競技パフォーマンスUP
ダッシュのためにスクワットやジャンプ。速く、遠くへ投げるためにクラッププッシュアップやメディシンボールエクササイズ。筋力やパワーを高め、爆発力を付けていくことで競技能力は向上する。
しかし、体幹部がヤワではダメだ。強力なパワーを支えることができず、文字通り腰砕けになってしまうようでは意味がない。強靭な体幹部を持っていてこそ、爆発力を発揮できるのである。
体幹部のトレーニングというと、すぐにプランクなどのいわゆる「コアトレ」を推奨する向きがある。
しかしある報告によると、サイドブリッジやスーパーマンのように一般的なコアトレーニングで行われている種目では、自重でのスクワットや自重でのデッドリフトと同じ程度の負荷しかかかっていないことがわかっている。脊柱起立筋への負荷はある程度の重量をかけたスクワットやデッドリフトと比べるべくもないのだ1。
多くのコア・エクササイズは自重のみを使っているため、負荷を増やしていくことができない。すなわち筋力強化の大原則である「漸進的過負荷の原則」が適用されていないのだ。
ではコア・エクササイズで荷重した場合はどうか。その場合もスクワットに軍配が上がる。12名のトレーニング経験者を対象にした研究でも、腹直筋や脊柱起立筋への刺激はスクワットの方が荷重プローンブリッジよりも強くなっているのだ2。
なお体幹部への刺激としては、バックスクワットよりもフロントスクワットのほうが強くなる。フロントスクワットは膝への負担も少なく3、大腿部には同等の刺激を与えることができるため、有用なオプションとなるだろう。
次に腹筋について考えてみよう。実は腹筋の可動域は、前方に25度なのに対し、後方は30度となっている。つまり前に丸めるよりも、後ろに反らすほうが可動域は大きいのだ。
つまり普通の腹筋エクササイズは上体がまっすぐのポジションから前方に25度倒すだけであり、半分以下の可動域でしか使ってないということになる。
後方30度も使うためにはどうすれば良いのか。エクササイズボールの上に仰向けになって行う「ボールクランチ」がもっとも手軽で効果的である。ボールが無い場合は、厚手のバスタオルなどを丸めて地面と背中の間に挟み込むようにすれば、上体を反らした状態からクランチを行うことができる。
42名を対象にボールクランチと腹筋のマシンを筋電図で比較した研究がある。ボールクランチでは負荷が足りないため、チューブ(セラバンド)を使って負荷を増やした。ボールクランチのボールは直径55cmのスイスボールだ。
その結果、腹直筋においてボールクランチでは平均104だった刺激が、エクササイズマシンだと平均で84だった。また外腹斜筋においてボールクランチでは平均86、エクササイズマシンだと平均79だった。
また下背部への刺激はボールクランチのほうが少なかったのである。そして大腿直筋への刺激はエクササイズマシンによるもののほうが顕著に大きくなっていた4。
マシンや普通のクランチでお茶を濁しているウォリアーは、ぜひボールクランチを試して欲しい。自重で楽にできるようになったら、プーリーを使って負荷をかけるようにしてみよう。プーリーが無い場合はダンベルを使って足を固定し、後頭部にウェイトを持って行なっても良い。
参考:(ボールクランチ、プーリーボールクランチ)
腹直筋は背骨を丸め、胸部を骨盤に近づけていく役割を担っている。そして腹横筋は腹をへこませる作用を担い、腹圧にかかわってくる。
腹をへこませてキープした状態を「ドローイン」と呼ぶ。この状態では腹部が細くなり、また体幹部全体が長くもなる。
この状態でロシアンツィストを行うのだ。ドローインで通常より長く引き伸ばされた状態で行うことにより、腹横筋や腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋に強い刺激を与えることができるのである。
負荷を強くしたい場合はメディシンボールなどを足に挟んで行うと良い。
参考:(ドローイン・ロシアンツィスト、メディシンボール・ロシアンツィスト)
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これらのエクササイズを行って強靭な体幹部を手に入れ、爆発力を遺憾なく発揮して欲しい。
ダッシュのためにスクワットやジャンプ。速く、遠くへ投げるためにクラッププッシュアップやメディシンボールエクササイズ。筋力やパワーを高め、爆発力を付けていくことで競技能力は向上する。
しかし、体幹部がヤワではダメだ。強力なパワーを支えることができず、文字通り腰砕けになってしまうようでは意味がない。強靭な体幹部を持っていてこそ、爆発力を発揮できるのである。
体幹部のトレーニングというと、すぐにプランクなどのいわゆる「コアトレ」を推奨する向きがある。
しかしある報告によると、サイドブリッジやスーパーマンのように一般的なコアトレーニングで行われている種目では、自重でのスクワットや自重でのデッドリフトと同じ程度の負荷しかかかっていないことがわかっている。脊柱起立筋への負荷はある程度の重量をかけたスクワットやデッドリフトと比べるべくもないのだ1。
多くのコア・エクササイズは自重のみを使っているため、負荷を増やしていくことができない。すなわち筋力強化の大原則である「漸進的過負荷の原則」が適用されていないのだ。
ではコア・エクササイズで荷重した場合はどうか。その場合もスクワットに軍配が上がる。12名のトレーニング経験者を対象にした研究でも、腹直筋や脊柱起立筋への刺激はスクワットの方が荷重プローンブリッジよりも強くなっているのだ2。
なお体幹部への刺激としては、バックスクワットよりもフロントスクワットのほうが強くなる。フロントスクワットは膝への負担も少なく3、大腿部には同等の刺激を与えることができるため、有用なオプションとなるだろう。
次に腹筋について考えてみよう。実は腹筋の可動域は、前方に25度なのに対し、後方は30度となっている。つまり前に丸めるよりも、後ろに反らすほうが可動域は大きいのだ。
つまり普通の腹筋エクササイズは上体がまっすぐのポジションから前方に25度倒すだけであり、半分以下の可動域でしか使ってないということになる。
後方30度も使うためにはどうすれば良いのか。エクササイズボールの上に仰向けになって行う「ボールクランチ」がもっとも手軽で効果的である。ボールが無い場合は、厚手のバスタオルなどを丸めて地面と背中の間に挟み込むようにすれば、上体を反らした状態からクランチを行うことができる。
42名を対象にボールクランチと腹筋のマシンを筋電図で比較した研究がある。ボールクランチでは負荷が足りないため、チューブ(セラバンド)を使って負荷を増やした。ボールクランチのボールは直径55cmのスイスボールだ。
その結果、腹直筋においてボールクランチでは平均104だった刺激が、エクササイズマシンだと平均で84だった。また外腹斜筋においてボールクランチでは平均86、エクササイズマシンだと平均79だった。
また下背部への刺激はボールクランチのほうが少なかったのである。そして大腿直筋への刺激はエクササイズマシンによるもののほうが顕著に大きくなっていた4。
マシンや普通のクランチでお茶を濁しているウォリアーは、ぜひボールクランチを試して欲しい。自重で楽にできるようになったら、プーリーを使って負荷をかけるようにしてみよう。プーリーが無い場合はダンベルを使って足を固定し、後頭部にウェイトを持って行なっても良い。
参考:(ボールクランチ、プーリーボールクランチ)
腹直筋は背骨を丸め、胸部を骨盤に近づけていく役割を担っている。そして腹横筋は腹をへこませる作用を担い、腹圧にかかわってくる。
腹をへこませてキープした状態を「ドローイン」と呼ぶ。この状態では腹部が細くなり、また体幹部全体が長くもなる。
この状態でロシアンツィストを行うのだ。ドローインで通常より長く引き伸ばされた状態で行うことにより、腹横筋や腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋に強い刺激を与えることができるのである。
負荷を強くしたい場合はメディシンボールなどを足に挟んで行うと良い。
参考:(ドローイン・ロシアンツィスト、メディシンボール・ロシアンツィスト)
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これらのエクササイズを行って強靭な体幹部を手に入れ、爆発力を遺憾なく発揮して欲しい。