体重・筋量UP

「閾値」を理解してバルクアップしろ。ー後編ー

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「閾値」を理解してバルクアップしろ。ー後編ー

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■クレアチンの必要摂取量

次にクレアチンの必要摂取量を考えてみよう。まずクレアチンの摂取に除脂肪体重の増加や筋力向上の効果があることは、すでに多くの文献により明らかとなっている。(※6, ※7)
これらの文献では、クレアチンを前もって「ローディング」することにより、効果が出る閾値に達するようにデザインされている。一般的なプロトコルとしては、1日に「体重1kgあたり0.3gを5日間摂取」し、その後は1日に「体重1kgあたり0.03g」を摂取してメンテナンスするというものだ。
体重70kgのウォリアーだったら、1日約20gのクレアチンを5日間摂取し、その後は1日2g程度を摂取していけばいい、ということになる。

クレアチン摂取はタイミングも重要である。平均53.2歳の健康な男女39名を対象に、32週間に渡ってクレアチンを「トレーニング前」あるいは「トレーニング後」に摂取させた(トレーニングは週3回。クレアチンの量は体重1kgあたり0.1gと設定)。その結果、両者とも筋力の向上が起こったが、トレーニング後に摂取した群のみにおいて、除脂肪体重の増加が起こっている。(※8)

クレアチンは体内の量が「飽和」すると、それ以上摂取しても効果はない。まずはローディングによって飽和させ、その飽和した状態をキープするために、少しの摂取量でメンテナンスしていくわけだ。
ある程度飽和した状態だと、トレーニング前にクレアチンを摂取してもそれ以上のレベルにはならない。そのためトレーニング前に摂取しても効果は薄くなる。しかしトレーニングによってクレアチンが消費されるため、トレーニング後にクレアチンを摂取すれば、消費されたクレアチンを元の飽和した状態にまで戻すことができる。そのため、トレーニング後の摂取が意味を持ってくるのだ。

ローディングにおいては、まとめて大量に摂取すると吸収が悪くなる。そのため、たとえば1日に20gをローディングするのならば、一回の量を4g程度に抑え、5回に分けて摂取するといいだろう。そしてメンテナンス期間はトレーニング後にクレアチンを摂取する。これで、クレアチンの効果を得られるはずだ。

なおクレアチンはカフェインと一緒に摂取してはいけないという都市伝説がある。これは1996年に行われた研究が元凶となっているようだ。「体重1kgあたり0.5gのクレアチン群」と、「体重1kgあたり0.5gのクレアチンに追加して体重1kgあたり5mgのカフェインを摂取した群」とでレッグエクステンションのトルクを調べた。その結果クレアチンのみ群はトルクが増加したのに、クレアチン+カフェイン群は変化が見られなかった、という結果だったのである。(※9)
しかしこれはたった9名が対象の研究で、あまり信頼はおけない。最近の報告では、カフェインはむしろクレアチンの効果を高めてくれることが分かってきている。16名を対象に「3gのクレアチン」群と「体重1kgあたり6mgのカフェイン」群、その両者を摂取した群とで比較したところ、両者を摂取した群がもっともトルクが高くなり、次がカフェインのみ群、最後がクレアチンのみ群という結果だった。(※10)
また「クレアチン+カフェイン」は、疲労遅延効果やスプリントのパフォーマンスを向上させたとする報告も見られる。(※11, ※12)
これらの結果から、特にクレアチンとカフェインを別々に摂取する必要はないと思われる。

(終わり)

クレアチン

【1食(5g)あたり】

エネルギー:18kcal、たんぱく質:4.4g、脂質:0g、炭水化物:0g、ナトリウム:0.4mg(食塩相当量:0.001g)、クレアチン・モノハイドレート:4.99g

詳しい情報・ご購入はこちらから DNS Online Shop



(前編を読む)

 

【こちらもオススメ】

6-5.カフェインの働きとは?

【参考文献】

  • 6:Creatine Supplementation and Lower Limb Strength Performance: A Systematic Review andMeta-Analyses. Sports Med. 2015 Sep;45(9):1285-1294. doi: 10.1007/s40279-015-0337-4.
  • 7: Creatine supplementation during resistance training in older adults-a meta-analysis. Med Sci Sports Exerc. 2014 Jun;46(6):1194-203. doi: 10.1249/MSS.0000000000000220.
  • 8:Strategic creatine supplementation and resistance training in healthy older adults. Appl Physiol Nutr Metab. 2015 Jul;40(7):689-94. doi: 10.1139/apnm-2014-0498. Epub 2015 Feb 26.
  • 9:Caffeine counteracts the ergogenic action of muscle creatine loading. J Appl Physiol (1985). 1996 Feb;80(2):452-7.
  • 10:Caffeine Potentiates the Ergogenic Effects of Creatine Journal of Exercise Physiology Dec. 2017 Vol. 20 Number 6
  • 11:Caffeine is ergogenic after supplementation of oral creatine monohydrate. Med Sci Sports Exerc. 2002 Nov;34(11):1785-92
  • 12:Effect of caffeine ingestion after creatine supplementation on intermittent high-intensity sprint performance. Eur J Appl Physiol. 2011 Aug;111(8):1669-77. doi: 10.1007/s00421-010-1792-0. Epub 2011 Jan 5.
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■クレアチンの必要摂取量

次にクレアチンの必要摂取量を考えてみよう。まずクレアチンの摂取に除脂肪体重の増加や筋力向上の効果があることは、すでに多くの文献により明らかとなっている。(※6, ※7)
これらの文献では、クレアチンを前もって「ローディング」することにより、効果が出る閾値に達するようにデザインされている。一般的なプロトコルとしては、1日に「体重1kgあたり0.3gを5日間摂取」し、その後は1日に「体重1kgあたり0.03g」を摂取してメンテナンスするというものだ。
体重70kgのウォリアーだったら、1日約20gのクレアチンを5日間摂取し、その後は1日2g程度を摂取していけばいい、ということになる。

クレアチン摂取はタイミングも重要である。平均53.2歳の健康な男女39名を対象に、32週間に渡ってクレアチンを「トレーニング前」あるいは「トレーニング後」に摂取させた(トレーニングは週3回。クレアチンの量は体重1kgあたり0.1gと設定)。その結果、両者とも筋力の向上が起こったが、トレーニング後に摂取した群のみにおいて、除脂肪体重の増加が起こっている。(※8)

クレアチンは体内の量が「飽和」すると、それ以上摂取しても効果はない。まずはローディングによって飽和させ、その飽和した状態をキープするために、少しの摂取量でメンテナンスしていくわけだ。
ある程度飽和した状態だと、トレーニング前にクレアチンを摂取してもそれ以上のレベルにはならない。そのためトレーニング前に摂取しても効果は薄くなる。しかしトレーニングによってクレアチンが消費されるため、トレーニング後にクレアチンを摂取すれば、消費されたクレアチンを元の飽和した状態にまで戻すことができる。そのため、トレーニング後の摂取が意味を持ってくるのだ。

ローディングにおいては、まとめて大量に摂取すると吸収が悪くなる。そのため、たとえば1日に20gをローディングするのならば、一回の量を4g程度に抑え、5回に分けて摂取するといいだろう。そしてメンテナンス期間はトレーニング後にクレアチンを摂取する。これで、クレアチンの効果を得られるはずだ。

なおクレアチンはカフェインと一緒に摂取してはいけないという都市伝説がある。これは1996年に行われた研究が元凶となっているようだ。「体重1kgあたり0.5gのクレアチン群」と、「体重1kgあたり0.5gのクレアチンに追加して体重1kgあたり5mgのカフェインを摂取した群」とでレッグエクステンションのトルクを調べた。その結果クレアチンのみ群はトルクが増加したのに、クレアチン+カフェイン群は変化が見られなかった、という結果だったのである。(※9)
しかしこれはたった9名が対象の研究で、あまり信頼はおけない。最近の報告では、カフェインはむしろクレアチンの効果を高めてくれることが分かってきている。16名を対象に「3gのクレアチン」群と「体重1kgあたり6mgのカフェイン」群、その両者を摂取した群とで比較したところ、両者を摂取した群がもっともトルクが高くなり、次がカフェインのみ群、最後がクレアチンのみ群という結果だった。(※10)
また「クレアチン+カフェイン」は、疲労遅延効果やスプリントのパフォーマンスを向上させたとする報告も見られる。(※11, ※12)
これらの結果から、特にクレアチンとカフェインを別々に摂取する必要はないと思われる。

(終わり)

クレアチン

【1食(5g)あたり】

エネルギー:18kcal、たんぱく質:4.4g、脂質:0g、炭水化物:0g、ナトリウム:0.4mg(食塩相当量:0.001g)、クレアチン・モノハイドレート:4.99g

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(前編を読む)

 

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6-5.カフェインの働きとは?

【参考文献】

  • 6:Creatine Supplementation and Lower Limb Strength Performance: A Systematic Review andMeta-Analyses. Sports Med. 2015 Sep;45(9):1285-1294. doi: 10.1007/s40279-015-0337-4.
  • 7: Creatine supplementation during resistance training in older adults-a meta-analysis. Med Sci Sports Exerc. 2014 Jun;46(6):1194-203. doi: 10.1249/MSS.0000000000000220.
  • 8:Strategic creatine supplementation and resistance training in healthy older adults. Appl Physiol Nutr Metab. 2015 Jul;40(7):689-94. doi: 10.1139/apnm-2014-0498. Epub 2015 Feb 26.
  • 9:Caffeine counteracts the ergogenic action of muscle creatine loading. J Appl Physiol (1985). 1996 Feb;80(2):452-7.
  • 10:Caffeine Potentiates the Ergogenic Effects of Creatine Journal of Exercise Physiology Dec. 2017 Vol. 20 Number 6
  • 11:Caffeine is ergogenic after supplementation of oral creatine monohydrate. Med Sci Sports Exerc. 2002 Nov;34(11):1785-92
  • 12:Effect of caffeine ingestion after creatine supplementation on intermittent high-intensity sprint performance. Eur J Appl Physiol. 2011 Aug;111(8):1669-77. doi: 10.1007/s00421-010-1792-0. Epub 2011 Jan 5.