプレートを使って行う。
※握力を補強するためにストラップを使っても良い。
普通のスクワットに比べ、ジェファーソン・スクワットは上体を垂直に保つことが容易で、同じような動きであるスモウ・デッドリフトに比べても腰への負担が少なく、無理なく深く下ろすことが可能となる。
なお通常のスクワットと同様に、ワイドスタンスにしてつま先を外側に向ければ内転筋に強い刺激が行き、股関節を深く曲げるフォームならば大臀筋やハムストリング、膝関節を深く曲げるフォームならば大腿四頭筋に刺激を与えることができる。
ただし両手を前後に広げてバーを保持するため、体幹部に若干のねじれが生じてしまう。そのため、左側と右側とで微妙に違った刺激となる。ゆえに、セットごとに持つ手を入れ替えるといいだろう。
目 的:基礎的な筋力を身につける
メリット:バーベルだけで行うことができる
ウェイトトレーニングの基本は「オーバーロード(漸進的過負荷)」だ。古代オリンピックでレスリングを6連覇したミロは毎日、牛を担いでトレーニングしたという。牛は成長するに従って大きく、重くなる。つまり、最終的には成牛も担げるようになったということだ。
本年は丑年。牛を担いでトレーニングしたミロにちなみ、古くから行われているエクササイズを紹介していこう。
今では当たり前のように行われているベンチプレスだが、昔はベンチ台がなかった。ではどうしていたかというと、床に仰向けになって行っていた。これを「フロアプレス」と呼ぶ。
フロアプレスの行い方
1.バーにプレートを装着し、その下に仰向けで潜り込む。バーの真下に腹が来るようにする。
2.バーを両手で持ち、膝を立てる。そして一気に腰を持ち上げ、同時にバーを持ち上げる。
3.腰を地面に付けて戻し、バーを降ろしていく。
4.肘が床に触れたら、バーを持ち上げる。これを繰り返す。
5.終わったらバーを腹の方向に落とし、バーの下から抜け出す。
実はこのフロアプレスには、ベンチプレスにはないメリットがある。
立った状態からスクワットの要領でしゃがみ、すぐに立ち上がってみよう。これは難なくできるはずだ。次に、イスに座った状態から立ち上がってみよう。意外にもこちらの方がキツイのではないか。
イスに座った状態の方が稼動域は狭いはず。それなのにキツイと感じるのは、「伸張反射」が使えないからだ。筋肉には一度引き伸ばしてやると、反射的に縮もうとする機能がある。これを伸張反射と呼ぶ。
深くしゃがみこむ時、脚の筋肉は引き伸ばされるため、伸張反射が起こる。そのため簡単に立ち上がることができる。しかしイスに座ったままだと筋肉の長さは一定であり、伸張反射が起こらない。そのため、強い力を出す必要があるわけだ。
フロアプレスにおいても、床に上腕部が触れることで一時的に動きが止まり、伸張反射が起こらなくなる。そのため、普通のベンチプレスよりも稼動域が狭いにもかかわらず、使用重量は軽くなってしまうはずだ。最初はベンチプレスの6~7割の重量からやってみるといいだろう。
なおフロアプレスはベンチプレスのフォーム矯正にも役立つ。ベンチプレスでどうしても手首が寝てしまったり、ヒジを上手く張れなかったりという場合、フロアプレスを試すと改善される可能性がある。
昔はベンチ台がなかったと書いたが、もちろんスクワットラックなんてシャレたものもなかった。まずは床に置いたバーベルをハイクリーンで持ってきて、プレスで頭上に持ち上げ、バックプレスの要領で首の後ろに下ろして、ようやくスクワットができる。そして終わったら、その逆の動作で床に戻すわけだ。
これでは当然、ヘビーウェイトは扱えない。そこで床に置いたままでできるスクワットが考え出された。それがジェファーソン・スクワットだ。世界的なボディビルコンテストで上位に入賞している選手も、このエクササイズをよく行っているという。
ジェファーソン・スクワットの行い方
1.プレートを付けたバーベルを床に置き、それをまたいで立つ。
2.足幅は肩幅より広めとし、つま先はやや外側を向ける。
3.背中を丸めず、上体をまっすぐに伸ばした状態で膝関節と股関節を曲げ、右手でバーの前方を、左手でバーの後方を握る。
4.上体をできるだけ垂直に近く保ったまま、立ち上がる。
5.バーが軽く床に触れるまで下ろし、また立ち上がる。これを繰り返す。
6.セットが終わったら、次のセットは左手でバーの前方を、右手でバーの後方を持って行う。
※20kgプレートだと十分に深く下ろせない場合は、直径の短い10kgや5kgプレートを使って行う。
※握力を補強するためにストラップを使っても良い。
普通のスクワットに比べ、ジェファーソン・スクワットは上体を垂直に保つことが容易で、同じような動きであるスモウ・デッドリフトに比べても腰への負担が少なく、無理なく深く下ろすことが可能となる。
なお通常のスクワットと同様に、ワイドスタンスにしてつま先を外側に向ければ内転筋に強い刺激が行き、股関節を深く曲げるフォームならば大臀筋やハムストリング、膝関節を深く曲げるフォームならば大腿四頭筋に刺激を与えることができる。
ただし両手を前後に広げてバーを保持するため、体幹部に若干のねじれが生じてしまう。そのため、左側と右側とで微妙に違った刺激となる。ゆえに、セットごとに持つ手を入れ替えるといいだろう。