体重・筋量UP
シーズンも終わり、来シーズンに向けて力を溜めていくべきこれからのオフ。ウォリアーのフィジカルをレベルアップさせるには、どうすればいいだろう。
その前に、考えてほしいことがある。フィジカルのレベルアップとは、具体的に何を指すのだろうか。
ウォリアーのフィジカルを構成するものは何か。筋力やパワー、スピード、持久力、心肺機能、柔軟性など、さまざまな要素が考えられる。では、これらの要素は何から生み出されているのか。
そう、筋肉や骨、神経、血液、心臓や肝臓といった臓器、脳などである。フィジカルとはすなわち「肉体」のことなのだ。
では、ウォリアーの肉体は何からできているのか。人体の構成要素は有機質が96%、無機質が4%となっている。無機質とはカルシウムやリン、鉄、硫黄などのミネラルのことだ。
そして体脂肪率や筋肉量で違ってくるが、一般的に有機質は水が66%、たんぱく質が16%、脂質が13.5%、糖質が0.5%という内訳になっている。
糖質の少なさに驚くウォリアーも多いだろう。脂質は体脂肪として大量に蓄えることができるのだが、糖質は筋肉や肝臓、血液内にグリコーゲンとして少量しか蓄えることができない。
そしてここが重要なのだが、水分やたんぱく質は蓄えることができない。また、ハードな運動をしたり絶食したりで糖質や脂質が一時的に失われても、特に命に別状はない。しかし水分とたんぱく質が失われたら、生命にかかわる。
水分が失われれば脱水症状が起こる。これはイメージしやすい。ではたんぱく質が失われると、どうなるのか。たんぱく質は筋肉として蓄えられるような気もするが、決してそうではない。
たんぱく質は英語で「プロテイン」である。これはギリシャ語の「プロテイオス」が語源となっている。プロテイオスとは「第一の」あるいは「最も必要な」という意味だ。古代ギリシャにおいても、たんぱく質の必要性は認識されていたわけである。
筋肉は主にたんぱく質からできている。これはウォリアーの常識だ。しかしそれだけではない。骨や内臓も、たんぱく質が主な構成物質なのだ。さらにホルモンや酵素などもそうである。つまりたんぱく質が足りなくなると、筋肉が減ってしまうだけでなく、骨や内臓も弱り、ホルモンや酵素が上手く働かなくなり、生命活動に支障をきたすのである。生命に支障をきたすということは、すなわち「たんぱく質は蓄えられない」ということである。
では、ウォリアーに必要なたんぱく質はどれくらいの量なのか。Lemon やKreiderらの研究によれば、運動している人は1日に体重1kgあたり、1.2~1.7gあるいは1.4~2.0gのたんぱく質が必要とされている¹²。
大学のフットボール選手21名を対象に12週間にわたって行われた研究では、1日に体重1kgあたり1.24gのたんぱく質を摂取した群ではスクワットの伸びが平均9.1kgだったのに対し、1日に体重1kgあたり2.0gのたんぱく質を摂取した群ではスクワットの伸びが平均23.5kgだった³。
逆に、たんぱく質の摂りすぎは問題になるのだろうか。余剰のアミノ酸は尿となって排出されるか、他のアミノ酸に組み替えられるか、体脂肪となって蓄積する。尿となる時に肝臓や腎臓に負担がかかるといわれているが、アスリートを対象にクレアチニンクリアランスや尿中アルブミン、カルシウム排出速度などを調べた研究では1日に体重1kgあたり2.8g程度であれば、まったく問題はないようだ⁴。
これらのデータから考えると、1日に「体重1kgあたり、2.0gから3g」を目安にたんぱく質を摂取するようにするといいだろう。
体重が70kgだとすると、1日に140g~210gのたんぱく質ということになる。肉100gに含まれるたんぱく質が約20gだから、1日700gの肉を食べればいいわけだ。食欲旺盛なウォリアーなら、不可能ではない。
しかし700gの肉を食べるとなると、よけいな脂肪も同時に摂取することになる。胃腸の負担も大きい。お金もかかるし、料理も大変だ。
これらの問題をすべて解決してくれるのが、プロテインである。次号ではプロテインの正しい飲み方や選び方について紹介しよう。
シーズンも終わり、来シーズンに向けて力を溜めていくべきこれからのオフ。ウォリアーのフィジカルをレベルアップさせるには、どうすればいいだろう。
その前に、考えてほしいことがある。フィジカルのレベルアップとは、具体的に何を指すのだろうか。
ウォリアーのフィジカルを構成するものは何か。筋力やパワー、スピード、持久力、心肺機能、柔軟性など、さまざまな要素が考えられる。では、これらの要素は何から生み出されているのか。
そう、筋肉や骨、神経、血液、心臓や肝臓といった臓器、脳などである。フィジカルとはすなわち「肉体」のことなのだ。
では、ウォリアーの肉体は何からできているのか。人体の構成要素は有機質が96%、無機質が4%となっている。無機質とはカルシウムやリン、鉄、硫黄などのミネラルのことだ。
そして体脂肪率や筋肉量で違ってくるが、一般的に有機質は水が66%、たんぱく質が16%、脂質が13.5%、糖質が0.5%という内訳になっている。
糖質の少なさに驚くウォリアーも多いだろう。脂質は体脂肪として大量に蓄えることができるのだが、糖質は筋肉や肝臓、血液内にグリコーゲンとして少量しか蓄えることができない。
そしてここが重要なのだが、水分やたんぱく質は蓄えることができない。また、ハードな運動をしたり絶食したりで糖質や脂質が一時的に失われても、特に命に別状はない。しかし水分とたんぱく質が失われたら、生命にかかわる。
水分が失われれば脱水症状が起こる。これはイメージしやすい。ではたんぱく質が失われると、どうなるのか。たんぱく質は筋肉として蓄えられるような気もするが、決してそうではない。
たんぱく質は英語で「プロテイン」である。これはギリシャ語の「プロテイオス」が語源となっている。プロテイオスとは「第一の」あるいは「最も必要な」という意味だ。古代ギリシャにおいても、たんぱく質の必要性は認識されていたわけである。
筋肉は主にたんぱく質からできている。これはウォリアーの常識だ。しかしそれだけではない。骨や内臓も、たんぱく質が主な構成物質なのだ。さらにホルモンや酵素などもそうである。つまりたんぱく質が足りなくなると、筋肉が減ってしまうだけでなく、骨や内臓も弱り、ホルモンや酵素が上手く働かなくなり、生命活動に支障をきたすのである。生命に支障をきたすということは、すなわち「たんぱく質は蓄えられない」ということである。
では、ウォリアーに必要なたんぱく質はどれくらいの量なのか。Lemon やKreiderらの研究によれば、運動している人は1日に体重1kgあたり、1.2~1.7gあるいは1.4~2.0gのたんぱく質が必要とされている¹²。
大学のフットボール選手21名を対象に12週間にわたって行われた研究では、1日に体重1kgあたり1.24gのたんぱく質を摂取した群ではスクワットの伸びが平均9.1kgだったのに対し、1日に体重1kgあたり2.0gのたんぱく質を摂取した群ではスクワットの伸びが平均23.5kgだった³。
逆に、たんぱく質の摂りすぎは問題になるのだろうか。余剰のアミノ酸は尿となって排出されるか、他のアミノ酸に組み替えられるか、体脂肪となって蓄積する。尿となる時に肝臓や腎臓に負担がかかるといわれているが、アスリートを対象にクレアチニンクリアランスや尿中アルブミン、カルシウム排出速度などを調べた研究では1日に体重1kgあたり2.8g程度であれば、まったく問題はないようだ⁴。
これらのデータから考えると、1日に「体重1kgあたり、2.0gから3g」を目安にたんぱく質を摂取するようにするといいだろう。
体重が70kgだとすると、1日に140g~210gのたんぱく質ということになる。肉100gに含まれるたんぱく質が約20gだから、1日700gの肉を食べればいいわけだ。食欲旺盛なウォリアーなら、不可能ではない。
しかし700gの肉を食べるとなると、よけいな脂肪も同時に摂取することになる。胃腸の負担も大きい。お金もかかるし、料理も大変だ。
これらの問題をすべて解決してくれるのが、プロテインである。次号ではプロテインの正しい飲み方や選び方について紹介しよう。