体重・筋量UP
Part 1ではタンパク質と炭水化物について取り上げた。Part 2となる今回は脂肪とビタミン、ミネラルについて解説していこう。
「脂肪」というと体脂肪が想起され、あまり良いイメージがないかもしれない。しかし、脂肪には非常に重要な役割がある。
まず、脂肪はホルモンの材料になる。男性ホルモンはコレステロールからつくられるが、コレステロールの材料は脂肪だ。そのため脂肪の摂取量が少ないベジタリアンは、男性ホルモンのレベルが低くなることも報告されている1,2,3,4,5。
そして脂肪は、生体膜の材料にもなる。細胞を取り囲む膜は必要なものを中に取り入れ、不必要なものは中に入れないようにしている。脂肪の摂取量が不足してこの膜が正常につくられなくなると、本来入ってはいけないものが細胞内に入ってしまい、細胞の機能に異常をきたしてしまうのだ。
また、脂肪はもちろんエネルギー源にもなる。糖質制限時のエネルギーとして使われるケトン体も、脂肪が材料だ。さらにエイコサノイドと呼ばれるホルモン様物質の材料にもなり、内臓の位置を正常に保つ働きもある。褐色脂肪という、体温を保つ働きを持つ脂肪も存在する。
脂肪は「飽和脂肪」と「不飽和脂肪」の二つに大きく分けられる。ステーキの脂身に代表される白い脂肪が飽和脂肪で、常温で固体となっていることが多い。不飽和脂肪はオリーブオイルやサラダ油などで、常温で液体となっていることが多い。青魚やナッツ類にも、不飽和脂肪が多く含まれる。
肉の脂身は身体に悪いとされており、病気の原因になると思われがちだ。しかし最近の研究によると、必ずしもそうではない。飽和脂肪酸を食べる量が少ないと、脳卒中のリスクが上昇するという日本人での調査がある6,7。またカロリーを同じに設定して高炭水化物食と高脂肪食(半分は飽和脂肪)で比較したところ、高脂肪食は善玉コレステロールを増やし、健康への悪影響は見られなかったばかりか、代謝マーカーの改善が見られたという報告もある8。
つまり、肉の脂肪を避ける必要はまったくない。むしろ良質のエネルギー源として、積極的に食べるようにしたい。その一方で、青魚やアボカド、ナッツ類などに含まれる不飽和脂肪も、身体に良い影響が数多くある。血液の流れを良くしたり、インスリンの働きを高めたり、免疫を高めたり、炎症を抑えたりといった作用が期待できるのだ。
もう肉の脂身を取り除く必要はない。卵の黄身を捨てるのも愚の骨頂だ。サーロインステーキに舌鼓を打ち、卵は全卵で食べよう。加えて青魚やアボカド、ナッツ類を積極的に食べれば、ウォリアーとして十分な脂肪を摂取することができる。
Part 1ではタンパク質と炭水化物について取り上げた。Part 2となる今回は脂肪とビタミン、ミネラルについて解説していこう。
「脂肪」というと体脂肪が想起され、あまり良いイメージがないかもしれない。しかし、脂肪には非常に重要な役割がある。
まず、脂肪はホルモンの材料になる。男性ホルモンはコレステロールからつくられるが、コレステロールの材料は脂肪だ。そのため脂肪の摂取量が少ないベジタリアンは、男性ホルモンのレベルが低くなることも報告されている1,2,3,4,5。
そして脂肪は、生体膜の材料にもなる。細胞を取り囲む膜は必要なものを中に取り入れ、不必要なものは中に入れないようにしている。脂肪の摂取量が不足してこの膜が正常につくられなくなると、本来入ってはいけないものが細胞内に入ってしまい、細胞の機能に異常をきたしてしまうのだ。
また、脂肪はもちろんエネルギー源にもなる。糖質制限時のエネルギーとして使われるケトン体も、脂肪が材料だ。さらにエイコサノイドと呼ばれるホルモン様物質の材料にもなり、内臓の位置を正常に保つ働きもある。褐色脂肪という、体温を保つ働きを持つ脂肪も存在する。
脂肪は「飽和脂肪」と「不飽和脂肪」の二つに大きく分けられる。ステーキの脂身に代表される白い脂肪が飽和脂肪で、常温で固体となっていることが多い。不飽和脂肪はオリーブオイルやサラダ油などで、常温で液体となっていることが多い。青魚やナッツ類にも、不飽和脂肪が多く含まれる。
肉の脂身は身体に悪いとされており、病気の原因になると思われがちだ。しかし最近の研究によると、必ずしもそうではない。飽和脂肪酸を食べる量が少ないと、脳卒中のリスクが上昇するという日本人での調査がある6,7。またカロリーを同じに設定して高炭水化物食と高脂肪食(半分は飽和脂肪)で比較したところ、高脂肪食は善玉コレステロールを増やし、健康への悪影響は見られなかったばかりか、代謝マーカーの改善が見られたという報告もある8。
つまり、肉の脂肪を避ける必要はまったくない。むしろ良質のエネルギー源として、積極的に食べるようにしたい。その一方で、青魚やアボカド、ナッツ類などに含まれる不飽和脂肪も、身体に良い影響が数多くある。血液の流れを良くしたり、インスリンの働きを高めたり、免疫を高めたり、炎症を抑えたりといった作用が期待できるのだ。
もう肉の脂身を取り除く必要はない。卵の黄身を捨てるのも愚の骨頂だ。サーロインステーキに舌鼓を打ち、卵は全卵で食べよう。加えて青魚やアボカド、ナッツ類を積極的に食べれば、ウォリアーとして十分な脂肪を摂取することができる。