体重・脂肪DOWN
「怠惰に生きたい」という短期的欲望と戦い、あえて自らを鍛え、自分自身と戦う。そして常に「どう生きるのか」を自問し、身体を研ぎ澄ませ、己をさらなる高みへと押し上げる。
それが、われわれウォリアーの務めだ。
過酷なトレーニングと妥協なき栄養摂取により作られた強き身体、そして崇高なる魂を有するウォリアーは、この現代社会を鼓舞する存在であらねばならない。
では2014年夏。われわれはこの国で、何ができるのだろう。
はっきりと言おう。
その答えの一つが「脱ぐ」こと。いや「脱ぎまくる」ことだ。
真夏のビーチで、リゾート地で、夏フェス会場で。さりげなくTシャツを脱ぎ捨て、露わになった肉体の圧倒的な存在感。
口うるさい上司も、憧れの女子社員も、小生意気な後輩も。全員がどよめき、驚愕するだろう。そして、ウォリアーが鍛錬の限りを経て作り上げた身体を前に、ため息を漏らしながら己を悔やみ、こう思うはずだ。
「ああ、今までの怠惰な暮らしは間違っていた…明日からトレーニングを始めよう」
そう。ウォリアーとは、脱ぐことで社会にポジティブな影響を与える存在だ。そしてわれわれにとって、夏とは、太陽という名のスポットライトの下で、鍛え上げた肉体が輝きを放つステージなのである。
だが、待ってほしい。ステージに上がる前にすべきことがある。ウォリアーならば、バルク(筋量)とディフィニッション(カット)を整え、最高の状態を作るべきだ。その上で来るべき「ザ・デイ」を迎えてほしい。
そこで今回の特集では、真夏のイベントを控えたわれわれが行うべき「最終調整」のノウハウを教えていく。
最高の仕上がりを求めて過ごす「3日間」を経て、夏という名のステージへ。
ウォリアーよ、灼熱のシーズンも脱いで、脱いで、脱ぎまくれ!
鍛え上げた肉体を最高の状態で人前にさらす。そんなビッグイベントのためには何をすればいいのか。普段からしっかりと負荷をかけたトレーニングを行っているウォリアーなら、肉体を「仕上げる」には、3日間あれば十分である。
ポイントは、筋肉中にグリコーゲンを多く貯め込む(=カーボローディングを行う)こと。なぜなら、筋肉はグリコーゲンを筋細胞に多く取り込むことでパンパンに張るからだ。
では体内にグリコーゲンを貯め込み、最高のコンディションをメイクするために、どのように3日間を過ごせばいいのだろう。以下がわれわれの提案するプランだ。
1日目(ザ・デイ3日前)
=上半身のトレーニングを行い、塩分と炭水化物の摂取を極力控える。
2日目(ザ・デイ2日前)
=上半身(初日と異なるパート)のトレーニングを行い、塩分と炭水化物の摂取を極力控える。
3日目(ザ・デイ前日)
=トレーニングは休み。炭水化物を多めに摂取し、たんぱく質も摂る。塩分と水分の摂取を極力控える。
では、この3日間を、具体的にはどのように過ごせばいいのだろうか。
先ほども書いたが、ポイントはグリコーゲンを貯め込むこと。グリコーゲンは、炭水化物をたくさん摂取することで体内で多く合成される。つまり、われわれはこの3日間で、いわゆる「カーボローディング」を行えばいいのである。
しかし、いたずらに炭水化物を摂取すればいい、というわけではない。
まず最初の2日間はトレーニングをしっかり行い、炭水化物の摂取を控えることだ。そして、体内のグリコーゲンをいったん使い切る。すると筋肉は、体内にグリコーゲンがないことを察知。次に炭水化物が入ってくる時のために、グリコーゲンの合成酵素の働きが活性化される。
この状態を2日間続けることで、3日目に炭水化物を多めに摂った時にグリコーゲンがたくさん合成される「下地」を作るのである。
この期間はあくまで、2日程度がメド。炭水化物を長期間にわたって抜くと、肝心の筋肉が落ちてしまうので注意してほしい。そして水分は普通に摂取すべきだが、塩分は極力控えること。これは、ナトリウムの摂取を制限し、体内のナトリウムを排出することで、3日目以降に水分を体外に排出しやすくするためだ。塩分を完全にカットするまでの必要はないが、なるべく控えてほしい。この2日間は自炊をして、チリソースやタバスコ、お酢やレモン、ポン酢などの味付けで食べることをお勧めしたい。
そして、筋力トレーニングはしっかりと行うこと。ウォリアーならば普段は全身をみっちりと鍛えているだろうが、この2日間については、真夏の太陽の下で注目を浴びるはずの上半身を中心にトレーニングしてほしい。お勧めは、メニューを二分割すること。例えば初日に胸と背中、翌日に肩、腕、腹筋といったように、分けてトレーニングを行うといい。
体内のグリコーゲンをいったん使い切る。それが、この2日間ですべきことだ。
3日目は一転して、炭水化物をたくさん摂る。体内にグリコーゲンが枯渇した状態で炭水化物を多く摂ることで、大量のグリコーゲンが筋細胞に取り込まれ、筋細胞が肥大。筋肉が大きくなる。体にほとんど脂肪の付いていないトップアスリートでもなければ、摂取の目安は、体重1kgあたり9gほど。
それをできる限り、小分けに摂取しよう。ベストは10回程度に分けることだが、生活習慣に合わせ、なるべく多くの回数で摂る。食事で摂ることが難しいなら、100%果汁のジュースなど、ドリンクでもOK。そして炭水化物を摂取する時は、クエン酸を同時に摂ることで吸収が高まる。クエン酸は薬局で買うことができるし、グレープフルーツジュースなどを飲んでもいい。
そして、夕方以降は水分をなるべく控える。より深くディフィニッションを出すために重要視すべきは、直前の筋力トレーニングよりも適度な水分カットだ。
ただし、あまりに水分摂取を抑えすぎると筋肉がしぼんでしまう。少し喉か渇いている程度の状態を保てば十分で、喉がカラカラになるまで我慢する必要はない。ちなみに、お勧めしたいのがタンポポ茶。利尿作用が高いので、可能ならば数日前から飲み続けるといいだろう。
また、たんぱく質もなるべく摂取すること。たんぱく質を普段より多く摂ると尿の量が増え、体内から水分が抜けやすい。摂取量は多ければ多いほどいいが、炭水化物をたくさん摂っているので、食べられる量は限られている。たくさん炭水化物を摂る分、あくまで無理のない範囲でOKだ。
なおこの日、トレーニングは休む。トレーニングを行うと、体内からグリコーゲンが抜けてしまうからだ。
ちなみに、鍛え抜いた筋肉の陰影を際立たせるには、タンニングが有効だ。ボディビルダーの場合、コンテストまでに3カ月ほどかけて日焼けサロンなどでタンニングを行う。ウォリアーの皆さんも、日焼けはなるべく時間をかけて行いたい。自然光の下で行うもよし、日焼けサロンに出かけてもいいだろう。マシンの場合、横になるベッド型は脇腹部分が焼けにくいので、立って入れる縦型のタイプが全身をまんべんなく焼くことができる。ただし、注意すべきは、一度に焼きすぎて全身が赤くなってしまうこと。忙しいウォリアーでも、なるべく時間をかけて行ってほしい。日焼けサロンに行く場合、肌への影響を考え、決してあせらず、15分などの短い時間で頻繁に焼くことを意識すること。日焼けは、しっかりとした自己管理のもとで行ってほしい。
さて、至高の3日間を経たザ・デイ。。最後の仕上げは念入りに。まず水分カットは、前日からのペースで継続。そして出かける前や出先において、上半身を中心に筋肉をパンプアップさせること。自体重を利用するプッシュアップの他、チューブや3~4kgの軽いダンベルなどを使ったエクササイズを行ってもいいだろう。筋肉が張ることが目的なので、高重量を挙げる必要はない。意識するのはレップ数を上げること。20~30回がメドだ。
最後に、イベント中は「フロントリラックス」だ。フロントリラックスとは、ボディビルの基本姿勢。リラックスとは言葉だけで、実際は全身に力がみなぎっている状態だ。われわれウォリアーは、夏のいかなる時も気を抜くことは許されないのである。
生ビールのジョッキ、バーベキューのトング、カラオケのマイク…ウォリアーたる者、周囲にあるものすべてをダンベルと思い、鍛え上げた肉体をアピールし、現代社会を鼓舞すべし。そして最高のコンディションで脱いで脱いで脱ぎまくり、灼熱のシーズンを爆発的に駆け抜けてほしいと思う。
Text:
前田成彦
DESIRE TO EVOLUTION編集長(株式会社ドーム コンテンツ企画部所属)。学生~社会人にてアメリカンフットボールを経験。趣味であるブラジリアン柔術の競技力向上、そして学生時代のベンチプレスMAX超えを目標に奮闘するも、誘惑に負け続ける日々を送る。お気に入りのマッスルメイトはホエイSP。
「怠惰に生きたい」という短期的欲望と戦い、あえて自らを鍛え、自分自身と戦う。そして常に「どう生きるのか」を自問し、身体を研ぎ澄ませ、己をさらなる高みへと押し上げる。
それが、われわれウォリアーの務めだ。
過酷なトレーニングと妥協なき栄養摂取により作られた強き身体、そして崇高なる魂を有するウォリアーは、この現代社会を鼓舞する存在であらねばならない。
では2014年夏。われわれはこの国で、何ができるのだろう。
はっきりと言おう。
その答えの一つが「脱ぐ」こと。いや「脱ぎまくる」ことだ。
真夏のビーチで、リゾート地で、夏フェス会場で。さりげなくTシャツを脱ぎ捨て、露わになった肉体の圧倒的な存在感。
口うるさい上司も、憧れの女子社員も、小生意気な後輩も。全員がどよめき、驚愕するだろう。そして、ウォリアーが鍛錬の限りを経て作り上げた身体を前に、ため息を漏らしながら己を悔やみ、こう思うはずだ。
「ああ、今までの怠惰な暮らしは間違っていた…明日からトレーニングを始めよう」
そう。ウォリアーとは、脱ぐことで社会にポジティブな影響を与える存在だ。そしてわれわれにとって、夏とは、太陽という名のスポットライトの下で、鍛え上げた肉体が輝きを放つステージなのである。
だが、待ってほしい。ステージに上がる前にすべきことがある。ウォリアーならば、バルク(筋量)とディフィニッション(カット)を整え、最高の状態を作るべきだ。その上で来るべき「ザ・デイ」を迎えてほしい。
そこで今回の特集では、真夏のイベントを控えたわれわれが行うべき「最終調整」のノウハウを教えていく。
最高の仕上がりを求めて過ごす「3日間」を経て、夏という名のステージへ。
ウォリアーよ、灼熱のシーズンも脱いで、脱いで、脱ぎまくれ!
鍛え上げた肉体を最高の状態で人前にさらす。そんなビッグイベントのためには何をすればいいのか。普段からしっかりと負荷をかけたトレーニングを行っているウォリアーなら、肉体を「仕上げる」には、3日間あれば十分である。
ポイントは、筋肉中にグリコーゲンを多く貯め込む(=カーボローディングを行う)こと。なぜなら、筋肉はグリコーゲンを筋細胞に多く取り込むことでパンパンに張るからだ。
では体内にグリコーゲンを貯め込み、最高のコンディションをメイクするために、どのように3日間を過ごせばいいのだろう。以下がわれわれの提案するプランだ。
1日目(ザ・デイ3日前)
=上半身のトレーニングを行い、塩分と炭水化物の摂取を極力控える。
2日目(ザ・デイ2日前)
=上半身(初日と異なるパート)のトレーニングを行い、塩分と炭水化物の摂取を極力控える。
3日目(ザ・デイ前日)
=トレーニングは休み。炭水化物を多めに摂取し、たんぱく質も摂る。塩分と水分の摂取を極力控える。
では、この3日間を、具体的にはどのように過ごせばいいのだろうか。
先ほども書いたが、ポイントはグリコーゲンを貯め込むこと。グリコーゲンは、炭水化物をたくさん摂取することで体内で多く合成される。つまり、われわれはこの3日間で、いわゆる「カーボローディング」を行えばいいのである。
しかし、いたずらに炭水化物を摂取すればいい、というわけではない。
まず最初の2日間はトレーニングをしっかり行い、炭水化物の摂取を控えることだ。そして、体内のグリコーゲンをいったん使い切る。すると筋肉は、体内にグリコーゲンがないことを察知。次に炭水化物が入ってくる時のために、グリコーゲンの合成酵素の働きが活性化される。
この状態を2日間続けることで、3日目に炭水化物を多めに摂った時にグリコーゲンがたくさん合成される「下地」を作るのである。
この期間はあくまで、2日程度がメド。炭水化物を長期間にわたって抜くと、肝心の筋肉が落ちてしまうので注意してほしい。そして水分は普通に摂取すべきだが、塩分は極力控えること。これは、ナトリウムの摂取を制限し、体内のナトリウムを排出することで、3日目以降に水分を体外に排出しやすくするためだ。塩分を完全にカットするまでの必要はないが、なるべく控えてほしい。この2日間は自炊をして、チリソースやタバスコ、お酢やレモン、ポン酢などの味付けで食べることをお勧めしたい。
そして、筋力トレーニングはしっかりと行うこと。ウォリアーならば普段は全身をみっちりと鍛えているだろうが、この2日間については、真夏の太陽の下で注目を浴びるはずの上半身を中心にトレーニングしてほしい。お勧めは、メニューを二分割すること。例えば初日に胸と背中、翌日に肩、腕、腹筋といったように、分けてトレーニングを行うといい。
体内のグリコーゲンをいったん使い切る。それが、この2日間ですべきことだ。
3日目は一転して、炭水化物をたくさん摂る。体内にグリコーゲンが枯渇した状態で炭水化物を多く摂ることで、大量のグリコーゲンが筋細胞に取り込まれ、筋細胞が肥大。筋肉が大きくなる。体にほとんど脂肪の付いていないトップアスリートでもなければ、摂取の目安は、体重1kgあたり9gほど。
それをできる限り、小分けに摂取しよう。ベストは10回程度に分けることだが、生活習慣に合わせ、なるべく多くの回数で摂る。食事で摂ることが難しいなら、100%果汁のジュースなど、ドリンクでもOK。そして炭水化物を摂取する時は、クエン酸を同時に摂ることで吸収が高まる。クエン酸は薬局で買うことができるし、グレープフルーツジュースなどを飲んでもいい。
そして、夕方以降は水分をなるべく控える。より深くディフィニッションを出すために重要視すべきは、直前の筋力トレーニングよりも適度な水分カットだ。
ただし、あまりに水分摂取を抑えすぎると筋肉がしぼんでしまう。少し喉か渇いている程度の状態を保てば十分で、喉がカラカラになるまで我慢する必要はない。ちなみに、お勧めしたいのがタンポポ茶。利尿作用が高いので、可能ならば数日前から飲み続けるといいだろう。
また、たんぱく質もなるべく摂取すること。たんぱく質を普段より多く摂ると尿の量が増え、体内から水分が抜けやすい。摂取量は多ければ多いほどいいが、炭水化物をたくさん摂っているので、食べられる量は限られている。たくさん炭水化物を摂る分、あくまで無理のない範囲でOKだ。
なおこの日、トレーニングは休む。トレーニングを行うと、体内からグリコーゲンが抜けてしまうからだ。
ちなみに、鍛え抜いた筋肉の陰影を際立たせるには、タンニングが有効だ。ボディビルダーの場合、コンテストまでに3カ月ほどかけて日焼けサロンなどでタンニングを行う。ウォリアーの皆さんも、日焼けはなるべく時間をかけて行いたい。自然光の下で行うもよし、日焼けサロンに出かけてもいいだろう。マシンの場合、横になるベッド型は脇腹部分が焼けにくいので、立って入れる縦型のタイプが全身をまんべんなく焼くことができる。ただし、注意すべきは、一度に焼きすぎて全身が赤くなってしまうこと。忙しいウォリアーでも、なるべく時間をかけて行ってほしい。日焼けサロンに行く場合、肌への影響を考え、決してあせらず、15分などの短い時間で頻繁に焼くことを意識すること。日焼けは、しっかりとした自己管理のもとで行ってほしい。
さて、至高の3日間を経たザ・デイ。。最後の仕上げは念入りに。まず水分カットは、前日からのペースで継続。そして出かける前や出先において、上半身を中心に筋肉をパンプアップさせること。自体重を利用するプッシュアップの他、チューブや3~4kgの軽いダンベルなどを使ったエクササイズを行ってもいいだろう。筋肉が張ることが目的なので、高重量を挙げる必要はない。意識するのはレップ数を上げること。20~30回がメドだ。
最後に、イベント中は「フロントリラックス」だ。フロントリラックスとは、ボディビルの基本姿勢。リラックスとは言葉だけで、実際は全身に力がみなぎっている状態だ。われわれウォリアーは、夏のいかなる時も気を抜くことは許されないのである。
生ビールのジョッキ、バーベキューのトング、カラオケのマイク…ウォリアーたる者、周囲にあるものすべてをダンベルと思い、鍛え上げた肉体をアピールし、現代社会を鼓舞すべし。そして最高のコンディションで脱いで脱いで脱ぎまくり、灼熱のシーズンを爆発的に駆け抜けてほしいと思う。