健康・体力・美容UP
前回の記事では最適のトレーニングプログラムを考える上で必要な条件、すなわちトレーニング頻度やエクササイズの選定、インターバルなどについて解説し、モデルとなるプログラムをAとBに分けて紹介した。今回はプログラムAの進め方について解説していこう。
BIG3の一角、ベンチプレスは最も人気のあるエクササイズではあるが、フォームの習得は意外に難しい。フォームのポイントを次に箇条書きで記していこう。
1. グリップ幅
手幅が狭いとヒジの角度が深くなるため、上腕三頭筋への負荷が強くなる。逆に手幅が広いと三角筋前部のストレッチが強くなる。つまり腕が強ければ狭い幅のほうが挙げやすく、肩が強ければ広い幅の方が挙げやすくなる。
たいていのバーには81cmラインが刻まれている。平均的な身長のウォリアーなら、このラインに小指~薬指がかかるぐらいにするといいだろう。180cm以上のウォリアーなら81cmラインに中指~人差し指がかかるぐらいを目安とする。
2. ブリッジ(アーチ)をつくれ!
肩甲骨を寄せ、上体を弓上に反らすことにより、大胸筋がストレッチされて効きやすくなるとともに、三角筋の負担を減らすことができる。挙げながら肩甲骨が開いてしまうと、大胸筋だけでなく前鋸筋にも刺激がいってしまうため、肩は常に後ろに引いた状態を保って行うようにしよう。
3. バーは剣状突起に下ろせ!
バーを下ろす位置が上の方(鎖骨側)だと、肩を傷めてしまう可能性が強くなる。一般的には剣状突起(大胸筋と腹部の境目にある骨)を目指して下ろすようにしたい。また、挙げるときは斜め上に挙げるのではなく、垂直の軌道をバーが通るようにする。
ベンチプレスにも増してディップスは上半身の筋力を高めるのに効果的な種目である。ベンチプレスは両手と両足、尻の5点で支えるのに対し、ディップスは両手2点だけで支える。そのため、動作を安定させるために多くのスタビライザーが働き、より多くの筋繊維が動員されることになるのだ。
またヒジを開いてしまいがちなベンチプレスに比べ、ディップスはヒジを閉じ気味で行う。そのため肩のケガも引き起こしにくい。体操選手は非常に大きな可動域でディップスを行うが、それでも肩のケガはそれほど多くないのである。
ただし上体を垂直にした状態で行うディップスは三角筋前部が強くストレッチされてしまうため、やや上体を前傾させて行う方が大胸筋に強い刺激を与えることができる。またヒジの角度が少なくとも90度より深く曲がるまで、深く下ろすようにしよう。
ミリタリープレスのグリップ幅はベンチプレスと同じように考えていい。重要なのは上体を反らせ過ぎないことだ。反らせ過ぎると腰を傷めかねないばかりか、刺激が大胸筋上部に移行してしまい、本来のターゲットである三角筋を鍛えることができなくなってしまう。
下ろす深さはバーがアゴの高さとなるまでを目安とする。スタンディングで行うと腰が痛くなるウォリアーは、垂直のベンチにもたれてシーテッドで行うようにすると良いだろう。
アップライトロウは手幅が狭いと三角筋前部、広めだと三角筋中部を鍛えることができる。ベンチプレスやディップス、ミリタリープレスで三角筋前部には十分に刺激が伝わっているため、アップライトロウは広めの手幅で行うようにしたい。
具体的には肩幅よりひと握り広い程度のグリップで行う。動作のポイントとしては、腕の力で挙げてしまわないことだ。常にヒジでリードし、バーよりもヒジが高い位置をキープするようにする。引き上げる高さはバーが大胸筋中部にくるあたりまでとする。なお、僧帽筋も同時に使ってしまって構わない。
通常の腹筋運動に比べ、ストレッチをかけることのできるボールクランチは非常に優秀なエクササイズである。ただし問題は自重でしか行うことができない。
そこで負荷をかけるために、ダンベルやロープーリーを利用する。具体的な行い方はこちらを参考にしてほしい。
プログラムにおいて「10回3セット」とあった場合、3セット目がギリギリ10回できるような重量設定とする。ただし設定を間違えてあまりにも1セット目が軽すぎた場合は、2セット目で少しだけ重量を重くしても構わない。
逆に1セット目が重すぎてギリギリ10回できるかどうかだった場合、インターバルを長く取って十分に回復させてから2セット目、3セット目に移る。このときは10回できなくてもいい。できるだけ重量を落とさずに2セット目、3セット目を行うことが重要である。
前回の記事では最適のトレーニングプログラムを考える上で必要な条件、すなわちトレーニング頻度やエクササイズの選定、インターバルなどについて解説し、モデルとなるプログラムをAとBに分けて紹介した。今回はプログラムAの進め方について解説していこう。
BIG3の一角、ベンチプレスは最も人気のあるエクササイズではあるが、フォームの習得は意外に難しい。フォームのポイントを次に箇条書きで記していこう。
1. グリップ幅
手幅が狭いとヒジの角度が深くなるため、上腕三頭筋への負荷が強くなる。逆に手幅が広いと三角筋前部のストレッチが強くなる。つまり腕が強ければ狭い幅のほうが挙げやすく、肩が強ければ広い幅の方が挙げやすくなる。
たいていのバーには81cmラインが刻まれている。平均的な身長のウォリアーなら、このラインに小指~薬指がかかるぐらいにするといいだろう。180cm以上のウォリアーなら81cmラインに中指~人差し指がかかるぐらいを目安とする。
2. ブリッジ(アーチ)をつくれ!
肩甲骨を寄せ、上体を弓上に反らすことにより、大胸筋がストレッチされて効きやすくなるとともに、三角筋の負担を減らすことができる。挙げながら肩甲骨が開いてしまうと、大胸筋だけでなく前鋸筋にも刺激がいってしまうため、肩は常に後ろに引いた状態を保って行うようにしよう。
3. バーは剣状突起に下ろせ!
バーを下ろす位置が上の方(鎖骨側)だと、肩を傷めてしまう可能性が強くなる。一般的には剣状突起(大胸筋と腹部の境目にある骨)を目指して下ろすようにしたい。また、挙げるときは斜め上に挙げるのではなく、垂直の軌道をバーが通るようにする。
ベンチプレスにも増してディップスは上半身の筋力を高めるのに効果的な種目である。ベンチプレスは両手と両足、尻の5点で支えるのに対し、ディップスは両手2点だけで支える。そのため、動作を安定させるために多くのスタビライザーが働き、より多くの筋繊維が動員されることになるのだ。
またヒジを開いてしまいがちなベンチプレスに比べ、ディップスはヒジを閉じ気味で行う。そのため肩のケガも引き起こしにくい。体操選手は非常に大きな可動域でディップスを行うが、それでも肩のケガはそれほど多くないのである。
ただし上体を垂直にした状態で行うディップスは三角筋前部が強くストレッチされてしまうため、やや上体を前傾させて行う方が大胸筋に強い刺激を与えることができる。またヒジの角度が少なくとも90度より深く曲がるまで、深く下ろすようにしよう。
ミリタリープレスのグリップ幅はベンチプレスと同じように考えていい。重要なのは上体を反らせ過ぎないことだ。反らせ過ぎると腰を傷めかねないばかりか、刺激が大胸筋上部に移行してしまい、本来のターゲットである三角筋を鍛えることができなくなってしまう。
下ろす深さはバーがアゴの高さとなるまでを目安とする。スタンディングで行うと腰が痛くなるウォリアーは、垂直のベンチにもたれてシーテッドで行うようにすると良いだろう。
アップライトロウは手幅が狭いと三角筋前部、広めだと三角筋中部を鍛えることができる。ベンチプレスやディップス、ミリタリープレスで三角筋前部には十分に刺激が伝わっているため、アップライトロウは広めの手幅で行うようにしたい。
具体的には肩幅よりひと握り広い程度のグリップで行う。動作のポイントとしては、腕の力で挙げてしまわないことだ。常にヒジでリードし、バーよりもヒジが高い位置をキープするようにする。引き上げる高さはバーが大胸筋中部にくるあたりまでとする。なお、僧帽筋も同時に使ってしまって構わない。
通常の腹筋運動に比べ、ストレッチをかけることのできるボールクランチは非常に優秀なエクササイズである。ただし問題は自重でしか行うことができない。
そこで負荷をかけるために、ダンベルやロープーリーを利用する。具体的な行い方はこちらを参考にしてほしい。
プログラムにおいて「10回3セット」とあった場合、3セット目がギリギリ10回できるような重量設定とする。ただし設定を間違えてあまりにも1セット目が軽すぎた場合は、2セット目で少しだけ重量を重くしても構わない。
逆に1セット目が重すぎてギリギリ10回できるかどうかだった場合、インターバルを長く取って十分に回復させてから2セット目、3セット目に移る。このときは10回できなくてもいい。できるだけ重量を落とさずに2セット目、3セット目を行うことが重要である。