体重・脂肪DOWN
一般的には体脂肪を燃焼させるために有酸素運動を行うことが推奨されている。しかし有酸素運動を行うことで「遅筋の割合を増やす」「女性ホルモンやコルチゾルのレベルを上げる」「テストステロンレベルを下げる」「脱共役タンパク(UCP)を減らしてしまい、代謝を下げる」などの悪影響が起こり得る。
実際に「ストレングストレーニングのみ」と「ストレングストレーニング+有酸素運動」とで比較したところ、有酸素運動を同時に行うことでパワー向上効果や筋肥大効果が減少することがメタ分析により分かっている。(※1)
そこで推奨したいのがHIITだ。これはHigh Intensity Interval Trainingの略で、無酸素運動と有酸素運動を組み合わせたようなトレーニング法である。HIITにおける最も有名なプロトコルが「タバタ式」であり、具体的には次のように行う。
しかしこれは見るからにキツイ。もともとオリンピック選手のために考え出された方法だから当然だ。そこで、これをもっと一般向けにした方法が2009年に発表された。
オリジナルは「全力:軽く」の割合が2:1なのに対し、こちらは4:5なので、だいぶ楽になるはずだ。そのかわり、全体としての運動時間は長くなる。 この方法で7名の男性を対象に、2週間の間に6回のセッションを行った研究がある。その結果、ミトコンドリアが増加してPGC-1αが活性化、長寿遺伝子として知られるSIRT1も活性化し、さらにGLUT4が増加して筋グリコーゲンも増加(インスリン感受性向上)していた。(※2)
なお、さらに楽な方法として「8秒間のダッシュ⇔12秒間軽く」を20分に渡って行う方法が体脂肪減少に大きな効果を示している。(※3, ※4)
このプロトコルと普通の有酸素運動(最大酸素摂取量の60%で40分間のエアロバイク)を比較した結果、HIITの方が多くの皮下脂肪(2.5kg)を減らすことができ、特に腹部の脂肪が大幅に減少している。
なおウェイトトレーニングと同じ日に有酸素運動を行うウォリアーがほとんどだと思われる。前述の通り有酸素運動はウェイトトレーニングの効果を減じる可能性があるが、HIITの場合はその心配はいらないようだ。(※5)
またHIITは有酸素運動と違って強度が高いため、CRF(副腎皮質ホルモン刺激ホルモン放出ホルモン)が放出されやすく、食欲の抑制を起こし、それも体脂肪低下に関わってくるようだ。(※3) さらに心臓血管系や自律神経における改善も起こるようである。(※6)
全力での運動としてはダッシュが代表的だが、場所がない場合はバーピーなどでも構わないし、ジャンピングスクワットでもいい。できればエアロバイクのように下肢だけを使うエクササイズではなく、ステアクライマーのように上肢も使うエクササイズがいいだろう。
緩やかな運動としては、軽くジョグしたり歩き回ったりするだけでいい。長時間を要する有酸素運動と違い、HIITは5分から長くても20分で終えることができる。競技アスリートだけでなく、体脂肪を減らして絞り切りたいウォリアーにも強く勧めたい。
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一般的には体脂肪を燃焼させるために有酸素運動を行うことが推奨されている。しかし有酸素運動を行うことで「遅筋の割合を増やす」「女性ホルモンやコルチゾルのレベルを上げる」「テストステロンレベルを下げる」「脱共役タンパク(UCP)を減らしてしまい、代謝を下げる」などの悪影響が起こり得る。
実際に「ストレングストレーニングのみ」と「ストレングストレーニング+有酸素運動」とで比較したところ、有酸素運動を同時に行うことでパワー向上効果や筋肥大効果が減少することがメタ分析により分かっている。(※1)
そこで推奨したいのがHIITだ。これはHigh Intensity Interval Trainingの略で、無酸素運動と有酸素運動を組み合わせたようなトレーニング法である。HIITにおける最も有名なプロトコルが「タバタ式」であり、具体的には次のように行う。
しかしこれは見るからにキツイ。もともとオリンピック選手のために考え出された方法だから当然だ。そこで、これをもっと一般向けにした方法が2009年に発表された。
オリジナルは「全力:軽く」の割合が2:1なのに対し、こちらは4:5なので、だいぶ楽になるはずだ。そのかわり、全体としての運動時間は長くなる。 この方法で7名の男性を対象に、2週間の間に6回のセッションを行った研究がある。その結果、ミトコンドリアが増加してPGC-1αが活性化、長寿遺伝子として知られるSIRT1も活性化し、さらにGLUT4が増加して筋グリコーゲンも増加(インスリン感受性向上)していた。(※2)
なお、さらに楽な方法として「8秒間のダッシュ⇔12秒間軽く」を20分に渡って行う方法が体脂肪減少に大きな効果を示している。(※3, ※4)
このプロトコルと普通の有酸素運動(最大酸素摂取量の60%で40分間のエアロバイク)を比較した結果、HIITの方が多くの皮下脂肪(2.5kg)を減らすことができ、特に腹部の脂肪が大幅に減少している。
なおウェイトトレーニングと同じ日に有酸素運動を行うウォリアーがほとんどだと思われる。前述の通り有酸素運動はウェイトトレーニングの効果を減じる可能性があるが、HIITの場合はその心配はいらないようだ。(※5)
またHIITは有酸素運動と違って強度が高いため、CRF(副腎皮質ホルモン刺激ホルモン放出ホルモン)が放出されやすく、食欲の抑制を起こし、それも体脂肪低下に関わってくるようだ。(※3) さらに心臓血管系や自律神経における改善も起こるようである。(※6)
全力での運動としてはダッシュが代表的だが、場所がない場合はバーピーなどでも構わないし、ジャンピングスクワットでもいい。できればエアロバイクのように下肢だけを使うエクササイズではなく、ステアクライマーのように上肢も使うエクササイズがいいだろう。
緩やかな運動としては、軽くジョグしたり歩き回ったりするだけでいい。長時間を要する有酸素運動と違い、HIITは5分から長くても20分で終えることができる。競技アスリートだけでなく、体脂肪を減らして絞り切りたいウォリアーにも強く勧めたい。
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