競技パフォーマンスUP

Part 48 「スクワットを伸ばすSmolov プログラムとは?」

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Part 48 「スクワットを伸ばすSmolov プログラムとは?」

Part 48 「スクワットを伸ばすSmolov プログラムとは?」

目的:基礎的エクササイズの重量アップ
メリット:下半身の筋力とコーディネーションの向上

 

「ビッグ3」という言葉がある。スクワットとベンチプレス、デッドリフトのことだ。この3種目はウェイトトレーニングにおけるエクササイズの中でも特に重要とされ、その使用重量を伸ばすことがウォリアーのステイタスともなっている。
「ビッグ3」はビギナーであってもベテランであっても無視できないエクササイズではあるが、トレーニング歴が長くなり慣れが生じるに従い、思うように重量が伸びていかないという悩みも、ウォリアーの多くが抱えていることだろう。

慣れを生じさせないためには、トレーニングに変化をつければいい。その方法の一つがピリオダイゼーションである。ピリオダイゼーションにもさまざまなタイプがあるが、今回はウェイトリフティング選手のために考え出された「Smolov プログラム」を紹介しよう。

 

「Smolov プログラム」はロシアのスポーツ専門家であるセルゲイ・スモロフが考案したプログラムであり、特にスクワットの使用重量を伸ばすのに効果的である。トータル13週間のプログラムとなっており、プログラム終了時にはスクワットの使用重量が20~40kgほど伸びることも稀ではない。ではさっそく、プログラムの概要を説明しよう。

 

■Smolov プログラム

Smolov プログラムは次の13週間のサイクルから構成されている。

  • 1. 2週間の導入ミクロサイクル
  • 2. 4週間の基礎メゾサイクル
  • 3. 2週間の移行サイクル
  • 4. 4週間の筋力強化メゾサイクル
  • 5. 1週間の回復促進サイクル

 

1. 2週間の導入ミクロサイクル

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 1 65%/8reps/3sets, 70%/5reps/1set, 75%/2reps/2sets, 80%/1rep/1set
Day 2 65%/8reps/3sets, 70%/5reps/1set, 75%/2reps/2sets, 80%/1rep/1set
Day 3 70%/5reps/4sets, 75%/3reps/1set, 80%/2reps/2sets, 90%/1rep/1set
Day 4 OFF
Day 5 OFF
Day 6 OFF
Day 7 OFF
Day 8 80%/5reps/1set
Day 9 OFF
Day 10 82.5%/5reps/1set
Day 11 OFF
Day 12 85%/5reps/1set
Day 13 OFF
Day 14 OFF

※65%/8reps/3setsというのは、ギリギリ1回挙げられる重量の65%で8回3セットを行うということ。ギリギリ1回挙げられる重量は多めに見積もらず、体調の悪い時でも確実に挙げられる重量として計算すること。
※導入ミクロサイクルの間はスクワット終了後、ランジやジャンプスクワットなどを軽めに行うこと。

 

2. 4週間の基礎メゾサイクル

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 15 70%/9reps/4sets
Day 16 OFF
Day 17 75%/7reps/5sets
Day 18 OFF
Day 19 80%/5reps/7sets
Day 20 85%/3reps/10sets
Day 21 OFF
Day 22 70%+20lbs/9reps/4sets
Day 23 OFF
Day 24 75%+20lbs/7reps/5sets
Day 25 OFF
Day 26 80%+20lbs/5reps/7sets
Day 27 85%+20lbs/3reps/10sets
Day 28 OFF
Day 29 70%+30lbs/9reps/4sets
Day 30 OFF
Day 31 75%+30lbs/7reps/5sets
Day 32 OFF
Day 33 80%+30lbs/5reps/7sets
Day 34 85%+30lbs/3reps/10sets
Day 35 OFF
Day 36 OFF
Day 37 OFF
Day 38 OFF
Day 39 OFF
Day 40 MAXに挑戦
Day 41 MAXに挑戦
Day 42 OFF

※トレーニング量の多い基礎サイクル。サイクル最後の週に2日間のMAX挑戦日を設ける。
※ここで得られたMAXの重量を、次からのサイクルで使用すること。
※下半身に影響するスクワット以外のエクササイズ(デッドリフト、レッグプレスなど)は行わないこと。

 

3. 2週間の移行サイクル

Day 43からDay 56までの2週間は移行サイクルとして、軽めの重量で爆発的な動作によるスクワットを行うこと。特にセット数やレップス数、トレーニング頻度の指定はないが、最大でもMAXの60%までの重量とし、スピードを重視した動きとする。
ボックス・スクワットやバンド/チェーンスクワットなども行うこと。回復を重視する期間なので、疲労困憊するまでは行わないよう注意する。

 

4. 4週間の筋力強化メゾサイクル

移行サイクルで身体を休めた後は、Day40~Day41で得られた新しいMAXを元に、強度の高い筋力強化期間を実施する。
この期間中も下半身に影響するエクササイズ(デッドリフト、レッグプレスなど)は行わないこと。

 

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 57 65%/3reps/1set, 75%/4reps/1set, 85%/4reps/3sets, 85%/5reps
Day 58 OFF
Day 59 60%/3reps/1set, 70%/3reps/1set, 80%/4reps/1set, 90%/3reps/1set, 85%/5reps/2sets
Day 60 OFF
Day 61 OFF
Day 62 65%/4reps/1set, 70%/4reps/1set, 80%/4reps/5sets
Day 63 OFF
Day 64 60%/4reps/1set, 70%/4reps/1set, 80%/4reps/1set, 90%/3reps/1set, 90%/4reps/2sets
Day 65 OFF
Day 66 65%/3reps/1set, 75%/3reps/1set, 85%/3reps/1set, 90%/3reps/3sets, 95%/3reps/1set
Day 67 OFF
Day 68 OFF
Day 69 65%/3reps/1set, 75%/3reps/1set, 85%/4reps/1set, 90%/5reps/4sets
Day 70 OFF
Day 71 60%/3reps/1set, 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 90%/5reps/5sets
Day 72 OFF
Day 73 60%/3reps/1set, 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 95%/3reps/2sets
Day 74 OFF
Day 75 OFF
Day 76 65%/3reps/1set, 75%/3reps/1set, 85%/3reps/1set, 95%/3reps/4sets
Day 77 OFF
Day 78 70%/3reps/1set, 80%/4reps/1set, 90%/5reps/5sets
Day 79 OFF
Day 80 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 95%/3reps/4sets
Day 81 OFF
Day 82 OFF
Day 83 75%/3reps/1set, 90%/4reps/1set, 80%/4reps/3sets
Day 84 OFF

 

5. 1週間の回復促進サイクル

最後の一週間は回復を促進させ、ラストの日にMAXを測定する。

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 85 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 90%/5reps/2sets, 95%/4reps/3sets
Day 86 OFF
Day 87 75%/4reps/1set, 85%/4reps/4sets
Day 88 OFF
Day 89 OFF
Day 90 OFF
Day 91 MAXに挑戦

 

■Smolov プログラムの注意事項

セット間のインターバルは特に指定されていない。しかし短かすぎるのはNG。十分に呼吸が回復し、予定のレップスができそうだと感じるまで休むようにするべきだ。
なおデッドリフトなど、スクワットに影響を与えるエクササイズは基本的に行わないようにするが、ベンチプレスやラットプルダウン、腹筋などはスクワットに影響が少ないので、行っても問題ない。

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目的:基礎的エクササイズの重量アップ
メリット:下半身の筋力とコーディネーションの向上

 

「ビッグ3」という言葉がある。スクワットとベンチプレス、デッドリフトのことだ。この3種目はウェイトトレーニングにおけるエクササイズの中でも特に重要とされ、その使用重量を伸ばすことがウォリアーのステイタスともなっている。
「ビッグ3」はビギナーであってもベテランであっても無視できないエクササイズではあるが、トレーニング歴が長くなり慣れが生じるに従い、思うように重量が伸びていかないという悩みも、ウォリアーの多くが抱えていることだろう。

慣れを生じさせないためには、トレーニングに変化をつければいい。その方法の一つがピリオダイゼーションである。ピリオダイゼーションにもさまざまなタイプがあるが、今回はウェイトリフティング選手のために考え出された「Smolov プログラム」を紹介しよう。

 

「Smolov プログラム」はロシアのスポーツ専門家であるセルゲイ・スモロフが考案したプログラムであり、特にスクワットの使用重量を伸ばすのに効果的である。トータル13週間のプログラムとなっており、プログラム終了時にはスクワットの使用重量が20~40kgほど伸びることも稀ではない。ではさっそく、プログラムの概要を説明しよう。

 

■Smolov プログラム

Smolov プログラムは次の13週間のサイクルから構成されている。

  • 1. 2週間の導入ミクロサイクル
  • 2. 4週間の基礎メゾサイクル
  • 3. 2週間の移行サイクル
  • 4. 4週間の筋力強化メゾサイクル
  • 5. 1週間の回復促進サイクル

 

1. 2週間の導入ミクロサイクル

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 1 65%/8reps/3sets, 70%/5reps/1set, 75%/2reps/2sets, 80%/1rep/1set
Day 2 65%/8reps/3sets, 70%/5reps/1set, 75%/2reps/2sets, 80%/1rep/1set
Day 3 70%/5reps/4sets, 75%/3reps/1set, 80%/2reps/2sets, 90%/1rep/1set
Day 4 OFF
Day 5 OFF
Day 6 OFF
Day 7 OFF
Day 8 80%/5reps/1set
Day 9 OFF
Day 10 82.5%/5reps/1set
Day 11 OFF
Day 12 85%/5reps/1set
Day 13 OFF
Day 14 OFF

※65%/8reps/3setsというのは、ギリギリ1回挙げられる重量の65%で8回3セットを行うということ。ギリギリ1回挙げられる重量は多めに見積もらず、体調の悪い時でも確実に挙げられる重量として計算すること。
※導入ミクロサイクルの間はスクワット終了後、ランジやジャンプスクワットなどを軽めに行うこと。

 

2. 4週間の基礎メゾサイクル

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 15 70%/9reps/4sets
Day 16 OFF
Day 17 75%/7reps/5sets
Day 18 OFF
Day 19 80%/5reps/7sets
Day 20 85%/3reps/10sets
Day 21 OFF
Day 22 70%+20lbs/9reps/4sets
Day 23 OFF
Day 24 75%+20lbs/7reps/5sets
Day 25 OFF
Day 26 80%+20lbs/5reps/7sets
Day 27 85%+20lbs/3reps/10sets
Day 28 OFF
Day 29 70%+30lbs/9reps/4sets
Day 30 OFF
Day 31 75%+30lbs/7reps/5sets
Day 32 OFF
Day 33 80%+30lbs/5reps/7sets
Day 34 85%+30lbs/3reps/10sets
Day 35 OFF
Day 36 OFF
Day 37 OFF
Day 38 OFF
Day 39 OFF
Day 40 MAXに挑戦
Day 41 MAXに挑戦
Day 42 OFF

※トレーニング量の多い基礎サイクル。サイクル最後の週に2日間のMAX挑戦日を設ける。
※ここで得られたMAXの重量を、次からのサイクルで使用すること。
※下半身に影響するスクワット以外のエクササイズ(デッドリフト、レッグプレスなど)は行わないこと。

 

3. 2週間の移行サイクル

Day 43からDay 56までの2週間は移行サイクルとして、軽めの重量で爆発的な動作によるスクワットを行うこと。特にセット数やレップス数、トレーニング頻度の指定はないが、最大でもMAXの60%までの重量とし、スピードを重視した動きとする。
ボックス・スクワットやバンド/チェーンスクワットなども行うこと。回復を重視する期間なので、疲労困憊するまでは行わないよう注意する。

 

4. 4週間の筋力強化メゾサイクル

移行サイクルで身体を休めた後は、Day40~Day41で得られた新しいMAXを元に、強度の高い筋力強化期間を実施する。
この期間中も下半身に影響するエクササイズ(デッドリフト、レッグプレスなど)は行わないこと。

 

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 57 65%/3reps/1set, 75%/4reps/1set, 85%/4reps/3sets, 85%/5reps
Day 58 OFF
Day 59 60%/3reps/1set, 70%/3reps/1set, 80%/4reps/1set, 90%/3reps/1set, 85%/5reps/2sets
Day 60 OFF
Day 61 OFF
Day 62 65%/4reps/1set, 70%/4reps/1set, 80%/4reps/5sets
Day 63 OFF
Day 64 60%/4reps/1set, 70%/4reps/1set, 80%/4reps/1set, 90%/3reps/1set, 90%/4reps/2sets
Day 65 OFF
Day 66 65%/3reps/1set, 75%/3reps/1set, 85%/3reps/1set, 90%/3reps/3sets, 95%/3reps/1set
Day 67 OFF
Day 68 OFF
Day 69 65%/3reps/1set, 75%/3reps/1set, 85%/4reps/1set, 90%/5reps/4sets
Day 70 OFF
Day 71 60%/3reps/1set, 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 90%/5reps/5sets
Day 72 OFF
Day 73 60%/3reps/1set, 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 95%/3reps/2sets
Day 74 OFF
Day 75 OFF
Day 76 65%/3reps/1set, 75%/3reps/1set, 85%/3reps/1set, 95%/3reps/4sets
Day 77 OFF
Day 78 70%/3reps/1set, 80%/4reps/1set, 90%/5reps/5sets
Day 79 OFF
Day 80 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 95%/3reps/4sets
Day 81 OFF
Day 82 OFF
Day 83 75%/3reps/1set, 90%/4reps/1set, 80%/4reps/3sets
Day 84 OFF

 

5. 1週間の回復促進サイクル

最後の一週間は回復を促進させ、ラストの日にMAXを測定する。

DAY %1RM/Reps/Sets
Day 85 70%/3reps/1set, 80%/3reps/1set, 90%/5reps/2sets, 95%/4reps/3sets
Day 86 OFF
Day 87 75%/4reps/1set, 85%/4reps/4sets
Day 88 OFF
Day 89 OFF
Day 90 OFF
Day 91 MAXに挑戦

 

■Smolov プログラムの注意事項

セット間のインターバルは特に指定されていない。しかし短かすぎるのはNG。十分に呼吸が回復し、予定のレップスができそうだと感じるまで休むようにするべきだ。
なおデッドリフトなど、スクワットに影響を与えるエクササイズは基本的に行わないようにするが、ベンチプレスやラットプルダウン、腹筋などはスクワットに影響が少ないので、行っても問題ない。