体重・脂肪DOWN
今年もこの季節がやって来た。日ごろ鍛え上げた肉体を、最高の状態で人前にさらす準備は万全だろうか? われわれにとって夏とは、太陽という名のスポットライトの下、鍛え上げた肉体をむき出しにする最高のステージ。デートに夏フェス、BBQ…ウォリアーたる者、バルク(筋量)とディフィニッション(カット)を整え、最高の状態を作り上げ、脱いで、脱いで、脱ぎまくってほしい。
だが、身体を作り上げただけで満足してはいけない。大切な「仕上げ」を忘れてはいないか?
そう、タンニング。日焼けだ。
「なるほど! 夏といえば、海で日焼けってことね」
違う。もしや、白い肌のまま海に行こうとしてはいないか? そんな考えは今すぐ捨ててもらおう。ウォリアーにとって、海とは身体を焼く場所ではまったくない。海はウォリアーが脱ぎまくる至高のステージ。
つまり海に行く時には、すでに黒くあらねばならない。来るべき「ザ・デイ」に向けて身体を鍛えるとともに、タンニングも1人、地道に行ってほしい。
タンニングについて、まず基本からおさらいしよう。ボディビルダーの身体はなぜ黒いのか。いや、黒光りしているのか。彼らがコンテストにあたり、肌を黒くする目的。それは当然ながら、審査員へのアピールだ。
コンテストでは、バルク、プロポーション、ディフィニッション、セパレーション、シンメトリー、ポージングといった要素で評価されるが、肌の色もまた、勝負を左右する重要項目。褐色の肌は鍛え上げた筋肉のカットを引き立て、筋肉の細部を鮮明に見せてくれるからだ。
褐色の肌を手に入れるには、
という3つの方法がある。
(1)はいわゆるセルフタンニング。日焼けクリームを肌に塗るだけで、季節に関係なく褐色の肌が手に入る。(2)は、トレーニングジムや日焼けサロンで手軽に、季節を選ばず身体を焼くことができる。そして(3)のメリットは何といっても、屋外の開放感を感じられることだろう。
(1)のセルフタンニングとは、タンニングクリームを使って皮膚の角質層を染める方法。行い方は簡単だ。黒くしたい部分に塗り、一定の時間で洗い流す。それだけ。普通の日焼けと差がほとんどなく、褐色の肌を作れる。そして乾いてしまえば、べたつくことも特にない。
きれいな褐色の肌に仕上げるためには、繰り返し使うことが大切だ。少しずつ黒くなるので、一般的な日焼けのように失敗することがない。色を保つには、数日に一度クリームを塗る必要がある。だが、日焼けのように肌を傷める心配は無用だ。ちなみにボディビルのコンテストでは、使用が許されている大会と、会場を汚すなどの理由で許されていない大会がある。
そして(2)の、タンニングマシンを使った日焼け。
「天気がよければなるべく外で焼きたい」と思うボディビルダーは多いが、ビルダーパンツ一丁でいることのできる場所は限られる。そのため、マシンを頻繁に使うケースは多い。そして屋外での日焼けでは、赤外線が強すぎたり長時間焼きすぎたりすると、肌に炎症や汗によるムラ焼けが起きることも…。そこで有効なのがタンニングマシンだ。
マシンを選ぶ際に注意したいのが、形状。横になるベッド型マシンは、わき腹部分が焼けにくい。立って入れる縦型のタイプの方が、全身をまんべんなく焼くことができる。
そして忙しいウォリアーでも、タンニングはなるべく時間をかけて行うこと。一度に焼きすぎて全身が赤くなってしまわないように注意したい。
日焼けマシーンで焼いても、肌の黒くなりやすい人とそうでない人の差はある。一度に行いすぎず、徐々に行って肌をなじませていきたい。
ボディビルダーの場合も、例えば弱→中→強と段階的に強度を上げながら、コンテストまで2カ月近くをかけてタンニングを行っていく。肌が弱く日焼けしにくい人でも、あせらずに少しずつ繰り返せば、必ずしっかりと褐色の肌になる。肌への影響を考え、あせらず、15分などの短時間で頻繁に焼くことが望ましい。
ちなみに某メーカーのスキンクリームを焼く前に全身に塗り込むと、より「仕上がる」といわれる。具体的な商品名は伏せるが、興味のある方は調べてほしい。また、例えマシンであっても、皮がむけることは避けられない。最高の状態に仕上がるまでには、何度か皮がむけることも念頭に置きたい。いったん皮がむけ、その上からまた日焼けすると、肌に色がなじんできれいに焼けるともいわれている。
次に(3)の、自然光による日焼け。「美白の大敵」「シミやシワの元」というように、敬遠されがちな日光。特に女性の間では「紫外線=敵」だ。確かに紫外線は生物のDNAを破壊し、肌を老化させるといわれている。紫外線を浴びるならば、皮膚のダメージは避けられない。
しかし!
生物が生きるために、太陽光はとても大切なものだ。光に当たることは骨格の強化や心地よい眠り、細胞の活性化や免疫力の向上といった効果があることも、忘れてはならない。
太陽光に当たると、セロトニンというホルモンが体内で分泌される。セロトニンには精神をリラックスさせ、筋肉や関節の痛みを和らげる作用がある。そして代謝をつかさどり、カルシウムの吸収を促進。病気に対する免疫力を向上させる。
つまり、太陽光は生命の源。適度に太陽光を浴びることは、われわれの身体に大きな活力を与えてくれることを、忘れてはならない。
そして、自然光でのタンニングの行い方は人それぞれ。ここでは株式会社ドームのタンニングマスター、営業企画第三部長・上棚洋に話を聞いた。
「褐色の肌は健康的で、カッコいいじゃないですか(笑)。だから年間を通じて、週末の午前に自宅のベランダで焼いています。冬でも、ちゃんと焼けますよ。キャンプなどで使うシルバーのマットをデッキチェアにかぶせ、そこに座って1時間から2時間、仕事をしながら焼くんです。そうすると、真冬でもジリジリ来ます。
僕は日焼けサロンにはめったに行きません。人によると思いますが、僕の場合、褐色に仕上げるなら太陽光(笑)。なるべく天然の光で焼くことにこだわっています。せっかく太陽があるのに、お金をかけて日焼けサロンで身体を焼くのは気が進まないし、それなら、プロテインにお金を使いたいので(笑)。
自然光の下で焼く時は、焼けムラが出ないように身体の位置を時々変え、まんべんなく焼くように心がけています。そして汗やオイルが焼けムラを生むので、10分に一度ぐらい肌をなじませています。そして、日焼け後の肌の手入れもしっかりと。風呂を上がったら、濡れたままベビーオイルを全身に刷り込むと、皮が剥けにくい。これはオススメです」
そしてザ・デイに向けた仕上げとして、忘れてはいけないことがある。
「歯磨きです。色が黒いと白い歯が目立ち、歯が白いと黒い肌が目立ちます。僕は歯ブラシを前歯用、奥歯用、歯の隙間用と合計4本使っています。そして朝晩の歯磨きでは2種類の歯磨き粉を使い、最後はマウスウォッシュで仕上げます」
健康的な白い歯は、褐色の肉体を引き立てる最高のアシスタント。日ごろからきちんとブラッシングして、白い歯を保ちたいところだ。
以上のようにタンニングにおいては、それぞれのやり方にメリットとデメリットがある。ここで挙げた3つの方法のうち1つにこだわるのではなく、季節や肌の調子で上手く使い分けたい。そしてくれぐれも、しっかりとした自己管理のもとで行ってほしい。
Text:
前田成彦
DESIRE TO EVOLUTION編集長(株式会社ドーム コンテンツ企画部所属)。学生~社会人にてアメリカンフットボールを経験。趣味であるブラジリアン柔術の競技力向上、そして学生時代のベンチプレスMAX超えを目標に奮闘するも、誘惑に負け続ける日々を送る。お気に入りのマッスルメイトはホエイSP。
今年もこの季節がやって来た。日ごろ鍛え上げた肉体を、最高の状態で人前にさらす準備は万全だろうか? われわれにとって夏とは、太陽という名のスポットライトの下、鍛え上げた肉体をむき出しにする最高のステージ。デートに夏フェス、BBQ…ウォリアーたる者、バルク(筋量)とディフィニッション(カット)を整え、最高の状態を作り上げ、脱いで、脱いで、脱ぎまくってほしい。
だが、身体を作り上げただけで満足してはいけない。大切な「仕上げ」を忘れてはいないか?
そう、タンニング。日焼けだ。
「なるほど! 夏といえば、海で日焼けってことね」
違う。もしや、白い肌のまま海に行こうとしてはいないか? そんな考えは今すぐ捨ててもらおう。ウォリアーにとって、海とは身体を焼く場所ではまったくない。海はウォリアーが脱ぎまくる至高のステージ。
つまり海に行く時には、すでに黒くあらねばならない。来るべき「ザ・デイ」に向けて身体を鍛えるとともに、タンニングも1人、地道に行ってほしい。
タンニングについて、まず基本からおさらいしよう。ボディビルダーの身体はなぜ黒いのか。いや、黒光りしているのか。彼らがコンテストにあたり、肌を黒くする目的。それは当然ながら、審査員へのアピールだ。
コンテストでは、バルク、プロポーション、ディフィニッション、セパレーション、シンメトリー、ポージングといった要素で評価されるが、肌の色もまた、勝負を左右する重要項目。褐色の肌は鍛え上げた筋肉のカットを引き立て、筋肉の細部を鮮明に見せてくれるからだ。
褐色の肌を手に入れるには、
という3つの方法がある。
(1)はいわゆるセルフタンニング。日焼けクリームを肌に塗るだけで、季節に関係なく褐色の肌が手に入る。(2)は、トレーニングジムや日焼けサロンで手軽に、季節を選ばず身体を焼くことができる。そして(3)のメリットは何といっても、屋外の開放感を感じられることだろう。
(1)のセルフタンニングとは、タンニングクリームを使って皮膚の角質層を染める方法。行い方は簡単だ。黒くしたい部分に塗り、一定の時間で洗い流す。それだけ。普通の日焼けと差がほとんどなく、褐色の肌を作れる。そして乾いてしまえば、べたつくことも特にない。
きれいな褐色の肌に仕上げるためには、繰り返し使うことが大切だ。少しずつ黒くなるので、一般的な日焼けのように失敗することがない。色を保つには、数日に一度クリームを塗る必要がある。だが、日焼けのように肌を傷める心配は無用だ。ちなみにボディビルのコンテストでは、使用が許されている大会と、会場を汚すなどの理由で許されていない大会がある。
そして(2)の、タンニングマシンを使った日焼け。
「天気がよければなるべく外で焼きたい」と思うボディビルダーは多いが、ビルダーパンツ一丁でいることのできる場所は限られる。そのため、マシンを頻繁に使うケースは多い。そして屋外での日焼けでは、赤外線が強すぎたり長時間焼きすぎたりすると、肌に炎症や汗によるムラ焼けが起きることも…。そこで有効なのがタンニングマシンだ。
マシンを選ぶ際に注意したいのが、形状。横になるベッド型マシンは、わき腹部分が焼けにくい。立って入れる縦型のタイプの方が、全身をまんべんなく焼くことができる。
そして忙しいウォリアーでも、タンニングはなるべく時間をかけて行うこと。一度に焼きすぎて全身が赤くなってしまわないように注意したい。
日焼けマシーンで焼いても、肌の黒くなりやすい人とそうでない人の差はある。一度に行いすぎず、徐々に行って肌をなじませていきたい。
ボディビルダーの場合も、例えば弱→中→強と段階的に強度を上げながら、コンテストまで2カ月近くをかけてタンニングを行っていく。肌が弱く日焼けしにくい人でも、あせらずに少しずつ繰り返せば、必ずしっかりと褐色の肌になる。肌への影響を考え、あせらず、15分などの短時間で頻繁に焼くことが望ましい。
ちなみに某メーカーのスキンクリームを焼く前に全身に塗り込むと、より「仕上がる」といわれる。具体的な商品名は伏せるが、興味のある方は調べてほしい。また、例えマシンであっても、皮がむけることは避けられない。最高の状態に仕上がるまでには、何度か皮がむけることも念頭に置きたい。いったん皮がむけ、その上からまた日焼けすると、肌に色がなじんできれいに焼けるともいわれている。
次に(3)の、自然光による日焼け。「美白の大敵」「シミやシワの元」というように、敬遠されがちな日光。特に女性の間では「紫外線=敵」だ。確かに紫外線は生物のDNAを破壊し、肌を老化させるといわれている。紫外線を浴びるならば、皮膚のダメージは避けられない。
しかし!
生物が生きるために、太陽光はとても大切なものだ。光に当たることは骨格の強化や心地よい眠り、細胞の活性化や免疫力の向上といった効果があることも、忘れてはならない。
太陽光に当たると、セロトニンというホルモンが体内で分泌される。セロトニンには精神をリラックスさせ、筋肉や関節の痛みを和らげる作用がある。そして代謝をつかさどり、カルシウムの吸収を促進。病気に対する免疫力を向上させる。
つまり、太陽光は生命の源。適度に太陽光を浴びることは、われわれの身体に大きな活力を与えてくれることを、忘れてはならない。
そして、自然光でのタンニングの行い方は人それぞれ。ここでは株式会社ドームのタンニングマスター、営業企画第三部長・上棚洋に話を聞いた。
「褐色の肌は健康的で、カッコいいじゃないですか(笑)。だから年間を通じて、週末の午前に自宅のベランダで焼いています。冬でも、ちゃんと焼けますよ。キャンプなどで使うシルバーのマットをデッキチェアにかぶせ、そこに座って1時間から2時間、仕事をしながら焼くんです。そうすると、真冬でもジリジリ来ます。
僕は日焼けサロンにはめったに行きません。人によると思いますが、僕の場合、褐色に仕上げるなら太陽光(笑)。なるべく天然の光で焼くことにこだわっています。せっかく太陽があるのに、お金をかけて日焼けサロンで身体を焼くのは気が進まないし、それなら、プロテインにお金を使いたいので(笑)。
自然光の下で焼く時は、焼けムラが出ないように身体の位置を時々変え、まんべんなく焼くように心がけています。そして汗やオイルが焼けムラを生むので、10分に一度ぐらい肌をなじませています。そして、日焼け後の肌の手入れもしっかりと。風呂を上がったら、濡れたままベビーオイルを全身に刷り込むと、皮が剥けにくい。これはオススメです」
そしてザ・デイに向けた仕上げとして、忘れてはいけないことがある。
「歯磨きです。色が黒いと白い歯が目立ち、歯が白いと黒い肌が目立ちます。僕は歯ブラシを前歯用、奥歯用、歯の隙間用と合計4本使っています。そして朝晩の歯磨きでは2種類の歯磨き粉を使い、最後はマウスウォッシュで仕上げます」
健康的な白い歯は、褐色の肉体を引き立てる最高のアシスタント。日ごろからきちんとブラッシングして、白い歯を保ちたいところだ。
以上のようにタンニングにおいては、それぞれのやり方にメリットとデメリットがある。ここで挙げた3つの方法のうち1つにこだわるのではなく、季節や肌の調子で上手く使い分けたい。そしてくれぐれも、しっかりとした自己管理のもとで行ってほしい。