体重・筋量UP
長かったシーズンも終わり、これからオフに入る。これまで以上にデカく、強くなって次のシーズンに備えたい。
しかし、ただデカくなれば良いのか? それは違う。増やしたいのは筋肉だ。体脂肪ではない。純粋な筋肉だけでデカくなるには、どうすれば良いのだろう。
筋肉が増えるときは、筋タンパクが合成される。このときに「mTOR」と呼ばれるシグナル伝達系が活性化する。そしてmTORの上流で働くのが、IGF-1やインスリン、成長ホルモン、男性ホルモンなどだ。
トレーニングによって、筋肉からはIGF-1と呼ばれる成長因子が分泌される。IGF-1はmTORを活性化して筋タンパクを合成し、筋肉を増やそうと働く。成長期には筋肉や骨、内臓など身体の様々な部位が大きくなるが、これは成長ホルモンがmTORを活性化して、身体のさまざまな部位のタンパク合成を高めるからだ。また男性は女性よりも筋肉が多いが、これは男性ホルモンがmTORを活性化して筋タンパクの合成を高めるからだ。
とりわけ強力な作用を誇るのがインスリンだ。ガッツリ食事をすることで、大量のインスリンが分泌される。これがmTORを強く刺激して活性化し、筋肉を増やしてくれる。デカくなりたければ食え、と言われるのはこういう理由なのである。
インスリンの働きはそれだけではない。食事で摂取した糖質やアミノ酸を筋細胞内に送り込む作用を担っているのだ。インスリンが分泌されないと、せっかく摂取した栄養を体内に取り込むことができない。またインスリンはグリコーゲンの合成時にも活躍し、回復を促進する作用もある。
しかし、インスリンにはデメリットもある。その最たるものが、体脂肪の増加も促してしまうことだ。インスリンは糖質やアミノ酸を筋細胞内に送り込むだけでなく、脂肪酸を脂肪細胞に送り込み、体脂肪を増やす働きも担っているのである。
ここでインスリン・ヒエラルヒーについて解説しよう。といっても難しいものではない。インスリンが働くのは「筋肉」と「肝臓」、そして「脂肪」である。通常の場合、インスリンは最初に筋肉に働き、次に肝臓に働き、最後に脂肪に働く。この順番をインスリン・ヒエラルヒーと呼ぶのである。
インスリンの働きやすさを「インスリン感受性」と呼ぶ。つまり筋肉はインスリン感受性が高く、脂肪は感受性が低い。だから通常はそう簡単に体脂肪が増えることはない。しかし、あまりに多くカロリーを摂取して大量にインスリンが分泌されてしまうと、インスリン・ヒエラルヒーが意味をなさなくなる。順番に関係なく、脂肪にもインスリンが働いてしまうわけだ。こうなると、簡単に体脂肪が増えてしまう。
そこで重要なのが、筋肉のインスリン感受性を高めることだ。筋肉が大量にインスリンを呼び込んでくれれば、脂肪に向かうインスリンが減ることになる。
インスリン感受性を高めてくれる栄養素、その真っ先にくるのが「αリポ酸」である。αリポ酸はミトコンドリアの機能を高めたり、インスリンの働きを悪くするChemerinの分泌を減らしたりすることによって、インスリン感受性を改善してくれるのである。(※1, ※2)
またαリポ酸には活性酸素を除去してくれる作用も期待できる。それ自体に抗酸化作用があるだけでなく、ビタミンCやグルタチオンに作用してビタミンEのリサイクルを促進して細胞膜を守ったり、鉄イオンをキレートしたりすることによって抗酸化作用を発揮してくれるのだ。(※3, ※4)
なおαリポ酸はクレアチンとの相性が良い。クレアチンが筋肉に取り込まれるときにはインスリンを必要とする。このとき、αリポ酸を同時に摂取していると、クレアチン摂取の効率が良くなるというわけだ。詳しくは次の記事を参考にして欲しい。
αリポ酸の多彩な働き
https://www.dnszone.jp/magazine/2013/1101-018.php
長かったシーズンも終わり、これからオフに入る。これまで以上にデカく、強くなって次のシーズンに備えたい。
しかし、ただデカくなれば良いのか? それは違う。増やしたいのは筋肉だ。体脂肪ではない。純粋な筋肉だけでデカくなるには、どうすれば良いのだろう。
筋肉が増えるときは、筋タンパクが合成される。このときに「mTOR」と呼ばれるシグナル伝達系が活性化する。そしてmTORの上流で働くのが、IGF-1やインスリン、成長ホルモン、男性ホルモンなどだ。
トレーニングによって、筋肉からはIGF-1と呼ばれる成長因子が分泌される。IGF-1はmTORを活性化して筋タンパクを合成し、筋肉を増やそうと働く。成長期には筋肉や骨、内臓など身体の様々な部位が大きくなるが、これは成長ホルモンがmTORを活性化して、身体のさまざまな部位のタンパク合成を高めるからだ。また男性は女性よりも筋肉が多いが、これは男性ホルモンがmTORを活性化して筋タンパクの合成を高めるからだ。
とりわけ強力な作用を誇るのがインスリンだ。ガッツリ食事をすることで、大量のインスリンが分泌される。これがmTORを強く刺激して活性化し、筋肉を増やしてくれる。デカくなりたければ食え、と言われるのはこういう理由なのである。
インスリンの働きはそれだけではない。食事で摂取した糖質やアミノ酸を筋細胞内に送り込む作用を担っているのだ。インスリンが分泌されないと、せっかく摂取した栄養を体内に取り込むことができない。またインスリンはグリコーゲンの合成時にも活躍し、回復を促進する作用もある。
しかし、インスリンにはデメリットもある。その最たるものが、体脂肪の増加も促してしまうことだ。インスリンは糖質やアミノ酸を筋細胞内に送り込むだけでなく、脂肪酸を脂肪細胞に送り込み、体脂肪を増やす働きも担っているのである。
ここでインスリン・ヒエラルヒーについて解説しよう。といっても難しいものではない。インスリンが働くのは「筋肉」と「肝臓」、そして「脂肪」である。通常の場合、インスリンは最初に筋肉に働き、次に肝臓に働き、最後に脂肪に働く。この順番をインスリン・ヒエラルヒーと呼ぶのである。
インスリンの働きやすさを「インスリン感受性」と呼ぶ。つまり筋肉はインスリン感受性が高く、脂肪は感受性が低い。だから通常はそう簡単に体脂肪が増えることはない。しかし、あまりに多くカロリーを摂取して大量にインスリンが分泌されてしまうと、インスリン・ヒエラルヒーが意味をなさなくなる。順番に関係なく、脂肪にもインスリンが働いてしまうわけだ。こうなると、簡単に体脂肪が増えてしまう。
そこで重要なのが、筋肉のインスリン感受性を高めることだ。筋肉が大量にインスリンを呼び込んでくれれば、脂肪に向かうインスリンが減ることになる。
インスリン感受性を高めてくれる栄養素、その真っ先にくるのが「αリポ酸」である。αリポ酸はミトコンドリアの機能を高めたり、インスリンの働きを悪くするChemerinの分泌を減らしたりすることによって、インスリン感受性を改善してくれるのである。(※1, ※2)
またαリポ酸には活性酸素を除去してくれる作用も期待できる。それ自体に抗酸化作用があるだけでなく、ビタミンCやグルタチオンに作用してビタミンEのリサイクルを促進して細胞膜を守ったり、鉄イオンをキレートしたりすることによって抗酸化作用を発揮してくれるのだ。(※3, ※4)
なおαリポ酸はクレアチンとの相性が良い。クレアチンが筋肉に取り込まれるときにはインスリンを必要とする。このとき、αリポ酸を同時に摂取していると、クレアチン摂取の効率が良くなるというわけだ。詳しくは次の記事を参考にして欲しい。
αリポ酸の多彩な働き
https://www.dnszone.jp/magazine/2013/1101-018.php