体重・筋量UP

身体作りの基本とは~補食の意義

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身体作りの基本とは~補食の意義

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Bigger and Stronger. 大きく、そして強い身体を作りたい。そのためにどうする?
ウォリアーの肉体は「食べたもの」から作られる。今日食べたものが、明日のウォリアーの肉体となっていくのだ。


■三大栄養素と五大栄養素

では、何をどのように食べれば良いのか。まずは「三大栄養素」について知っておく必要がある。それは「炭水化物(糖質)」と「たんぱく質」、「脂質」のことだ。これにビタミンとミネラルを加えて「五大栄養素」と言うこともある。

参考: 身体と五大栄養素の関係

さて、ウォリアーの肉体を車に例えてみよう。車体はたんぱく質とミネラルによって構成される。糖質と脂質はガソリンだ。そしてビタミンはエンジンオイルとなる。
つまり大きく、強い肉体が欲しかったら、それを構成するたんぱく質とミネラルを十分に摂取しなければならない。
ただし、材料だけあってもダメだ。材料を組立て、車体を構成していくためには、「トレーニング」という製造工程が必要となる。そしてトレーニングを行うためには、糖質と脂質によるエネルギーが必要となる。
ガス欠になったら、車はもう走り続けることはできないのだ。
しかし人間の身体は車と違い、もっと良くできている。人類の長い歴史のなかで、飢餓状態になったことは何度もあるだろう。ガス欠になったからといって、獲物を狩りに行くことができなかったら、ただ座して死を待つだけだ。
そこで人間の身体には、補助エネルギーを作り出す機能が備わった。それを「糖新生」と呼ぶ。


■糖新生と筋肉の関係

糖新生とは乳酸やピルビン酸、アミノ酸、グリセロールなどを材料として、糖質を新しく作り出す代謝のことだ。しかしこの中でも特に材料として使われる割合が高いのが、筋肉から取り出されたアミノ酸である。つまり糖新生が起こると、筋肉が分解されてしまうということになる。
飢餓状態、つまり空腹の時間が長いと、それだけ糖新生も起こりやすくなる。朝食を抜いたりするのは最悪だ。糖新生が起こりまくり、筋肉はどんどん分解されてしまう。
空腹状態でトレーニングするのもダメだ。トレーニング時は当然ながら、多くのエネルギーを必要とする。空腹状態で運動したりしたら、糖新生の亢進は避けられない。筋肉を増やすためにトレーニングしているのに、次々と筋肉が分解されていくというバカバカしい状態に陥ってしまう。
授業が終わって、すぐに部活動をはじめる学生のウォリアーは、このことをよく考えてほしい。昼食を食べてから放課後になるまでには、かなりの時間があるはずだ。部活動中に糖新生が起こってしまっているのではないか?パフォーマンスを高めるために練習しているのに、逆に筋肉が壊されてしまっているのではないか?


■インスリンと体脂肪の関係

インスリンは栄養素を細胞に運び入れるホルモンだ。これが筋肉細胞に働いてくれれば、筋肉に栄養が満ち溢れ、筋肉が増えるわけである。
しかし大量にインスリンが出ると、筋肉細胞だけでなく、脂肪細胞への働きが強くなってしまう。すると、筋肉よりむしろ体脂肪のほうが増えてしまうわけだ。
食事の回数が少ないと、一度に食べる量は必然的に多くなる。食べる量が多ければ、それだけ多くのインスリンが分泌される。つまり食事の回数が少ないと、体脂肪が増えてしまいやすくなるのだ。力士はこれを逆に利用して、一日二食とし、わざと体脂肪を増やしているのである。


■補食という解決策

糖新生を防ぎ、体脂肪が増えるのを防ぐためには、食事の回数を増やすことである。すなわち「補食」だ。一度に食べる量を少なくし、食事回数が多くなれば、空腹となる時間が短くなり、インスリンの大量分泌も起こらない。
朝食を食べる時間がなかったら、バナナとプロテインだけでもいい。糖新生を防ぐためには、なにもたっぷり食べる必要はないのだ。消化の良い炭水化物としてバナナやオニギリ、100%ジュースなど。たんぱく質としてはプロテインやゆで卵などが手軽に持ち運べて便利だろう。
学生のウォリアーだったら、授業が終わったらすぐにオニギリとゆで卵を食べて、それから部活動に行くという流れだ。
しかし、それでもベストではない。本当に糖新生を防ぐためには、一日に三食より四食、四食より五食、五食より六食にしたほうが良いのだ。朝食と昼食の間、昼食と夕食の間、夕食と就寝前の間などにも、軽食を入れるようにしたい。
とは言っても、仕事中にバナナやゆで卵を食べるのは憚られるし、食材を持ち歩くのも手間だろう。またこれが一番重要なことなのだが、「栄養成分として完璧でない」という問題もがある。糖新生を防ぐだけでなく、十分にたんぱく質が確保でき、できればビタミンやミネラルも同時に補給できるような、「完璧な軽食」はないものか。
次号ではその解決策について紹介しよう。

 

(後編に続く)

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Bigger and Stronger. 大きく、そして強い身体を作りたい。そのためにどうする?
ウォリアーの肉体は「食べたもの」から作られる。今日食べたものが、明日のウォリアーの肉体となっていくのだ。


■三大栄養素と五大栄養素

では、何をどのように食べれば良いのか。まずは「三大栄養素」について知っておく必要がある。それは「炭水化物(糖質)」と「たんぱく質」、「脂質」のことだ。これにビタミンとミネラルを加えて「五大栄養素」と言うこともある。

参考: 身体と五大栄養素の関係

さて、ウォリアーの肉体を車に例えてみよう。車体はたんぱく質とミネラルによって構成される。糖質と脂質はガソリンだ。そしてビタミンはエンジンオイルとなる。
つまり大きく、強い肉体が欲しかったら、それを構成するたんぱく質とミネラルを十分に摂取しなければならない。
ただし、材料だけあってもダメだ。材料を組立て、車体を構成していくためには、「トレーニング」という製造工程が必要となる。そしてトレーニングを行うためには、糖質と脂質によるエネルギーが必要となる。
ガス欠になったら、車はもう走り続けることはできないのだ。
しかし人間の身体は車と違い、もっと良くできている。人類の長い歴史のなかで、飢餓状態になったことは何度もあるだろう。ガス欠になったからといって、獲物を狩りに行くことができなかったら、ただ座して死を待つだけだ。
そこで人間の身体には、補助エネルギーを作り出す機能が備わった。それを「糖新生」と呼ぶ。


■糖新生と筋肉の関係

糖新生とは乳酸やピルビン酸、アミノ酸、グリセロールなどを材料として、糖質を新しく作り出す代謝のことだ。しかしこの中でも特に材料として使われる割合が高いのが、筋肉から取り出されたアミノ酸である。つまり糖新生が起こると、筋肉が分解されてしまうということになる。
飢餓状態、つまり空腹の時間が長いと、それだけ糖新生も起こりやすくなる。朝食を抜いたりするのは最悪だ。糖新生が起こりまくり、筋肉はどんどん分解されてしまう。
空腹状態でトレーニングするのもダメだ。トレーニング時は当然ながら、多くのエネルギーを必要とする。空腹状態で運動したりしたら、糖新生の亢進は避けられない。筋肉を増やすためにトレーニングしているのに、次々と筋肉が分解されていくというバカバカしい状態に陥ってしまう。
授業が終わって、すぐに部活動をはじめる学生のウォリアーは、このことをよく考えてほしい。昼食を食べてから放課後になるまでには、かなりの時間があるはずだ。部活動中に糖新生が起こってしまっているのではないか?パフォーマンスを高めるために練習しているのに、逆に筋肉が壊されてしまっているのではないか?


■インスリンと体脂肪の関係

インスリンは栄養素を細胞に運び入れるホルモンだ。これが筋肉細胞に働いてくれれば、筋肉に栄養が満ち溢れ、筋肉が増えるわけである。
しかし大量にインスリンが出ると、筋肉細胞だけでなく、脂肪細胞への働きが強くなってしまう。すると、筋肉よりむしろ体脂肪のほうが増えてしまうわけだ。
食事の回数が少ないと、一度に食べる量は必然的に多くなる。食べる量が多ければ、それだけ多くのインスリンが分泌される。つまり食事の回数が少ないと、体脂肪が増えてしまいやすくなるのだ。力士はこれを逆に利用して、一日二食とし、わざと体脂肪を増やしているのである。


■補食という解決策

糖新生を防ぎ、体脂肪が増えるのを防ぐためには、食事の回数を増やすことである。すなわち「補食」だ。一度に食べる量を少なくし、食事回数が多くなれば、空腹となる時間が短くなり、インスリンの大量分泌も起こらない。
朝食を食べる時間がなかったら、バナナとプロテインだけでもいい。糖新生を防ぐためには、なにもたっぷり食べる必要はないのだ。消化の良い炭水化物としてバナナやオニギリ、100%ジュースなど。たんぱく質としてはプロテインやゆで卵などが手軽に持ち運べて便利だろう。
学生のウォリアーだったら、授業が終わったらすぐにオニギリとゆで卵を食べて、それから部活動に行くという流れだ。
しかし、それでもベストではない。本当に糖新生を防ぐためには、一日に三食より四食、四食より五食、五食より六食にしたほうが良いのだ。朝食と昼食の間、昼食と夕食の間、夕食と就寝前の間などにも、軽食を入れるようにしたい。
とは言っても、仕事中にバナナやゆで卵を食べるのは憚られるし、食材を持ち歩くのも手間だろう。またこれが一番重要なことなのだが、「栄養成分として完璧でない」という問題もがある。糖新生を防ぐだけでなく、十分にたんぱく質が確保でき、できればビタミンやミネラルも同時に補給できるような、「完璧な軽食」はないものか。
次号ではその解決策について紹介しよう。

 

(後編に続く)