競技パフォーマンスUP

Part34 シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック編

Part34 シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック編

DESIRE TO EVOLUTION

競技パフォーマンスUP

Part34 シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック編

Part34 シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック編

フォーカスする筋:僧帽筋、菱形筋、三角筋後部
機能:肩甲骨の内転
フォーカスする筋:僧帽筋、菱形筋、三角筋後部

ジムでもっとも人気のあるエクササイズはベンチプレスやダンベルプレス、フライなど、主に大胸筋を鍛える種目ではないだろうか。次いでバーベルカールのような上腕二頭筋を鍛える種目が続く。
大胸筋や上腕二頭筋など身体の前面にある筋肉は鏡をみたときに目立つ為「ミラーマッスル」とも呼ばる。しかしその一方で、ラットプルダウンやシーテッドロウなどの背中を鍛える種目については、いまひとつ人気がない。実は背中の筋肉を鍛えることは、競技パフォーマンスに止まらず、日常生活においても非常に重要な意味を持つ。

■意外と多い「前肩」

ベンチプレスやバーベルカールにより、大胸筋や前鋸筋、上腕二頭筋などが強化される。しかし、これら身体の前面にある筋肉ばかりが発達すると、肩甲骨が前に出てきて「前肩」になってしまう。ジムを見回してみると、肩が前に出ていて猫背っぽくなっているトレーニーは、意外と多く見受けられるのではなかろうか。
前肩になるとストレートネックに(本来適度に曲線を描いている首がまっすぐに歪んだ状態。慢性的な頭痛や肩凝りといった症状を引き起こす)なりやすく、さらに呼吸が浅くなるため体調も崩してしまいがちになってしまう。

■「前肩」を改善するために

前肩を改善し、身体の前面にある筋肉と背面にある筋肉とのバランスを取るためには、背中の筋肉を鍛えるエクササイズを行う必要がある。筋肉のバランスを取ることで姿勢が改善され、ケガの防止や力がうまく伝わったりと、パフォーマンスの改善にも繋がる。
そして背中の筋肉の中でも、肩甲骨を内側に寄せる(内転)働きを担う僧帽筋菱形筋(りょうけいきん)を重点的に鍛えることが重要となる。
しかしチンニングやプルダウン、一般的なロウイングエクササイズでは僧帽筋や菱形筋よりも、むしろ大円筋や広背筋への刺激が大きくなってしまう。
そこで「シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック」をやってみてはいかがだろう。このエクササイズでは肩甲骨の内転を意識しやすく、僧帽筋や菱形筋に強い刺激を与えることを可能とする。

シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのやり方

1.プーリーの前に座り、ロープケーブルを取り付ける。プーリーの高さを変えられる場合は、プーリーが肩の高さになるように設定する。
2.ロープのコブになっているところを人差し指と中指の間に挟み込み、その状態でコブ全体を握る。
3.手の甲を上にして「前へならえ」の状態にする。それがスタートポジション。このときに肩甲骨を広げておくこと。
4.ヒジをしっかりと張り、ロウイング気味にヒジを外側に開きながら肩甲骨を寄せ、首のほうに向かって引きつけていく。
5.フィニッシュポジションでは、胸を張って肩甲骨をしっかりと寄せ切るようにする。脇が閉じてしまわないように注意すること。

[ シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのグリップ ]
[ シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのスタート ]
[ シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのフィニッシュ ]
[ 肘が下がってしまっているNG例 ]
【▼参考動画】 シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック

ストレートバーで行うことも可能だが、ロープを使って行うほうが上腕を広い可動範囲で動かすことができるため、より肩甲骨を自由に外転内転させることができる。また人差し指と中指の間で挟み込んで持つことにより、握力の影響を避けることができるため、刺激が前腕に移行してしまうことが避けられる。

日常生活においても、特にパソコンに向かっての仕事が多い方は、それだけでも前肩になってしまいがち。筋力バランスを整えるだけでなく、姿勢の改善にも役立つ「シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック」を、ぜひ試してみて欲しい。

(Part.33を読む)
(Part.35を読む)

 

Share
twitter
facebook
印刷用ページへ

フォーカスする筋:僧帽筋、菱形筋、三角筋後部
機能:肩甲骨の内転
フォーカスする筋:僧帽筋、菱形筋、三角筋後部

ジムでもっとも人気のあるエクササイズはベンチプレスやダンベルプレス、フライなど、主に大胸筋を鍛える種目ではないだろうか。次いでバーベルカールのような上腕二頭筋を鍛える種目が続く。
大胸筋や上腕二頭筋など身体の前面にある筋肉は鏡をみたときに目立つ為「ミラーマッスル」とも呼ばる。しかしその一方で、ラットプルダウンやシーテッドロウなどの背中を鍛える種目については、いまひとつ人気がない。実は背中の筋肉を鍛えることは、競技パフォーマンスに止まらず、日常生活においても非常に重要な意味を持つ。

■意外と多い「前肩」

ベンチプレスやバーベルカールにより、大胸筋や前鋸筋、上腕二頭筋などが強化される。しかし、これら身体の前面にある筋肉ばかりが発達すると、肩甲骨が前に出てきて「前肩」になってしまう。ジムを見回してみると、肩が前に出ていて猫背っぽくなっているトレーニーは、意外と多く見受けられるのではなかろうか。
前肩になるとストレートネックに(本来適度に曲線を描いている首がまっすぐに歪んだ状態。慢性的な頭痛や肩凝りといった症状を引き起こす)なりやすく、さらに呼吸が浅くなるため体調も崩してしまいがちになってしまう。

■「前肩」を改善するために

前肩を改善し、身体の前面にある筋肉と背面にある筋肉とのバランスを取るためには、背中の筋肉を鍛えるエクササイズを行う必要がある。筋肉のバランスを取ることで姿勢が改善され、ケガの防止や力がうまく伝わったりと、パフォーマンスの改善にも繋がる。
そして背中の筋肉の中でも、肩甲骨を内側に寄せる(内転)働きを担う僧帽筋菱形筋(りょうけいきん)を重点的に鍛えることが重要となる。
しかしチンニングやプルダウン、一般的なロウイングエクササイズでは僧帽筋や菱形筋よりも、むしろ大円筋や広背筋への刺激が大きくなってしまう。
そこで「シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック」をやってみてはいかがだろう。このエクササイズでは肩甲骨の内転を意識しやすく、僧帽筋や菱形筋に強い刺激を与えることを可能とする。

シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのやり方

1.プーリーの前に座り、ロープケーブルを取り付ける。プーリーの高さを変えられる場合は、プーリーが肩の高さになるように設定する。
2.ロープのコブになっているところを人差し指と中指の間に挟み込み、その状態でコブ全体を握る。
3.手の甲を上にして「前へならえ」の状態にする。それがスタートポジション。このときに肩甲骨を広げておくこと。
4.ヒジをしっかりと張り、ロウイング気味にヒジを外側に開きながら肩甲骨を寄せ、首のほうに向かって引きつけていく。
5.フィニッシュポジションでは、胸を張って肩甲骨をしっかりと寄せ切るようにする。脇が閉じてしまわないように注意すること。

[ シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのグリップ ]
[ シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのスタート ]
[ シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネックのフィニッシュ ]
[ 肘が下がってしまっているNG例 ]
【▼参考動画】 シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック

ストレートバーで行うことも可能だが、ロープを使って行うほうが上腕を広い可動範囲で動かすことができるため、より肩甲骨を自由に外転内転させることができる。また人差し指と中指の間で挟み込んで持つことにより、握力の影響を避けることができるため、刺激が前腕に移行してしまうことが避けられる。

日常生活においても、特にパソコンに向かっての仕事が多い方は、それだけでも前肩になってしまいがち。筋力バランスを整えるだけでなく、姿勢の改善にも役立つ「シーテッド・ロープケーブルロウ・トゥ・ネック」を、ぜひ試してみて欲しい。

(Part.33を読む)
(Part.35を読む)