体重・筋量UP
前号では短時間で上半身を強烈に鍛えられる方法を解説した。今回は下半身編となる。
上半身の種目に比べ、下半身の種目は負荷が抜けるタイミングが多い。スクワットやレッグプレスではトップポジションに近づくにつれ、負荷が抜けてくる。フルスクワットでは100kgがせいぜいでも、パーシャルスクワットなら150kgくらいはできるものだ。
そこで「ノンロック」で行うようにするのだ。普通のスクワットやデッドリフトは1レップごとに膝を伸ばし切る。この伸ばし切ることを「ロック」と呼ぶ。しかし伸ばし切らずに(ノンロック)行うことで、常に負荷をかけ続けることが可能となるのだ。
スクワットやレッグプレスの場合、膝関節が150°くらいになった時点で、また膝を曲げるようにするのである。
下半身における単関節運動の代表格はレッグエクステンションとレッグカールである。この二つには、ある特性がある。
膝関節を完全に伸ばし切った状態で大腿四頭筋に負荷をかけられるエクササイズ、それはレッグエクステンションだけである。また膝関節を完全に曲げきった状態でハムストリングに負荷をかけられるエクササイズ、それはレッグカールだけである。つまりこの二種目は筋肉を「最大収縮」させることができるのである。
この特性をさらに強化するため、ワン・アンド・ア・ハーフ法を利用してみよう。まずはボトムからトップまで行う。これで「ワン」だ。そしてトップの状態から半分だけ戻し、またトップまで持って行く。これが「ハーフ」である。ハーフを行ったらボトムまで戻す。これで1レップと数える。
つまり筋肉が最大収縮するポジションを二倍にするわけだ。スクワットでもレッグプレスでも最大収縮は行えないため、この二つの単関節運動で最大収縮の刺激を強烈に与えるようにしたい。
ウォームアップが終わり、これから本番セット。前回は6回挙げたから、今日は何とか7回挙げよう。そして成功、次のセットに移る。
さてこの時、次のセットの重量をどうするか。ここでは3つの選択肢がある。
1. 同じ重量で次のセットもやる
2. 筋肉が疲労しているはずなので、同じレップスができるよう、重量を軽くする
3. さらに強い刺激を与えたいので、レップスを減らして重量を重くする
このとき、セット毎に重量を軽くする方法をディセンディングセット、重くしていく方法をアセンディングセットと呼ぶ。
さて、時短トレーニングでもっとも難題なのがウォームアップだ。この時間をなんとか有効に使いたい。
下半身は上半身に比べ、使用重量が重くなる。そこでアセンディングセットを利用してみよう。そうすれば前半のセットでウォームアップを兼ね、後半ではヘビーウェイトを扱うことが可能となる。例えばスクワットの場合、次のようにセットを組む。
1セット目:50kgで20回
2セット目:70kgで15回
3セット目:80kgで10回
4セット目:90kgで6回
5セット目:100kgで4回
通常のヘビーウェイトを用いたトレーニングでは筋肉に物理的なストレスをかけることができる。それに対して軽い重量でのハイレップストレーニングでは、筋肉に化学的なストレスをかけることができる。
化学的ストレスのための最たるテクニックが、「100レップス法」である。具体的な方法を紹介しよう。
1. カーフレイズを連続で25~30回ギリギリできる重量を探す
2. 100レップス法開始。まずは25~30回、限界まで行う
3. 限界の時点ではバーンズがきてレップを継続できなくなっている。そこでバーンズが去るまで5秒ほど休む
4. バーンズが去ったら、すぐにレップを継続
5. 5~10レップスくらい行うと、またバーンズがきてレップを継続できなくなる
6. そうなったらまた5秒休み、すぐにレップを再開する
7. これを繰り返しながら、合計100レップスになるまでやり遂げる
レッグエクステンションやレッグカール、カーフレイズなどの単関節運動に最適である。スクワットなどの多関節運動は補助筋に刺激が移行したり、心肺機能がネックとなってしまったりするため、あまり適さない。
それでは具体的なプログラムを紹介していこう。
1a:スクワット | アセンディングセットで4セット |
---|---|
1b:レッグカール (ワン・アンド・ア・ハーフ) |
アセンディングセットで4セット |
2a:ハックスクワット | アセンディングセットで3セット |
2b:スティッフレッグドデッドリフト | アセンディングセットで3セット |
3:カーフレイズ (100レップス法) |
1セット |
1a:レッグプレス | アセンディングセットで5セット |
---|---|
1b:カーフレイズ | 2セット |
1c:シーテッドカーフレイズ | 2セット |
2a:レッグエクステンション (ワン・アンド・ア・ハーフ) |
アセンディングセットで3セット |
2b:レッグカール (ワン・アンド・ア・ハーフ) |
アセンディングセットで3セット |
1aや1bといった表記については、前号を読み返して欲しい。
プログラムBについて解説しよう。これは次のように進めていく。
1. レッグプレス120kg20レップス |
---|
2. カーフレイズ100kg12レップス |
3. レッグプレス160kg15レップス |
4. カーフレイズ100kg12レップス |
5. レッグプレス200kg10レップス |
6. シーテッドカーフレイズ50kg15レップス |
7. レッグプレス240kg8レップス |
8. シーテッドカーフレイズ50kg15レップス |
9. レッグプレス260kg6レップス |
このように「関係のない部位を組み合わせる」スーパーセットを行うことにより、時短が可能となる。短時間で十分な刺激を与えたいウォリアーは、ぜひ試して欲しい。
前号では短時間で上半身を強烈に鍛えられる方法を解説した。今回は下半身編となる。
上半身の種目に比べ、下半身の種目は負荷が抜けるタイミングが多い。スクワットやレッグプレスではトップポジションに近づくにつれ、負荷が抜けてくる。フルスクワットでは100kgがせいぜいでも、パーシャルスクワットなら150kgくらいはできるものだ。
そこで「ノンロック」で行うようにするのだ。普通のスクワットやデッドリフトは1レップごとに膝を伸ばし切る。この伸ばし切ることを「ロック」と呼ぶ。しかし伸ばし切らずに(ノンロック)行うことで、常に負荷をかけ続けることが可能となるのだ。
スクワットやレッグプレスの場合、膝関節が150°くらいになった時点で、また膝を曲げるようにするのである。
下半身における単関節運動の代表格はレッグエクステンションとレッグカールである。この二つには、ある特性がある。
膝関節を完全に伸ばし切った状態で大腿四頭筋に負荷をかけられるエクササイズ、それはレッグエクステンションだけである。また膝関節を完全に曲げきった状態でハムストリングに負荷をかけられるエクササイズ、それはレッグカールだけである。つまりこの二種目は筋肉を「最大収縮」させることができるのである。
この特性をさらに強化するため、ワン・アンド・ア・ハーフ法を利用してみよう。まずはボトムからトップまで行う。これで「ワン」だ。そしてトップの状態から半分だけ戻し、またトップまで持って行く。これが「ハーフ」である。ハーフを行ったらボトムまで戻す。これで1レップと数える。
つまり筋肉が最大収縮するポジションを二倍にするわけだ。スクワットでもレッグプレスでも最大収縮は行えないため、この二つの単関節運動で最大収縮の刺激を強烈に与えるようにしたい。
ウォームアップが終わり、これから本番セット。前回は6回挙げたから、今日は何とか7回挙げよう。そして成功、次のセットに移る。
さてこの時、次のセットの重量をどうするか。ここでは3つの選択肢がある。
1. 同じ重量で次のセットもやる
2. 筋肉が疲労しているはずなので、同じレップスができるよう、重量を軽くする
3. さらに強い刺激を与えたいので、レップスを減らして重量を重くする
このとき、セット毎に重量を軽くする方法をディセンディングセット、重くしていく方法をアセンディングセットと呼ぶ。
さて、時短トレーニングでもっとも難題なのがウォームアップだ。この時間をなんとか有効に使いたい。
下半身は上半身に比べ、使用重量が重くなる。そこでアセンディングセットを利用してみよう。そうすれば前半のセットでウォームアップを兼ね、後半ではヘビーウェイトを扱うことが可能となる。例えばスクワットの場合、次のようにセットを組む。
1セット目:50kgで20回
2セット目:70kgで15回
3セット目:80kgで10回
4セット目:90kgで6回
5セット目:100kgで4回
通常のヘビーウェイトを用いたトレーニングでは筋肉に物理的なストレスをかけることができる。それに対して軽い重量でのハイレップストレーニングでは、筋肉に化学的なストレスをかけることができる。
化学的ストレスのための最たるテクニックが、「100レップス法」である。具体的な方法を紹介しよう。
1. カーフレイズを連続で25~30回ギリギリできる重量を探す
2. 100レップス法開始。まずは25~30回、限界まで行う
3. 限界の時点ではバーンズがきてレップを継続できなくなっている。そこでバーンズが去るまで5秒ほど休む
4. バーンズが去ったら、すぐにレップを継続
5. 5~10レップスくらい行うと、またバーンズがきてレップを継続できなくなる
6. そうなったらまた5秒休み、すぐにレップを再開する
7. これを繰り返しながら、合計100レップスになるまでやり遂げる
レッグエクステンションやレッグカール、カーフレイズなどの単関節運動に最適である。スクワットなどの多関節運動は補助筋に刺激が移行したり、心肺機能がネックとなってしまったりするため、あまり適さない。
それでは具体的なプログラムを紹介していこう。
1a:スクワット | アセンディングセットで4セット |
---|---|
1b:レッグカール (ワン・アンド・ア・ハーフ) |
アセンディングセットで4セット |
2a:ハックスクワット | アセンディングセットで3セット |
2b:スティッフレッグドデッドリフト | アセンディングセットで3セット |
3:カーフレイズ (100レップス法) |
1セット |
1a:レッグプレス | アセンディングセットで5セット |
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1b:カーフレイズ | 2セット |
1c:シーテッドカーフレイズ | 2セット |
2a:レッグエクステンション (ワン・アンド・ア・ハーフ) |
アセンディングセットで3セット |
2b:レッグカール (ワン・アンド・ア・ハーフ) |
アセンディングセットで3セット |
1aや1bといった表記については、前号を読み返して欲しい。
プログラムBについて解説しよう。これは次のように進めていく。
1. レッグプレス120kg20レップス |
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2. カーフレイズ100kg12レップス |
3. レッグプレス160kg15レップス |
4. カーフレイズ100kg12レップス |
5. レッグプレス200kg10レップス |
6. シーテッドカーフレイズ50kg15レップス |
7. レッグプレス240kg8レップス |
8. シーテッドカーフレイズ50kg15レップス |
9. レッグプレス260kg6レップス |
このように「関係のない部位を組み合わせる」スーパーセットを行うことにより、時短が可能となる。短時間で十分な刺激を与えたいウォリアーは、ぜひ試して欲しい。