体重・筋量UP

Part 99  極太の腕を作り出せ!

Part 99
極太の腕を作り出せ!

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Part 99  極太の腕を作り出せ!

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極太の腕を作り出せ!

  • 目  的:適切なアプローチで腕を太くする
  • メリット:最短で上腕を強化する

鍛えている身体を強調する時に一番ポイントが高いのは、何と言っても「腕」だろう。袖からハミ出した腕の筋肉を見れば、道行く人は誰もが振り返る。バーベルカールがベンチプレスと並び、ジムでの人気種目になっているのも当然、といったところだ。今回は、腕の筋肉を発達させるエクササイズを紹介していこう。

■上腕二頭筋の鍛え方

上腕二頭筋には長頭と短頭の二つがある。そして、そのどちらも「肩胛骨から始まり、前腕の橈骨(トウコツ)に終わる」構造となっており、上腕骨に付いてはいない。つまり上腕二頭筋は、肩関節と肘関節をまたぐ二関節筋なのだ。

そして解剖学的な用語で言えば、筋繊維が直線的に配列されている「紡錘状筋」でもある。これはスピーディな動きに向いた構造といえる。

〇インクラインダンベルカール

二関節筋ということから、上腕二頭筋をストレッチさせるには上腕を身体の後ろに持ってくる必要がある。一般的なバーベルカールでは、スタート時に上腕がストレッチされておらず、十分な負荷をかけることができない。

上腕二頭筋を十分にストレッチさせられるエクササイズ、それは「インクラインダンベルカール」である。

<インクラインダンベルカール動画>

ここで重要なのは、「肘を動かさない」ことである。キツくなってくると肘を曲げると同時に肘が前に出て行き、肩の力でカールしようとしてしまう。それでは上腕二頭筋に負荷がかからない。キツくても肘の位置は動かさず、上腕が常に地面と垂直に保たれているようにしよう。

〇ワンアームチンニング

多くの上腕二頭筋のエクササイズは肘の屈曲伸展のみを行うカール動作だが、多関節エクササイズであるチンニングは背中だけでなく上腕二頭筋にも強い刺激を与えることができる。そして片手で行うチンニングは背中の筋肉の関与をかなり避けることができ、強烈な負荷を上腕二頭筋にかけられる。筋力が弱いと難しいエクササイズだが、筋力が強いウォリアーにとっては非常に有効となるはずだ。

もちろん片手のみだけだと難易度が高すぎるため、もう片方の手で手首を握り、軽く補助して行うようにする。

<ワンアームチンニング動画>

〇レップス、セット数について

前述の通り、上腕二頭筋は紡錘状筋であり、パワーを発揮するよりもスピードを重視した構造となっている。そのためトレーニングも高重量で行うより、軽めの重量で高回数を行った方が反応しやすい。一般的には10~15回を正しいフォームで行える重量を設定するといいだろう。

また上腕二頭筋は背中のトレーニングでもかなり使われるため、オーバーワークになりやすい。セット数は控えめにして、多くても3~4セット程度にした方が伸びやすいといえる。

■上腕三頭筋の鍛え方

上腕三頭筋には「外側頭」と「内側頭」、そして「長頭」の三つの「頭」がある。この三つの「頭」を持つ筋肉、片方の端はすべて前腕の骨(尺骨)と結び付いている。しかし外側頭と内側頭はもう片方が上腕骨に付いているのに対し、長頭だけは肩甲骨に付いている。

この構造上、外側頭と内側頭は肘を曲げるだけで十分にストレッチされるのに対し、長頭だけは「肘を曲げた状態で、さらに肘を頭上に挙げる」ようにしないと、十分にストレッチをかけることができない。また長頭の働きにより、腕を伸展させたり内転させたりすることができる。

また上腕三頭筋はパワーを発揮しやすい「羽状筋」であり、筋繊維が斜めに配列されている。つまり高重量に反応しやすい筋肉ということだ。

〇プルオーバー&エクステンション

長頭のストレッチと機能を考えた場合、肘の伸展と肩の伸展を同時に行うことができる「プルオーバー&エクステンション」が、上腕三頭筋のために有効なエクササイズとなる。 このエクササイズのポイントはストレッチなので、ボトムまで下ろしたら一気に反動を使って挙げるのではなく、ストレッチを意識してゆっくりと動作を行うよう注意したい。 EZバーを使っても良いし、ダンベルを使ってもいい。

<プルオーバー&エクステンション参考動画>

<ダンベル版>

〇ディップス

上腕三頭筋のための多関節種目としてはナローベンチプレスがあるが、さらに優秀なのがディップスである。ディップスは両手の2点だけで身体を支えるのに対し、ナローベンチは両手と両足、背中の5点で支えることになる。そのため、ディップスの方が軌道を安定させるためのスタビライザーを多く使い、モーターユニット動員数も多くなるというわけだ。

またディップスは肩を傷めやすいと考えられがちだが、ヒジを閉じて動作を行うため、むしろナローベンチよりも安全な種目だと言える。

<ディップス動画>

〇レップス、セット数について

上腕三頭筋は羽状筋であり、パワーを発揮するのに向いた構造となっている。そのためトレーニングは高重量で行い、レップスは少な目で行うと効果的である。一般的には5~8回を正しいフォームで行える重量で行うといいだろう。また速筋繊維が多いことから、ネガティブをゆっくりとコントロールして行うことが重要である。

なお上腕二頭筋と同様、上腕三頭筋は胸や肩のプレス系トレーニングでもかなり使われるため、こちらもオーバーワークに陥りやすい。やはりセット数は控え目に抑え、多くても3~4セット程度にした方が伸びやすいといえる。

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  • 目  的:適切なアプローチで腕を太くする
  • メリット:最短で上腕を強化する

鍛えている身体を強調する時に一番ポイントが高いのは、何と言っても「腕」だろう。袖からハミ出した腕の筋肉を見れば、道行く人は誰もが振り返る。バーベルカールがベンチプレスと並び、ジムでの人気種目になっているのも当然、といったところだ。今回は、腕の筋肉を発達させるエクササイズを紹介していこう。

■上腕二頭筋の鍛え方

上腕二頭筋には長頭と短頭の二つがある。そして、そのどちらも「肩胛骨から始まり、前腕の橈骨(トウコツ)に終わる」構造となっており、上腕骨に付いてはいない。つまり上腕二頭筋は、肩関節と肘関節をまたぐ二関節筋なのだ。

そして解剖学的な用語で言えば、筋繊維が直線的に配列されている「紡錘状筋」でもある。これはスピーディな動きに向いた構造といえる。

〇インクラインダンベルカール

二関節筋ということから、上腕二頭筋をストレッチさせるには上腕を身体の後ろに持ってくる必要がある。一般的なバーベルカールでは、スタート時に上腕がストレッチされておらず、十分な負荷をかけることができない。

上腕二頭筋を十分にストレッチさせられるエクササイズ、それは「インクラインダンベルカール」である。

<インクラインダンベルカール動画>

ここで重要なのは、「肘を動かさない」ことである。キツくなってくると肘を曲げると同時に肘が前に出て行き、肩の力でカールしようとしてしまう。それでは上腕二頭筋に負荷がかからない。キツくても肘の位置は動かさず、上腕が常に地面と垂直に保たれているようにしよう。

〇ワンアームチンニング

多くの上腕二頭筋のエクササイズは肘の屈曲伸展のみを行うカール動作だが、多関節エクササイズであるチンニングは背中だけでなく上腕二頭筋にも強い刺激を与えることができる。そして片手で行うチンニングは背中の筋肉の関与をかなり避けることができ、強烈な負荷を上腕二頭筋にかけられる。筋力が弱いと難しいエクササイズだが、筋力が強いウォリアーにとっては非常に有効となるはずだ。

もちろん片手のみだけだと難易度が高すぎるため、もう片方の手で手首を握り、軽く補助して行うようにする。

<ワンアームチンニング動画>

〇レップス、セット数について

前述の通り、上腕二頭筋は紡錘状筋であり、パワーを発揮するよりもスピードを重視した構造となっている。そのためトレーニングも高重量で行うより、軽めの重量で高回数を行った方が反応しやすい。一般的には10~15回を正しいフォームで行える重量を設定するといいだろう。

また上腕二頭筋は背中のトレーニングでもかなり使われるため、オーバーワークになりやすい。セット数は控えめにして、多くても3~4セット程度にした方が伸びやすいといえる。

■上腕三頭筋の鍛え方

上腕三頭筋には「外側頭」と「内側頭」、そして「長頭」の三つの「頭」がある。この三つの「頭」を持つ筋肉、片方の端はすべて前腕の骨(尺骨)と結び付いている。しかし外側頭と内側頭はもう片方が上腕骨に付いているのに対し、長頭だけは肩甲骨に付いている。

この構造上、外側頭と内側頭は肘を曲げるだけで十分にストレッチされるのに対し、長頭だけは「肘を曲げた状態で、さらに肘を頭上に挙げる」ようにしないと、十分にストレッチをかけることができない。また長頭の働きにより、腕を伸展させたり内転させたりすることができる。

また上腕三頭筋はパワーを発揮しやすい「羽状筋」であり、筋繊維が斜めに配列されている。つまり高重量に反応しやすい筋肉ということだ。

〇プルオーバー&エクステンション

長頭のストレッチと機能を考えた場合、肘の伸展と肩の伸展を同時に行うことができる「プルオーバー&エクステンション」が、上腕三頭筋のために有効なエクササイズとなる。 このエクササイズのポイントはストレッチなので、ボトムまで下ろしたら一気に反動を使って挙げるのではなく、ストレッチを意識してゆっくりと動作を行うよう注意したい。 EZバーを使っても良いし、ダンベルを使ってもいい。

<プルオーバー&エクステンション参考動画>

<ダンベル版>

〇ディップス

上腕三頭筋のための多関節種目としてはナローベンチプレスがあるが、さらに優秀なのがディップスである。ディップスは両手の2点だけで身体を支えるのに対し、ナローベンチは両手と両足、背中の5点で支えることになる。そのため、ディップスの方が軌道を安定させるためのスタビライザーを多く使い、モーターユニット動員数も多くなるというわけだ。

またディップスは肩を傷めやすいと考えられがちだが、ヒジを閉じて動作を行うため、むしろナローベンチよりも安全な種目だと言える。

<ディップス動画>

〇レップス、セット数について

上腕三頭筋は羽状筋であり、パワーを発揮するのに向いた構造となっている。そのためトレーニングは高重量で行い、レップスは少な目で行うと効果的である。一般的には5~8回を正しいフォームで行える重量で行うといいだろう。また速筋繊維が多いことから、ネガティブをゆっくりとコントロールして行うことが重要である。

なお上腕二頭筋と同様、上腕三頭筋は胸や肩のプレス系トレーニングでもかなり使われるため、こちらもオーバーワークに陥りやすい。やはりセット数は控え目に抑え、多くても3~4セット程度にした方が伸びやすいといえる。