競技パフォーマンスUP
前号ではBCAAの多彩な効果について紹介した。今回はBCAAの効果を確実に得るための方法について解説していこう。
BCAAを摂取した場合、摂取後15~30分で血中レベルが最大になり、それからゆっくりと低下して2時間後には元のレベルに戻る。またBCAAを摂取することにより、メチオニンや芳香族アミノ酸(チロシンやフェニルアラニン、トリプトファン)のレベルが低下する。(※1)BCAAを摂取することで分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体(BCKDC)の活性が上昇するため、それがメチオニンの分解に関わっていると思われる。
芳香族アミノ酸のレベルを下げる機序はよくわかっていないが、集中力を高めるためにチロシンやフェニルアラニンを摂取する場合、BCAAとはタイミングをずらして摂取するようにしたい。プロテインもトリプトファンが含まれるため、BCAAの集中力アップ作用を邪魔してしまう可能性がある。
BCAAは筋肉中でエネルギーとしても使われる。血中から筋肉中に移行するのにもある程度の時間がかかるため、タイミングとしては練習や試合の30~45分くらい前に摂取するといいだろう。短時間で終わる運動ならばそれだけで十分だ。ただし運動が長時間にわたる場合は、運動中のドリンクにBCAAを入れ、少しずつ飲むようにしたい。そうすることで体内のBCAAを常にハイレベルに保つことができる。
なお炭水化物及びカフェインをBCAAと同時に摂取することで、持久力を向上させることができるという報告がある。(※2)
カフェインもBCAAと同じように30分ほどで血中レベルが最大になるため、この二つを運動30分前に同時に摂取するといいだろう。コーヒーと一緒にBCAAを飲むのもお勧めである。
プロテインと同様、BCAAも普通の食事に含まれるため、チビチビ飲んでも効果はない。さまざまな報告から考えて、だいたい体重1kgあたり、0.8g~1.0gは摂取するようにしたい。体重の軽いウォリアーは5g、体重の重いウォリアーは10gを目安に摂取していこう。(※3、※4)
なおBCAAを5g摂取するためには、牛肉にして175gを食べる必要がある。卵なら5個となる。食事やプロテインだと競合するトリプトファンも含まれる問題もあるため、BCAAは単体でサプリメントとして摂取するようにしたい。
アーノルド・シュワルツェネッガーが広告塔となっていたサプリメント会社のプロテインが、ラベルには40g入っていると記載されていたのに、実際に調べてみると19.4gしか入っていなかったと判明し、訴訟になったことがある。
これは悪質な例だが、ラベル通りの成分が入っていないサプリメントは珍しくない。そればかりか、ドーピングチェックで陽性になってしまうような成分が入っていることもある。IOCの調査によれば、蛋白同化ホルモンの含有が記載されていない634個のサプリメントや健康食品の内、約94個(14.8%)に禁止物質である蛋白同化ホルモンが含まれていたと判明している。(※5)
BCAAの本来の効果を得るためにも、そして安全のためにも、国内ISO取得工場で生産された製品を選ぶようにしたい。
BCAA
【1回あたり(5.5g)の栄養価】
エネルギー:22kcal、たんぱく質:5.0g、脂質:0.02g、炭水化物:0.4g、ナトリウム:9mg(食塩相当量:0~0.1g)、L-ロイシン:2,450.0mg、L-バリン:1,375.5mg、L-イソロイシン:1,375.5mg
前号ではBCAAの多彩な効果について紹介した。今回はBCAAの効果を確実に得るための方法について解説していこう。
BCAAを摂取した場合、摂取後15~30分で血中レベルが最大になり、それからゆっくりと低下して2時間後には元のレベルに戻る。またBCAAを摂取することにより、メチオニンや芳香族アミノ酸(チロシンやフェニルアラニン、トリプトファン)のレベルが低下する。(※1)BCAAを摂取することで分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体(BCKDC)の活性が上昇するため、それがメチオニンの分解に関わっていると思われる。
芳香族アミノ酸のレベルを下げる機序はよくわかっていないが、集中力を高めるためにチロシンやフェニルアラニンを摂取する場合、BCAAとはタイミングをずらして摂取するようにしたい。プロテインもトリプトファンが含まれるため、BCAAの集中力アップ作用を邪魔してしまう可能性がある。
BCAAは筋肉中でエネルギーとしても使われる。血中から筋肉中に移行するのにもある程度の時間がかかるため、タイミングとしては練習や試合の30~45分くらい前に摂取するといいだろう。短時間で終わる運動ならばそれだけで十分だ。ただし運動が長時間にわたる場合は、運動中のドリンクにBCAAを入れ、少しずつ飲むようにしたい。そうすることで体内のBCAAを常にハイレベルに保つことができる。
なお炭水化物及びカフェインをBCAAと同時に摂取することで、持久力を向上させることができるという報告がある。(※2)
カフェインもBCAAと同じように30分ほどで血中レベルが最大になるため、この二つを運動30分前に同時に摂取するといいだろう。コーヒーと一緒にBCAAを飲むのもお勧めである。
プロテインと同様、BCAAも普通の食事に含まれるため、チビチビ飲んでも効果はない。さまざまな報告から考えて、だいたい体重1kgあたり、0.8g~1.0gは摂取するようにしたい。体重の軽いウォリアーは5g、体重の重いウォリアーは10gを目安に摂取していこう。(※3、※4)
なおBCAAを5g摂取するためには、牛肉にして175gを食べる必要がある。卵なら5個となる。食事やプロテインだと競合するトリプトファンも含まれる問題もあるため、BCAAは単体でサプリメントとして摂取するようにしたい。
アーノルド・シュワルツェネッガーが広告塔となっていたサプリメント会社のプロテインが、ラベルには40g入っていると記載されていたのに、実際に調べてみると19.4gしか入っていなかったと判明し、訴訟になったことがある。
これは悪質な例だが、ラベル通りの成分が入っていないサプリメントは珍しくない。そればかりか、ドーピングチェックで陽性になってしまうような成分が入っていることもある。IOCの調査によれば、蛋白同化ホルモンの含有が記載されていない634個のサプリメントや健康食品の内、約94個(14.8%)に禁止物質である蛋白同化ホルモンが含まれていたと判明している。(※5)
BCAAの本来の効果を得るためにも、そして安全のためにも、国内ISO取得工場で生産された製品を選ぶようにしたい。
BCAA
【1回あたり(5.5g)の栄養価】
エネルギー:22kcal、たんぱく質:5.0g、脂質:0.02g、炭水化物:0.4g、ナトリウム:9mg(食塩相当量:0~0.1g)、L-ロイシン:2,450.0mg、L-バリン:1,375.5mg、L-イソロイシン:1,375.5mg