競技パフォーマンスUP
勝つための身体を作る時、ウォリアーは通常より多めのたんぱく質を必要とする。しかし、たんぱく質なら何でもいい、というわけではない。そこには「質」の問題があるのだ。
たんぱく質の「質」とは何か。アミノ酸のバランスである。ウォリアーの身体をつくっているアミノ酸は全部で20種類。そのうち9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で合成することができない(残りの11種類は体内で合成可能)。
9種類ある必須アミノ酸のバランスの良否は、「アミノ酸スコア」という数値で示される。アミノ酸スコアが高ければ、それはウォリアーの身体を作るるのに適したたんぱく質だということ。一般的に肉や魚、卵などの動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが高く、豆類や穀類などの植物性たんぱく質はアミノ酸スコアが低いことが多い。
しかしアミノ酸スコアは「身体全体」、つまり骨や内臓、血液、ホルモン、酵素など体内全てのタンパク質を対象として数値が決定される。筋肉に必要なアミノ酸と内臓に必要なアミノ酸とは異なるため、アミノ酸スコアが高いからといって、ただちに筋肉に最適ということにはならない。
ウォリアーならば全身の中でも特に筋肉を重視して考えたいはずだ。そして実は「筋肉に特化したアミノ酸」が存在するということをご存じだろうか。
筋肉に特化したアミノ酸とは「BCAA」である。これはバリンとロイシン、イソロイシンの三種類を指し、分子が枝分かれした構造をしているため、「分岐鎖アミノ酸」とも呼ばれる。では、BCAAの多彩なる作用について紹介していこう。
1.筋合成の促進
ホエイプロテインには多くのBCAAが含まれる。ホエイ摂取量を増量して筋肉中のBCAAを増やしたところ、筋タンパク質の合成が顕著に高まった1。
またホエイではなく少量の必須アミノ酸(BCAAが多い)でも、同様に筋タンパク合成を高めることができた2との報告がある。
2.持久力の向上
炭水化物とBCAA、カフェインを配合したドリンクを飲んで2時間のランニングを行った実験において、通常よりも高いパフォーマンスを発揮することができたとの報告がある3。
また70%VO2maxでサイクリングを行った研究では、BCAA摂取によって運動後の筋ダメージを明らかに抑えることができている4。
特にグリコーゲンが枯渇した状態では、BCAAが脂肪酸の酸化によるエネルギー合成を高めるため、疲労が起こりにくくなるようである5。
3.脂質利用の亢進
40歳から59歳の男女4429名を対象にした調査では、BCAA摂取量が多いと過体重や肥満になりにくい可能性があると示されている6。
また25名のエリートレスラーがダイエットと並行してBCAAを摂取したところ、特に腹部の脂肪を減らすことができたとの報告がある7。
4.集中力をアップさせる
BCAAは脳内のセロトニンレベルが高まるのを防ぎ、精神的な疲労が起こるのを防いでくれる。
5. 回復を促進する
意外に知られていないBCAAの効果が、この回復促進作用だ。まずBCAAは筋ダメージを急速に回復することにより、トレーニングによる筋肉痛を軽減することができる8,9,10。
またBCAAはインスリンの働きを強化することができる。ブドウ糖にホエイプロテインを追加して摂取することにより、エクササイズ後のグリコーゲン回復を促進する作用もあるようだ11,12。
次号ではBCAAの具体的な摂取タイミング、摂取量、選び方などについて紹介していこう。
勝つための身体を作る時、ウォリアーは通常より多めのたんぱく質を必要とする。しかし、たんぱく質なら何でもいい、というわけではない。そこには「質」の問題があるのだ。
たんぱく質の「質」とは何か。アミノ酸のバランスである。ウォリアーの身体をつくっているアミノ酸は全部で20種類。そのうち9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で合成することができない(残りの11種類は体内で合成可能)。
9種類ある必須アミノ酸のバランスの良否は、「アミノ酸スコア」という数値で示される。アミノ酸スコアが高ければ、それはウォリアーの身体を作るるのに適したたんぱく質だということ。一般的に肉や魚、卵などの動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが高く、豆類や穀類などの植物性たんぱく質はアミノ酸スコアが低いことが多い。
しかしアミノ酸スコアは「身体全体」、つまり骨や内臓、血液、ホルモン、酵素など体内全てのタンパク質を対象として数値が決定される。筋肉に必要なアミノ酸と内臓に必要なアミノ酸とは異なるため、アミノ酸スコアが高いからといって、ただちに筋肉に最適ということにはならない。
ウォリアーならば全身の中でも特に筋肉を重視して考えたいはずだ。そして実は「筋肉に特化したアミノ酸」が存在するということをご存じだろうか。
筋肉に特化したアミノ酸とは「BCAA」である。これはバリンとロイシン、イソロイシンの三種類を指し、分子が枝分かれした構造をしているため、「分岐鎖アミノ酸」とも呼ばれる。では、BCAAの多彩なる作用について紹介していこう。
1.筋合成の促進
ホエイプロテインには多くのBCAAが含まれる。ホエイ摂取量を増量して筋肉中のBCAAを増やしたところ、筋タンパク質の合成が顕著に高まった1。
またホエイではなく少量の必須アミノ酸(BCAAが多い)でも、同様に筋タンパク合成を高めることができた2との報告がある。
2.持久力の向上
炭水化物とBCAA、カフェインを配合したドリンクを飲んで2時間のランニングを行った実験において、通常よりも高いパフォーマンスを発揮することができたとの報告がある3。
また70%VO2maxでサイクリングを行った研究では、BCAA摂取によって運動後の筋ダメージを明らかに抑えることができている4。
特にグリコーゲンが枯渇した状態では、BCAAが脂肪酸の酸化によるエネルギー合成を高めるため、疲労が起こりにくくなるようである5。
3.脂質利用の亢進
40歳から59歳の男女4429名を対象にした調査では、BCAA摂取量が多いと過体重や肥満になりにくい可能性があると示されている6。
また25名のエリートレスラーがダイエットと並行してBCAAを摂取したところ、特に腹部の脂肪を減らすことができたとの報告がある7。
4.集中力をアップさせる
BCAAは脳内のセロトニンレベルが高まるのを防ぎ、精神的な疲労が起こるのを防いでくれる。
5. 回復を促進する
意外に知られていないBCAAの効果が、この回復促進作用だ。まずBCAAは筋ダメージを急速に回復することにより、トレーニングによる筋肉痛を軽減することができる8,9,10。
またBCAAはインスリンの働きを強化することができる。ブドウ糖にホエイプロテインを追加して摂取することにより、エクササイズ後のグリコーゲン回復を促進する作用もあるようだ11,12。
次号ではBCAAの具体的な摂取タイミング、摂取量、選び方などについて紹介していこう。