体重・筋量UP
筋肉に新鮮な刺激を与えるためには、エクササイズの種類や順番、レップス数、インターバルの長さなど、さまざまなファクターに変化を付けてトレーニングすることが重要です。
しかし、「ウェイトを上げ下ろしするときのテンポ」についてはどうでしょうか。多くの場合において、ウェイトを上げるとき(ポジティブ)では、これくらいのスピードでやり、下ろすとき(ネガティブ)には、これくらいのスピードでやる、という習慣がついてしまっているはずです。スクワットのレップス数に変化を付けることはあっても、立ち上がるスピードについては、だいたいいつも同じくらいのはずです。
では、スピーディに上げる場合と、ゆっくり上げる場合とでは、どのような違いがあるのでしょうか。真っ先に考えられるのが、「慣性」の違いです。
スピーディに上げる場合はウェイトに勢いがつくため、より重い重量を扱うことができます。逆にゆっくり上げる場合は勢いが抑制されるため、あまり重い重量は扱うことができません。
次に、「モーターユニット動員数」の違いが考えられます。モーターユニットとは、「1本の神経と、その神経が支配する筋繊維数」のこと。スピーディに上げる場合は、より多くの神経が使われますので、それだけ多い数の筋繊維も使われます。つまりモーターユニットの動員数が多くなります。
逆にゆっくり上げる場合は、使われる神経の数が少ないため、動員されるモーターユニット数も減り、使われる筋繊維の数も少なくなります。
このように考えると、基本的には「上げるときはスピーディに」行ったほうが、重い重量を扱えるだけでなく、使われるモーターユニットも多いため、より大きなトレーニング効果をもたらしてくれると考えられます。
しかし、重い重量をスピーディに上げるというのは怪我をする危険性も高くなりますし、関節への負担も大きくなります。また、動作初期では筋肉がストレッチポジションにあることが多く、このときにしっかり負荷をかけることが、筋発達のためのキーとなります。 さらに、最初に勢いをつけて上げてしまうと、ストレッチポジションでかかる負荷が弱くなるため、筋発達への刺激が弱くなってしまうのです。
ですから、ときどきは軽めの重量でスタートからゆっくりと動作を行うようにしましょう。そうすれば、筋発達に必要な刺激を与えるだけでなく、怪我をせず安全にトレーニングを継続してくことができるのです。
次に、ウェイトを下ろすとき(ネガティブ)について考えてみましょう。今度は慣性が逆に働きます。「ストン!」とウェイトを下ろしてしまうのは非常にラクなのですが、筋肉への刺激は激減してしまいます。また怪我の可能性も高まります。
ネガティブ時には筋肉が引き伸ばされながら力を発揮しているわけですが、そのときにこそ、筋肉を発達させる「成長因子」が発現されます。このときに、重力に任せるままにウェイトを下ろしてしまったのでは、筋肉はまったく働かないため、成長因子も発現しません。 極論すれば、ウェイトを上げるときよりも、ウェイトを下ろすときのほうが重要なのです。ですからネガティブ時には必ずコントロールしながらゆっくりと、筋肉のストレッチを感じながらウェイトを下ろしていくようにしてください。
それでは、スクワット強化のためのプログラムに応用してみましょう。スクワットの使用重量を伸ばすためには、ボールを使ったブルガリアンスクワットなどでスタビライザーを強化することが有効となります。このような種目を、ヘビーウェイトからの回復期にゆっくりとしたテンポで行うようにするのです。
(Part 13を読む) |
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筋肉に新鮮な刺激を与えるためには、エクササイズの種類や順番、レップス数、インターバルの長さなど、さまざまなファクターに変化を付けてトレーニングすることが重要です。
しかし、「ウェイトを上げ下ろしするときのテンポ」についてはどうでしょうか。多くの場合において、ウェイトを上げるとき(ポジティブ)では、これくらいのスピードでやり、下ろすとき(ネガティブ)には、これくらいのスピードでやる、という習慣がついてしまっているはずです。スクワットのレップス数に変化を付けることはあっても、立ち上がるスピードについては、だいたいいつも同じくらいのはずです。
では、スピーディに上げる場合と、ゆっくり上げる場合とでは、どのような違いがあるのでしょうか。真っ先に考えられるのが、「慣性」の違いです。
スピーディに上げる場合はウェイトに勢いがつくため、より重い重量を扱うことができます。逆にゆっくり上げる場合は勢いが抑制されるため、あまり重い重量は扱うことができません。
次に、「モーターユニット動員数」の違いが考えられます。モーターユニットとは、「1本の神経と、その神経が支配する筋繊維数」のこと。スピーディに上げる場合は、より多くの神経が使われますので、それだけ多い数の筋繊維も使われます。つまりモーターユニットの動員数が多くなります。
逆にゆっくり上げる場合は、使われる神経の数が少ないため、動員されるモーターユニット数も減り、使われる筋繊維の数も少なくなります。
このように考えると、基本的には「上げるときはスピーディに」行ったほうが、重い重量を扱えるだけでなく、使われるモーターユニットも多いため、より大きなトレーニング効果をもたらしてくれると考えられます。
しかし、重い重量をスピーディに上げるというのは怪我をする危険性も高くなりますし、関節への負担も大きくなります。また、動作初期では筋肉がストレッチポジションにあることが多く、このときにしっかり負荷をかけることが、筋発達のためのキーとなります。 さらに、最初に勢いをつけて上げてしまうと、ストレッチポジションでかかる負荷が弱くなるため、筋発達への刺激が弱くなってしまうのです。
ですから、ときどきは軽めの重量でスタートからゆっくりと動作を行うようにしましょう。そうすれば、筋発達に必要な刺激を与えるだけでなく、怪我をせず安全にトレーニングを継続してくことができるのです。
次に、ウェイトを下ろすとき(ネガティブ)について考えてみましょう。今度は慣性が逆に働きます。「ストン!」とウェイトを下ろしてしまうのは非常にラクなのですが、筋肉への刺激は激減してしまいます。また怪我の可能性も高まります。
ネガティブ時には筋肉が引き伸ばされながら力を発揮しているわけですが、そのときにこそ、筋肉を発達させる「成長因子」が発現されます。このときに、重力に任せるままにウェイトを下ろしてしまったのでは、筋肉はまったく働かないため、成長因子も発現しません。 極論すれば、ウェイトを上げるときよりも、ウェイトを下ろすときのほうが重要なのです。ですからネガティブ時には必ずコントロールしながらゆっくりと、筋肉のストレッチを感じながらウェイトを下ろしていくようにしてください。
それでは、スクワット強化のためのプログラムに応用してみましょう。スクワットの使用重量を伸ばすためには、ボールを使ったブルガリアンスクワットなどでスタビライザーを強化することが有効となります。このような種目を、ヘビーウェイトからの回復期にゆっくりとしたテンポで行うようにするのです。
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