体重・筋量UP
ジムで最も人気があるエクササイズといえば、ベンチプレスだろう。高重量のベンチプレスができるウォリアーは、ジム内カーストでも最上位に位置するものだ。
しかし、一部のウォリアーは気づき始めているはずだ。「ベンチプレスは、大胸筋の発達のために最善のエクササイズではない」ということに。
19名のトレーニング経験者を対象に「スミスマシン・ベンチプレス」と「ダンベル・ベンチプレス」「バーベル・ベンチプレス」を行わせた研究がある。その結果、大胸筋の筋活動はダンベル群がもっとも大きく、バーベル群はもっとも筋活動が小さかったのだ。(※1)
また20名のトレーニング経験者を対象にした研究で、やはりベンチプレスをスミスマシンとダンベル、バーベルで行ったところ、上腕三頭筋への刺激はダンベル・ベンチプレスがもっとも少なくなっている。(※2)
解剖学的に考えてみよう。バーベルでベンチプレスを行った場合、トップポジションで両腕は開いた状態となっている。つまり大胸筋を十分に収縮させられていない。しかしダンベルでベンチプレスを行う場合は、挙げるにしたがってダンベルを近づけていけるため、両腕を近づけられ、トップポジションで大胸筋を十分に収縮させられるわけだ。
またダンベルの方がバーベルよりも、軌道を安定させるために労力を使う。そのため、より多くのモーターユニット、より多くのスタビライザーが動員され、多数の筋繊維を刺激することが可能になると考えられる。
さらにダンベル・ベンチプレスで大胸筋の完全収縮ができるようになれば、大胸筋内側の境目をクッキリさせることができる。バーベルでのベンチプレスだけに固執しているウォリアーは、大胸筋内側の境目がぼやけていることが多い。この境目がクッキリしていると、実際の筋肉量以上に大胸筋があるように見せることが可能になるのだ。
なおダンベル・ベンチプレスは使用重量が重くなってくると、スタートポジションに持ってくるまでが大変になる。そこで「ニー・トス」というテクニックが必要となる。膝の上にダンベルを置き、身体を後ろに倒しながらダンベルを蹴り上げ、スタートポジションに持ってくる方法だ。詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。
Part 22 ダンベル・ベンチプレス編
https://www.dnszone.jp/magazine/2013/1101-194.php
形の良い大胸筋を手に入れるためには、上部の発達も必要になる。大胸筋の下部ばかりが発達していると、胸が垂れ下がったように見え、不格好なことこの上ない。鎖骨周辺の上部大胸筋を発達させることによって、リフトアップされた大胸筋を手に入れることができるのだ。
大胸筋上部の重要な機能が、肩関節の「屈曲」である。つまり腕を上に挙げるフロントレイズ的な動きだ。
上部大胸筋を鍛えるときはインクラインで行うことが多いが、それは自然に屈曲の動きになるからである。そのため、インクラインで行う際にはヒジを張って下ろしてはいけない。ヒジを張ると「水平屈曲」となり、刺激が大胸筋中部に移行してしまう。
インクラインで行う場合はヒジを閉じ、ワキを締めた状態から、斜め上に挙げていく意識で行うようにすることが重要である。
さて通常のダンベル・ベンチプレスを行うことで、大胸筋中部や下部の内側境目を刺激することができる。しかし上部の内側境目を刺激するのは、普通にインクライン・ダンベルベンチプレスを行っても、なかなか難しい。そこで上部の内側境目を集中的に刺激する「クローズグリップ・インクラインダンベルベンチプレス」を紹介しよう。
最初はダンベルがフラついてしまってやりにくいかもしれないが、軽めの重量で練習してみよう。上部内側に強烈な収縮感が感じられるようになったら、徐々に重量を増やしていく。
フラットベンチでのダンベル・ベンチプレス。そしてこのクローズグリップ・インクラインダンベルベンチプレスをマスターすれば、高重量のベンチプレスを誇っている奴らよりも、ずっとカッコイイ大胸筋を手に入れられるはずだ。
(Part 78を読む) |
(Part 80を読む) |
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19名のトレーニング経験者を対象に「スミスマシン・ベンチプレス」と「ダンベル・ベンチプレス」「バーベル・ベンチプレス」を行わせた研究がある。その結果、大胸筋の筋活動はダンベル群がもっとも大きく、バーベル群はもっとも筋活動が小さかったのだ。(※1)
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解剖学的に考えてみよう。バーベルでベンチプレスを行った場合、トップポジションで両腕は開いた状態となっている。つまり大胸筋を十分に収縮させられていない。しかしダンベルでベンチプレスを行う場合は、挙げるにしたがってダンベルを近づけていけるため、両腕を近づけられ、トップポジションで大胸筋を十分に収縮させられるわけだ。
またダンベルの方がバーベルよりも、軌道を安定させるために労力を使う。そのため、より多くのモーターユニット、より多くのスタビライザーが動員され、多数の筋繊維を刺激することが可能になると考えられる。
さらにダンベル・ベンチプレスで大胸筋の完全収縮ができるようになれば、大胸筋内側の境目をクッキリさせることができる。バーベルでのベンチプレスだけに固執しているウォリアーは、大胸筋内側の境目がぼやけていることが多い。この境目がクッキリしていると、実際の筋肉量以上に大胸筋があるように見せることが可能になるのだ。
なおダンベル・ベンチプレスは使用重量が重くなってくると、スタートポジションに持ってくるまでが大変になる。そこで「ニー・トス」というテクニックが必要となる。膝の上にダンベルを置き、身体を後ろに倒しながらダンベルを蹴り上げ、スタートポジションに持ってくる方法だ。詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。
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大胸筋上部の重要な機能が、肩関節の「屈曲」である。つまり腕を上に挙げるフロントレイズ的な動きだ。
上部大胸筋を鍛えるときはインクラインで行うことが多いが、それは自然に屈曲の動きになるからである。そのため、インクラインで行う際にはヒジを張って下ろしてはいけない。ヒジを張ると「水平屈曲」となり、刺激が大胸筋中部に移行してしまう。
インクラインで行う場合はヒジを閉じ、ワキを締めた状態から、斜め上に挙げていく意識で行うようにすることが重要である。
さて通常のダンベル・ベンチプレスを行うことで、大胸筋中部や下部の内側境目を刺激することができる。しかし上部の内側境目を刺激するのは、普通にインクライン・ダンベルベンチプレスを行っても、なかなか難しい。そこで上部の内側境目を集中的に刺激する「クローズグリップ・インクラインダンベルベンチプレス」を紹介しよう。
最初はダンベルがフラついてしまってやりにくいかもしれないが、軽めの重量で練習してみよう。上部内側に強烈な収縮感が感じられるようになったら、徐々に重量を増やしていく。
フラットベンチでのダンベル・ベンチプレス。そしてこのクローズグリップ・インクラインダンベルベンチプレスをマスターすれば、高重量のベンチプレスを誇っている奴らよりも、ずっとカッコイイ大胸筋を手に入れられるはずだ。
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