体重・脂肪DOWN
シーズンが終わり、ホッと一息つきたいこの季節。秋から冬にかけては体温の低下を防ぐために、体脂肪を増やして熱の放散を防ごうとする働きが高まる。そのため、食欲が増加しがちである。
しかし、実は夏よりも冬のほうが身体を絞るのに適しているのだ。それはなぜか。
冬は体温をキープするために、身体は熱を産生しようとする。このときに褐色脂肪組織が活性化され、基礎代謝が高まるのである。つまり何もしなくても自然に消費されていくカロリーが増加するというわけだ。
褐色脂肪組織とは何か。私たちは寒さを感じると筋肉が震えることによって、体温をキープする。これを「ふるえ熱産生」と呼ぶ。感染時に身体が震えるのも、この仕組みによるものだ。これとは別に、ふるえを伴わない方法で体温をキープする方法もあり、それを「非ふるえ熱産生」と呼ぶ。これを引き起こすのが褐色脂肪組織である。
エネルギーであるATPを合成するときには「ムダ」が生じるのだが、そのときに熱が発生する。この熱を利用して、体温のキープに役立てているのだ。褐色脂肪組織にはUCP-1というタンパク質が多く存在し、これがATP合成時における「ムダ」を増やすことにより、体温を高めているのである。なお最近では筋肉も「非ふるえ熱産生」に関わっているという説が出てきている。(※1)
実際に日本で行われた研究では、6週間に渡って毎日2時間、外気温17度のところで過ごしただけで、体脂肪を減らすことができている。また同じチームが行ったオランダでの研究では15度のところで毎日6時間、10日間に渡って過ごしたところ、褐色脂肪組織が増加して体熱産生が増加し、非ふるえ体熱産生は30%まで増えたとのことだ。(※2)
夏より冬のほうが身体を絞りやすいことは、もう分かってもらえただろう。では、さらに効果的に絞っていく方法をこれから紹介していこう。
褐色脂肪組織が熱を発生するためには、ミトコンドリアでスムーズにATPが合成されなければならない。このときに必要となるのがCoQ10である。ATPが作られるときは、「複合体」の間を電子が行き来する。この「電子の受け渡し」に、CoQ10が必要となるのだ。
体内でコレステロールが合成されるとき、その副産物としてCoQ10が生産される。しかし加齢に伴って体内でのCoQ10合成量は低下していき、例えば心臓におけるCoQ10の量は20歳のときを100%とすると、40歳では68.2%、80歳では42.9%になってしまう。(※3,※4)
逆に言えば、年を取ってもCoQ10を外部から摂取することによってATPの合成を若いころと同じように保ち、エネルギーの高い状態をキープできるわけだ。100名のベテラントレーニーにCoQ10を6週間に渡って摂取させたところ、非摂取群と比べて2.5%のパワーアップが起こったという報告もある。(※5)
CoQ10を摂取することでATPの合成、そして褐色脂肪組織における熱産生をスムーズに引き起こし、エネルギーアップと脂肪燃焼の増大を期待することができる。
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冬は体温をキープするために、身体は熱を産生しようとする。このときに褐色脂肪組織が活性化され、基礎代謝が高まるのである。つまり何もしなくても自然に消費されていくカロリーが増加するというわけだ。
褐色脂肪組織とは何か。私たちは寒さを感じると筋肉が震えることによって、体温をキープする。これを「ふるえ熱産生」と呼ぶ。感染時に身体が震えるのも、この仕組みによるものだ。これとは別に、ふるえを伴わない方法で体温をキープする方法もあり、それを「非ふるえ熱産生」と呼ぶ。これを引き起こすのが褐色脂肪組織である。
エネルギーであるATPを合成するときには「ムダ」が生じるのだが、そのときに熱が発生する。この熱を利用して、体温のキープに役立てているのだ。褐色脂肪組織にはUCP-1というタンパク質が多く存在し、これがATP合成時における「ムダ」を増やすことにより、体温を高めているのである。なお最近では筋肉も「非ふるえ熱産生」に関わっているという説が出てきている。(※1)
実際に日本で行われた研究では、6週間に渡って毎日2時間、外気温17度のところで過ごしただけで、体脂肪を減らすことができている。また同じチームが行ったオランダでの研究では15度のところで毎日6時間、10日間に渡って過ごしたところ、褐色脂肪組織が増加して体熱産生が増加し、非ふるえ体熱産生は30%まで増えたとのことだ。(※2)
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体内でコレステロールが合成されるとき、その副産物としてCoQ10が生産される。しかし加齢に伴って体内でのCoQ10合成量は低下していき、例えば心臓におけるCoQ10の量は20歳のときを100%とすると、40歳では68.2%、80歳では42.9%になってしまう。(※3,※4)
逆に言えば、年を取ってもCoQ10を外部から摂取することによってATPの合成を若いころと同じように保ち、エネルギーの高い状態をキープできるわけだ。100名のベテラントレーニーにCoQ10を6週間に渡って摂取させたところ、非摂取群と比べて2.5%のパワーアップが起こったという報告もある。(※5)
CoQ10を摂取することでATPの合成、そして褐色脂肪組織における熱産生をスムーズに引き起こし、エネルギーアップと脂肪燃焼の増大を期待することができる。
(後編に続く)
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