体重・筋量UP

Part 81 ネガティブを意識して肥大させろ ー実践編ー

Part 81 「ネガティブを意識して肥大させろ ー実践編ー」

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Part 81 ネガティブを意識して肥大させろ ー実践編ー

Part 81 「ネガティブを意識して肥大させろ ー実践編ー」

  • 目  的:筋肥大・筋力増強、腱の強化
  • メリット:効率的に筋肥大・筋力を起こすとともに腱も強化できる

理論編ではネガティブの有効性について解説した。今回の実践編ではネガティブの具体的な方法について紹介していこう。

■コントロールしながらゆっくり下ろせ

もっとも一般的なのは「ゆっくり下ろす」方法だ。ベンチプレスではバーを下ろす時、スクワットではしゃがむ時に、ゆっくりと行うのである。エクササイズの可動域にもよるが、だいたい4~5秒をかけてコントロールしながら下ろすようにするといいだろう。

逆にポジティブの時は、一気に挙げるようにする。ポジティブで一気に挙げることにより、多くのモーターユニットを動員できる。モーターユニットとは「1本の神経と、それが支配する筋繊維群」のことだ。つまり多くのモーターユニットを動員できるということは、多くの神経と筋繊維群を刺激できる、ということになるわけである。

このように「ゆっくりとコントロールしながら下ろし、一気に挙げる」ことが、トレーニングの効果を高めるコツである。

ベンチプレス(ネガティブ局面を意識)

スクワット(ネガティブ局面を意識)

■チーティングを使ったネガティブを試せ

理論編で解説した通り、ネガティブではポジティブよりも強い力を出すことができる。つまりポジティブで疲労困憊した状態になっても、ネガティブならまだ数レップス行うことが可能だ。

そこで次のような方法を試してみよう。EZバーカールを普通に行い、6レップスやったところで挙がらなくなったとする。そこでチーティングを使って上まで持ち上げ、下ろすときはゆっくりとコントロールしながら下ろすのだ。これを数レップス行い、下ろすときにコントロールできず、重力に任せてヒジが伸びてしまうようになったら、そこでセット終了とするのである。

他にサイドレイズやワンハンド・ダンベルロウイングなどチーティングを行いやすいエクササイズでは、この方法により容易に追い込むことが可能となる。

EZバーカール

もちろんチーティングではなく、パートナーによるフォーストレップスでこれを行うことも可能だ。ベンチプレスやスクワットでは、チーティングが行いにくい。このようなエクササイズの場合、ポジティブで限界になった時点でパートナーがフォーストレップスを行って持ち上げるのを手伝う。そして下ろすときは自力で下ろすようにするのである。

ベンチプレス(フォーストレップス)

スクワット(フォーストレップス)

また例えばチンニングやディップスの場合、台などを使ってジャンプしてトップポジションに持って行き、下ろす時だけゆっくりとコントロールして行うという方法もある。

チンニング

ディップス

なおポジティブで限界になってからネガティブを行うのではなく、いきなり最初からチーティングやパートナーのサポートを利用してポジティブを行い(ポジティブでは力をあまり使わない)、ネガティブだけ意識してゆっくり行う方法もある。これを「ピュアネガティブ」あるいは「ネガティブオンリー」と呼ぶ。非常に強い刺激が与えられるため、超上級者向けの方法である。

■上級者はフォーストネガティブにチャレンジ

ポジティブに比べ、ネガティブでは高重量を扱うことができる。ベンチプレスのマックスが100kgのウォリアーの場合、120kg~130kgくらいならば「ゆっくりと下ろす」ことができるはずだ。これを利用した方法が「フォーストネガティブ」である。

80kgでベンチプレスのセットを組むとしよう。挙げるときは普通に行う。しかし下ろすときにパートナーが上からバーを押さえつけるのである。バーの総重量は100kgを軽く超えるだろう。それに対抗しながら、ゆっくりと下ろしていくのである。この方法を「フォーストネガティブ」と呼ぶ。

ベンチプレス(フォーストネガティブ)

バーベルカール(フォーストネガティブ)

■一人で行うネガティブエクササイズ

マシンによるエクササイズの場合、両腕あるいは両脚で挙げ、片腕あるいは片脚で下ろすという方法もある。例えばレッグカールの場合、ポジティブは両脚で挙げ、ネガティブは片脚で下ろすのである。

レッグカール(ネガティブ)

ワンハンド・ダンベルエクステンションだったらダンベルを持った方の腕の手首を逆の手でつかみ、両腕で挙げて片腕で下ろす。

ワンハンド・ダンベルエクステンション

このように、さまざまな方法でネガティブをトレーニングに採り入れることが可能である。ただしネガティブは強烈な刺激であるため、オーバーワークになりやすい諸刃の剣でもある。ネガティブは無闇に行うのではなく、必要十分な刺激を与えるための一手段として、上手にプログラムに取り入れてほしい。

(理論編を読む)

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  • 目  的:筋肥大・筋力増強、腱の強化
  • メリット:効率的に筋肥大・筋力を起こすとともに腱も強化できる

理論編ではネガティブの有効性について解説した。今回の実践編ではネガティブの具体的な方法について紹介していこう。

■コントロールしながらゆっくり下ろせ

もっとも一般的なのは「ゆっくり下ろす」方法だ。ベンチプレスではバーを下ろす時、スクワットではしゃがむ時に、ゆっくりと行うのである。エクササイズの可動域にもよるが、だいたい4~5秒をかけてコントロールしながら下ろすようにするといいだろう。

逆にポジティブの時は、一気に挙げるようにする。ポジティブで一気に挙げることにより、多くのモーターユニットを動員できる。モーターユニットとは「1本の神経と、それが支配する筋繊維群」のことだ。つまり多くのモーターユニットを動員できるということは、多くの神経と筋繊維群を刺激できる、ということになるわけである。

このように「ゆっくりとコントロールしながら下ろし、一気に挙げる」ことが、トレーニングの効果を高めるコツである。

ベンチプレス(ネガティブ局面を意識)

スクワット(ネガティブ局面を意識)

■チーティングを使ったネガティブを試せ

理論編で解説した通り、ネガティブではポジティブよりも強い力を出すことができる。つまりポジティブで疲労困憊した状態になっても、ネガティブならまだ数レップス行うことが可能だ。

そこで次のような方法を試してみよう。EZバーカールを普通に行い、6レップスやったところで挙がらなくなったとする。そこでチーティングを使って上まで持ち上げ、下ろすときはゆっくりとコントロールしながら下ろすのだ。これを数レップス行い、下ろすときにコントロールできず、重力に任せてヒジが伸びてしまうようになったら、そこでセット終了とするのである。

他にサイドレイズやワンハンド・ダンベルロウイングなどチーティングを行いやすいエクササイズでは、この方法により容易に追い込むことが可能となる。

EZバーカール

もちろんチーティングではなく、パートナーによるフォーストレップスでこれを行うことも可能だ。ベンチプレスやスクワットでは、チーティングが行いにくい。このようなエクササイズの場合、ポジティブで限界になった時点でパートナーがフォーストレップスを行って持ち上げるのを手伝う。そして下ろすときは自力で下ろすようにするのである。

ベンチプレス(フォーストレップス)

スクワット(フォーストレップス)

また例えばチンニングやディップスの場合、台などを使ってジャンプしてトップポジションに持って行き、下ろす時だけゆっくりとコントロールして行うという方法もある。

チンニング

ディップス

なおポジティブで限界になってからネガティブを行うのではなく、いきなり最初からチーティングやパートナーのサポートを利用してポジティブを行い(ポジティブでは力をあまり使わない)、ネガティブだけ意識してゆっくり行う方法もある。これを「ピュアネガティブ」あるいは「ネガティブオンリー」と呼ぶ。非常に強い刺激が与えられるため、超上級者向けの方法である。

■上級者はフォーストネガティブにチャレンジ

ポジティブに比べ、ネガティブでは高重量を扱うことができる。ベンチプレスのマックスが100kgのウォリアーの場合、120kg~130kgくらいならば「ゆっくりと下ろす」ことができるはずだ。これを利用した方法が「フォーストネガティブ」である。

80kgでベンチプレスのセットを組むとしよう。挙げるときは普通に行う。しかし下ろすときにパートナーが上からバーを押さえつけるのである。バーの総重量は100kgを軽く超えるだろう。それに対抗しながら、ゆっくりと下ろしていくのである。この方法を「フォーストネガティブ」と呼ぶ。

ベンチプレス(フォーストネガティブ)

バーベルカール(フォーストネガティブ)

■一人で行うネガティブエクササイズ

マシンによるエクササイズの場合、両腕あるいは両脚で挙げ、片腕あるいは片脚で下ろすという方法もある。例えばレッグカールの場合、ポジティブは両脚で挙げ、ネガティブは片脚で下ろすのである。

レッグカール(ネガティブ)

ワンハンド・ダンベルエクステンションだったらダンベルを持った方の腕の手首を逆の手でつかみ、両腕で挙げて片腕で下ろす。

ワンハンド・ダンベルエクステンション

このように、さまざまな方法でネガティブをトレーニングに採り入れることが可能である。ただしネガティブは強烈な刺激であるため、オーバーワークになりやすい諸刃の剣でもある。ネガティブは無闇に行うのではなく、必要十分な刺激を与えるための一手段として、上手にプログラムに取り入れてほしい。

(理論編を読む)