競技パフォーマンスUP

Part 70 回旋力を鍛えるケーブル・プッシュプル

Part 70 「回旋力を鍛えるケーブル・プッシュプル」

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Part 70 回旋力を鍛えるケーブル・プッシュプル

Part 70 「回旋力を鍛えるケーブル・プッシュプル」

  • 目  的:上体を捻る回旋力を発達させる
  • メリット:細かく負荷を調節でき、スピーディな動作も可能。全身を連動させた刺激を与えることができる。

上体を捻る動きは競技の中に数多く見受けられる。そのため、ローテーショナル・スクワットやローテーショナル・オーバーヘッドプレスなどが行われることもあるが、これらは動作学習という意味はあっても、ダイレクトに回旋させる筋力を強化する動きではない。

では、回旋力を鍛えるにはどのような運動が良いのだろうか。ロシアンツィストやメディシンボールによるサイドトスなどが一般的に行われているが、今回は別のエクササイズを紹介していこう。

「パンチ力の源は背中の筋肉だ」と言われる。だがこの言葉を不自然に感じるウォリアーも多いだろう。パンチを出すときには三角筋前部や上腕三頭筋が主に使われているように見えるからだ。
しかし、それはパンチを出す側の腕だけ見ているからである。実際にパンチを出すときは、足を使って地面を強く蹴り、上体を回旋させて下半身の力を上体に伝え、腕を前方に強く突き出していく。右腕でパンチするときには、左腕を強く後ろに引き、上体を回旋させることが必要となるのだ。
この「腕を強く後ろに引く」ときに、背中の筋肉が使われるわけである。

ピッチャーや投擲選手が投げるとき、バッターやゴルファーがスイングするとき、バレーボールでスパイクするときなどにも同じことが言える。身体を捻る動きを強化したければ、前方に突き出す側だけでなく、逆側を後方に引きつける出力も同時に高める必要があるのである。

このため、広背筋や僧帽筋をターゲットとしたワンハンド・ダンベルロウイングのようなエクササイズが有効となってくる。ここでは連動性が重要となってくるため、広背筋や僧帽筋だけをアイソレートさせるような丁寧な動きでやる必要はない。脚を含めた全身の力を使い、反動とSSCを使って高重量を扱うようにしていきたい。


■回旋力強化のためのワンハンド・ダンベルロウイング

  • 1. ベンチに片手を起き、逆の手でダンベルを握る。上体は30度程度に前傾させ、両脚を軽く曲げておく。
  • 2. 両足を伸ばすと同時に、一気にダンベルを引きつける。上体の角度は変えず、30度を保つ。このとき、ベンチに付いた手をベンチに思いっきり押し付けるように力を入れる。
  • 3. 肩甲骨を寄せ、上体の回旋を意識してダンベルを上まで引き切ったら、重力に任せてダンベルを下ろす。このとき脚を軽く曲げていき、ベンチに付いた手の力は緩める。
  • 4. ダンベルがボトムポジションまで来たら、SSCの要領でゴムが伸び縮みするような感じ で引き上げる。これを繰り返す。

引き付ける動きだけでなく、プッシュする側の動きにも強く負荷を加える方法がある。それが「ケーブル・プッシュプル」だ。

■ケーブル・プッシュプルのやり方

  • 1. ケーブルマシンの中央に立ち、片方のプーリーを高い位置、逆側のプーリーを低い位置に設定する。つま先は低いプーリーのほうを向ける。
  • 2. 上体を回旋させつつ、高いプーリーのハンドルを下に押し下げ、低いプーリーのハンドルをロウイングの要領で引きつける。
  • 3. 片側が終わったら、逆側も同回数を行う。
  • 4. 動作は爆発的・スピーディに行うこと。また高いプーリーの重量は低いプーリーの40~50%程度を目安とする。

ケーブル・プッシュプルは押し出す動きと引き付ける動きを同時に行うことができ、また両者の使用重量も細かく設定することができる。ジムにケーブルマシンがある場合はぜひ試して欲しい。

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  • 目  的:上体を捻る回旋力を発達させる
  • メリット:細かく負荷を調節でき、スピーディな動作も可能。全身を連動させた刺激を与えることができる。

上体を捻る動きは競技の中に数多く見受けられる。そのため、ローテーショナル・スクワットやローテーショナル・オーバーヘッドプレスなどが行われることもあるが、これらは動作学習という意味はあっても、ダイレクトに回旋させる筋力を強化する動きではない。

では、回旋力を鍛えるにはどのような運動が良いのだろうか。ロシアンツィストやメディシンボールによるサイドトスなどが一般的に行われているが、今回は別のエクササイズを紹介していこう。

「パンチ力の源は背中の筋肉だ」と言われる。だがこの言葉を不自然に感じるウォリアーも多いだろう。パンチを出すときには三角筋前部や上腕三頭筋が主に使われているように見えるからだ。
しかし、それはパンチを出す側の腕だけ見ているからである。実際にパンチを出すときは、足を使って地面を強く蹴り、上体を回旋させて下半身の力を上体に伝え、腕を前方に強く突き出していく。右腕でパンチするときには、左腕を強く後ろに引き、上体を回旋させることが必要となるのだ。
この「腕を強く後ろに引く」ときに、背中の筋肉が使われるわけである。

ピッチャーや投擲選手が投げるとき、バッターやゴルファーがスイングするとき、バレーボールでスパイクするときなどにも同じことが言える。身体を捻る動きを強化したければ、前方に突き出す側だけでなく、逆側を後方に引きつける出力も同時に高める必要があるのである。

このため、広背筋や僧帽筋をターゲットとしたワンハンド・ダンベルロウイングのようなエクササイズが有効となってくる。ここでは連動性が重要となってくるため、広背筋や僧帽筋だけをアイソレートさせるような丁寧な動きでやる必要はない。脚を含めた全身の力を使い、反動とSSCを使って高重量を扱うようにしていきたい。


■回旋力強化のためのワンハンド・ダンベルロウイング

  • 1. ベンチに片手を起き、逆の手でダンベルを握る。上体は30度程度に前傾させ、両脚を軽く曲げておく。
  • 2. 両足を伸ばすと同時に、一気にダンベルを引きつける。上体の角度は変えず、30度を保つ。このとき、ベンチに付いた手をベンチに思いっきり押し付けるように力を入れる。
  • 3. 肩甲骨を寄せ、上体の回旋を意識してダンベルを上まで引き切ったら、重力に任せてダンベルを下ろす。このとき脚を軽く曲げていき、ベンチに付いた手の力は緩める。
  • 4. ダンベルがボトムポジションまで来たら、SSCの要領でゴムが伸び縮みするような感じ で引き上げる。これを繰り返す。

引き付ける動きだけでなく、プッシュする側の動きにも強く負荷を加える方法がある。それが「ケーブル・プッシュプル」だ。

■ケーブル・プッシュプルのやり方

  • 1. ケーブルマシンの中央に立ち、片方のプーリーを高い位置、逆側のプーリーを低い位置に設定する。つま先は低いプーリーのほうを向ける。
  • 2. 上体を回旋させつつ、高いプーリーのハンドルを下に押し下げ、低いプーリーのハンドルをロウイングの要領で引きつける。
  • 3. 片側が終わったら、逆側も同回数を行う。
  • 4. 動作は爆発的・スピーディに行うこと。また高いプーリーの重量は低いプーリーの40~50%程度を目安とする。

ケーブル・プッシュプルは押し出す動きと引き付ける動きを同時に行うことができ、また両者の使用重量も細かく設定することができる。ジムにケーブルマシンがある場合はぜひ試して欲しい。