健康・体力・美容UP
自然免疫はナパーム弾が敵を一掃するように、自分にとって異物だと判断したものは全て排除しようと働く。しかし、生き残る敵も出てくる。それに対抗するのが後天的な免疫、すなわち獲得免疫だ。
獲得免疫では、リンパ球(T細胞やB細胞)が活躍する。こちらは相手を一つ一つ個別に認識し、スナイパーのように葬り去っていく。
・免疫細胞のエネルギーとなるグルタミン
好中球やマクロファージ、リンパ球においては、非常に高い割合で「グルタミン」がエネルギーとして使われる。またグルタミンの濃度が高いほど、リンパ球の増殖も起こりやすくなる(※7, ※8, ※9, ※10)。
ハードにトレーニングを行うアスリートに1日10gのグルタミンを飲ませたところ、NK細胞の活性が上昇し、免疫グロブリン産生も高まっていたという報告もある11。
・アルギニンとNOと免疫細胞
アルギニンにも免疫細胞を強化する働きがある。アルギニンは一酸化窒素(NO)を発生させ、NK細胞、LAK細胞、マクロファージなどの免疫細胞の活性を高めてくれるのである。
・ホエイプロテインとグルタチオン
胸腺のリンパ球からは「グルタチオン」が放出される。グルタチオンはチオール基(SH基)によって活性酸素や過酸化脂質を消去するという抗酸化作用や、毒物/薬物にS-S結合(グルタチオン抱合)することによって解毒作用を示す。
このグルタチオンは三つのアミノ酸から作られるのだが、この時に最も重要なのが「システイン」である。ホエイプロテインにはシステインが大量に含まれるため、筋力アップ以外にも、免疫力を高める作用が期待できるのだ12,13,14。
・ビタミンD
最近になってわかってきたのがビタミンDの免疫調整作用である。ナイーブT細胞(まだ抗原刺激を受けていないT細胞)がT細胞受容体によって外部分子を認識すると、ビタミンD受容体遺伝子(VDR)に活性化シグナルを送る。そしてVDRはT細胞内でVDRと結合し、活性化される。活性化VDRが核に到達すると、PLC-γ1が生産され、T細胞が働きだすというものだ15。
さらにビタミンDには、抗菌作用のあるペプチドhCAP18の発現を亢進させる作用もあるとされる。こうしてビタミンDはT細胞やB細胞などの免疫細胞を活性化したり16、インフルエンザA型を発症する割合を58%抑制できたり17といった働きのあることが示されるようになってきた。
ビタミンDは紫外線を浴びることにより、体内で合成できる。また魚介類に多く含まれるため、日本人は比較的摂取しやすい。
しかし厚生労働省の食事摂取基準2020年版では成人男性のビタミンD目安量は1日8.5~9.0μgであるのに対し、2018年の調査では平均で6.9μgしか摂取できていない。さらに屋内に引きこもりがちだと、どうしても不足してしまう。潜水艦の乗組員を調査したところ、かなり多くのビタミンDを摂取していても血中濃度を充分に維持できない、という報告がある18。
ウォリアーは寒い時季であっても室内に閉じこもらず、日光に当たることを心がけよう。
・亜鉛
そして亜鉛も必要だ。亜鉛が不足するとT細胞が減少し、免疫が低下することが分かっている19。さらに亜鉛の摂取によってヘルペスやアフタの改善が認められており20,21、また欧米では風邪の治療に昔から亜鉛が使われており、1日80~207mgの亜鉛を摂取したところ、完治までの期間が半分近く短くなっている22,23。
最後にまとめよう。免疫力を高めるために、次の栄養素をしっかり摂取するように心がけたい。
・ホエイプロテイン
・グルタミン
・アルギニン
・ビタミンA
・ビタミンC
・ビタミンD
・亜鉛
自然免疫はナパーム弾が敵を一掃するように、自分にとって異物だと判断したものは全て排除しようと働く。しかし、生き残る敵も出てくる。それに対抗するのが後天的な免疫、すなわち獲得免疫だ。
獲得免疫では、リンパ球(T細胞やB細胞)が活躍する。こちらは相手を一つ一つ個別に認識し、スナイパーのように葬り去っていく。
・免疫細胞のエネルギーとなるグルタミン
好中球やマクロファージ、リンパ球においては、非常に高い割合で「グルタミン」がエネルギーとして使われる。またグルタミンの濃度が高いほど、リンパ球の増殖も起こりやすくなる(※7, ※8, ※9, ※10)。
ハードにトレーニングを行うアスリートに1日10gのグルタミンを飲ませたところ、NK細胞の活性が上昇し、免疫グロブリン産生も高まっていたという報告もある11。
・アルギニンとNOと免疫細胞
アルギニンにも免疫細胞を強化する働きがある。アルギニンは一酸化窒素(NO)を発生させ、NK細胞、LAK細胞、マクロファージなどの免疫細胞の活性を高めてくれるのである。
・ホエイプロテインとグルタチオン
胸腺のリンパ球からは「グルタチオン」が放出される。グルタチオンはチオール基(SH基)によって活性酸素や過酸化脂質を消去するという抗酸化作用や、毒物/薬物にS-S結合(グルタチオン抱合)することによって解毒作用を示す。
このグルタチオンは三つのアミノ酸から作られるのだが、この時に最も重要なのが「システイン」である。ホエイプロテインにはシステインが大量に含まれるため、筋力アップ以外にも、免疫力を高める作用が期待できるのだ12,13,14。
・ビタミンD
最近になってわかってきたのがビタミンDの免疫調整作用である。ナイーブT細胞(まだ抗原刺激を受けていないT細胞)がT細胞受容体によって外部分子を認識すると、ビタミンD受容体遺伝子(VDR)に活性化シグナルを送る。そしてVDRはT細胞内でVDRと結合し、活性化される。活性化VDRが核に到達すると、PLC-γ1が生産され、T細胞が働きだすというものだ15。
さらにビタミンDには、抗菌作用のあるペプチドhCAP18の発現を亢進させる作用もあるとされる。こうしてビタミンDはT細胞やB細胞などの免疫細胞を活性化したり16、インフルエンザA型を発症する割合を58%抑制できたり17といった働きのあることが示されるようになってきた。
ビタミンDは紫外線を浴びることにより、体内で合成できる。また魚介類に多く含まれるため、日本人は比較的摂取しやすい。
しかし厚生労働省の食事摂取基準2020年版では成人男性のビタミンD目安量は1日8.5~9.0μgであるのに対し、2018年の調査では平均で6.9μgしか摂取できていない。さらに屋内に引きこもりがちだと、どうしても不足してしまう。潜水艦の乗組員を調査したところ、かなり多くのビタミンDを摂取していても血中濃度を充分に維持できない、という報告がある18。
ウォリアーは寒い時季であっても室内に閉じこもらず、日光に当たることを心がけよう。
・亜鉛
そして亜鉛も必要だ。亜鉛が不足するとT細胞が減少し、免疫が低下することが分かっている19。さらに亜鉛の摂取によってヘルペスやアフタの改善が認められており20,21、また欧米では風邪の治療に昔から亜鉛が使われており、1日80~207mgの亜鉛を摂取したところ、完治までの期間が半分近く短くなっている22,23。
最後にまとめよう。免疫力を高めるために、次の栄養素をしっかり摂取するように心がけたい。
・ホエイプロテイン
・グルタミン
・アルギニン
・ビタミンA
・ビタミンC
・ビタミンD
・亜鉛